■冬タイヤ(スタッドレスタイヤ)の寿命はどのくらい?
冬のシーズンにしか履くことがないスタッドレスタイヤは、どれほどの期間持つのでしょうか。寿命を伸ばす方法はあるのでしょうか。
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冬の間だけ雪道や凍結路を走るスタッドレスタイヤは、夏タイヤと比べるとすり減る度合いが少なくなります。
また使う期間も夏タイヤより少ないことから長持ちするイメージを持つスタッドレスタイヤですが、どれくらい履き続けられるのでしょうか。
ブリヂストン広報部の担当者は、スタッドレスタイヤの推奨寿命ついて次のように話します。
「適正に保管された新品スタッドレスタイヤは、3年間は同等の性能を保つことが確認されています。
また、スタッドレスタイヤとしての使用開始後の性能保証は50%摩耗(プラットホーム露出)までです」
基本的に、タイヤは溝が減って1.6ミリになるまでは使用できます。
残り溝1.6ミリになるとスリップサインが現れますが、一か所でもスリップサインが出たタイヤは道路交通法で装着が禁止されています。
しかし、スタッドレスタイヤとして使用できる限界はもっと早くやってきます。
それは、スタッドレスタイヤの構造上、溝が50%減ると雪道や凍結路でのグリップ性能が大きく低下するからです。
スタッドレスタイヤには、新品からが50%摩耗したことを示すプラットホームという突起がついていますが、この突起が露出したときが交換の目安です。その時期は、使用を開始してから3年程度といわれています。
ただ、溝だけを目安に履き続けているのも危険がともないます。
スタッドレスタイヤは柔らかいゴムでできていますが、時間が経つにしたがってゴムから油が揮発して柔軟性が失われ、グリップ性能が落ちてしまう恐れがあるのです。
たとえタイヤに溝が残っていても、グリップ性能が低下していれば雪道などを安全に走行することはできません。
さらに、濡れた路面を走行すると、グリップ力が低下することでハイドロプレーニング現象を引き起こし、クルマを制御できなくなることがあります。
ゴムの硬化が進むと、タイヤの表面にはひび割れが発生します。ひび割れを確認したら早めに買い換えるとよいでしょう。
また、タイヤ販売店に持ち込んで硬化の進み具合を点検してもらうこともできます。
そのため、スタッドレスタイヤは、3シーズンほど使用してから交換するのが理想的と言えるでしょう。
スタッドレスタイヤはゴムの経年劣化にともないタイヤの性能も変化します。そのため、なるべく負荷をかけないように扱うと、長持ちさせることにつながります。
まず、タイヤの性能をしっかり発揮させるためには、適切な空気圧を保つことが大切です。
空気圧は見た目ではわからないので、月に1回は点検するとよいでしょう。適正空気圧は運転席のドアなどに貼られたシールで確認できます。
多くのクルマは前輪のほうに負担がかかり、タイヤの摩耗が早くなります。
そのため、定期的に前輪と後輪のタイヤを入れ替えると摩耗を均一にできます。スタッドレスタイヤの場合は、シーズンの履き替え時ごとにタイヤをローテーションさせるとよいでしょう。
反対に、一年中通して履き続けるのはおすすめしません。
夏用タイヤよりゴムが柔らかいので、路面が高温な時期に使用するとより早く摩耗してしまいます。
■実は保管方法にもポイントが! どんな方法があるのか?
オフシーズンにタイヤを保管する際は、ゴムの劣化を抑えるために、直射日光が当たらず湿気も少ない場所を選ぶのがポイントです。さらに、保管する前に空気圧を下げておくとタイヤを痛めません。
そんなスタッドレスタイヤの寿命を伸ばす方法について、ブリヂストン広報部の担当者は次のように話します。
「スタッドレスタイヤの寿命や、交換時期を延ばすために意識頂きたいポイントとして、まずは乗車前の日常点検が何よりも大切です。
次に、月に一度の空気圧点検で適正な空気圧を維持します。
その他には、タイヤの位置交換とアライメントで摩耗を均一にするなどもあります。さらに、安全運転でタイヤも長持ちさせることも可能です。
また、保管方法に注意することで劣化を防ぐことができます。
スタッドレスタイヤの寿命を確認する方法として、タイヤサイド部の4か所(90度間隔)に表示された矢印が示すトレッド(接地)面の溝内にプラットホームがあります。
このプラットホームが露出しているとスタッドレスタイヤの寿命となります」
いずれにしても、経年劣化は避けられないので、3シーズン使用したら交換するかどうか確認することをおすすめします。
また、使用開始から5年以上たったタイヤは、販売店などで点検してもらうと安心できます。
※ ※ ※
スタッドレスタイヤは履いている期間が短いものの、使用環境により交換時期も変わってきます。そのため、日常的にタイヤの状態を点検することが大切です。
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