ランボルギーニのレーシングマシン「ウラカンSTO」で富士スピードウェイを全開走行
昨年の11月20日、東京・六本木の「THE LOUNGE TOKYO」において、ランボルギーニV10エンジン搭載モデル『ウラカン』の特別なモデル『ウラカンSTO(Super Trofeo Omologata)』が初公開された。その紹介記事を@DIMEでも取り上げているので、憶えている方もいるだろう。
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この『ウラカンSTO』は、ランボルギーニが世界展開しているワンメイクレースシリーズを競う『ウラカン スーパー トロフェオEVO』や、デイトナ24時間レースで3連覇を飾り、セブリング12時間レースで2度の優勝に輝いた『ウラカン GT3 EVO』で得られたレース・テクノロジーを活かして開発。
つまり『ウラカンSTO』は、サーキットで培われた技術と経験が存分に注ぎ込まれた、いわゆる公道走行可能なレーシングマシンとなるのだ。
あれから約1年、なんと!その公道走行可能なレーシングマシンである『ウラカンSTO』に、国際レーシングコースである富士スピードウェイの本コースで試乗するという貴重な機会を得たのである。
ということで、その『ウラカンSTO』の凄まじい走りを含めたレーシングマシンぶりを、レポートしてみたい。
レーシングカー同様に徹底されたエアロダイナミクスと軽量化
10月某日、富士スピードウェイの本コースピット上には、5タイプにカラーリングが施された『ウラカンSTO』が、6台(そのうち2台は同じカラーリング)用意されていた。その姿は、まるで未来の戦闘機が出撃のときを待っているかのような圧巻の迫力である。
聞けば、この6台の『ウラカンSTO』は、このイベントのためだけに本国イタリアから空輸され、終わればすぐに戻されるとのこと。なんとも贅沢な話ではあるが、6台も揃って間近で目にすること自体、めったに叶うことがないため大変貴重だ。
ちょっと点数が多くなるが、5タイプにカラーリングが施された『ウラカンSTO』を写真で紹介しよう。
その『ウラカンSTO』のボディサイズは、全長4549mm、全幅1945mm、全高1220mmでホイールベースは2620mm。さらに、外装パネルの75%以上にカーボンを使用し、複雑な構造を1枚のパーツで構成することによって強度を高めながら、結合部分がないことで軽量化を実現。その乾燥重量は1339kgで、徹底的な軽量化を施している『ウラカン ペルフォルマンテ』より、さらに43kgも軽くなっている。
また、フロントボンネット、フェンダー、フロントバンパーがひとつのコンポーネントとして一体化された「Cofango(コファンゴ)」と呼ばれるフロントカウルは、軽量化だけでなく、モータースポーツでのメンテナンスなどの合理化にも寄与。
コンマ1秒を競うレースの世界では、修理の際の部品交換が簡単な方が有利となるゆえんだ。なお、この前ヒンジのフロントカウルの採用は、ランボルギーニの中でも1966年から1973年まで生産された筆者も大好きな『ミウラ』以来だという。
それにしてもレースフィールドからのフィードバックとなる徹底されたエアロダイナミクスは見事だ。特に、フロントカウルをオープンさせると空力を活かした構造がわかりやすく、フロントノーズから入った空気がボンネットに設けられたエアダクトから抜けることによって生み出されるダウンフォース。さらに、フロントフェンダーの上部にあるルーバーでは、ホイールハウス内の圧力を低減すると同時に、フロントのダウンフォースを増大させる役割を果たしているのがわかる。
ちなみにフロント中央に配置するトランクは、ヘルメットを収納するために設計されており『ウラカンSTO』のレーシングDNAを強く感じるところでもある。
そして、リアセクションのエアロダイナミクスも徹底されている。エアインテーク付きのリアフェンダーは、ドラッグを低減しながらリアのダウンフォースを高めて総合的な空力性能を向上。さらに、リヤウイングはサーキットの特性にあわせて手動で3段階で調整でき、最大では280km/h時に420kgのダウンフォースを発生するという。
加えて、リアのボンネットには、特徴的なセンターに伸びるシャークフィンがあり、直進性を高め、コーナリングを安定させる役割を果たす。また、内側の空冷効率を向上させるためのエアスクープが設けられ、フレームに組み込まれた専用のエアディフレクターが、エンジン温度調整の必要に応じてシュノーケルからの大量の空気を導く構造となっている。
ドライビングに集中できる機能美にに溢れたインテリア
さて、インテリアについてもエクステリア同様に軽量化を反映したものになっており、コックピット全体を通してカーボンパーツが豊富に使用されている。もちろんドアの内張りもカーボン製となり、ドアハンドルもベルトタイプという徹底ぶり。さらにフロントガラスも薄板化して軽量化に寄与。
そして、カーボンファイバー製のスポーツシート表皮はもちろん、ダッシュボードやルーフライナーなどはアルカンターラ仕上げとなり、サーキット走行での滑りにくさやクッション性などを配慮したものとなっている。
また、ステアリングや各種スイッチ類、メーターパネルなど極力目線の移動を少なくするための配置や機能的な設計がされているため、ドライビングに集中できるようになっている。
なお、今回の6台の中でも、装着しているクルマとそうでないのがあったが、リアバルクヘッドには、アクラポビッチ社と共同開発したチタン合金製のロールケージが組み込まれ、従来のステンレス製に比べ40%の軽量化を実現している。
ちなみに、シートベルトに関しても4点式と3点式を装備しているクルマが混在したが、それはホモロゲーションの違いによるもの。ただサーキットでは、必需品ともいえる4点式シートベルトではあるが、日本の公道では違法となり得るため、注意が必要だ。
ということで、次回の記事では、いよいよその衝撃的な走りについてレポートしてみたい。
【ランボルギーニ『ウラカンSTO』スペック】
■全長×全幅×全高:4549×1945×1220mm
■ホイールベース:2620mm
■乾燥重量:1339kg
■排気量:5204cc
■エンジン形式:V10 DOHC
■最高出力:640PS/8000rpm
■最大トルク:565Nm/6500rpm
■トランスミッション:7速LDFデュアルクラッチ
■前後重量配分:41:59
■燃料タンク:80L
■車両価格:4125万円
■関連情報
https://www.lamborghini.com/jp-en/%E3%83%A2%E3%83%87%E3%83%AB/huracan/huracan-sto
取材・文・撮影/土屋嘉久(ADVOX株式会社 代表)
クルマは走らせてナンボ!をモットーに、どんな仕事にも愛車で駆けまわる日々。クルマのほかにもグルメや家電、ファッション情報、また小学館Men’s Beautyでは、男性に向けた美容・健康法、化粧品情報なども発信。
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