■クローラー車でキャンピングカーをけん引!?
近年、キャンピングカーは車中泊ブームと相まって人気が高まっています。そんななか、新たなトレンドも生まれているといいます。いったい、どのようなものなのでしょうか。
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国内最大級のキャンピングカーの祭典「キャンピングカーショー」には、大小様々なタイプのキャンピングカーが集結しました。
日本RV協会による、日本におけるキャンピングカーの総保有台数は、2005年時点では約5万台でしたが、2018年には約11万2500台を記録。2011年の東日本大震災の影響で一時期、キャンピングカーの需要が落ち込みましたが、近年は順調に回復し、キャンプブームもあって、国産キャンピングカーの生産台数も年々増加し、2018年には過去最高を記録するなど、販売台数は右肩上がりに伸びています。
これまで、日本のキャンピングカーは、軽バン・軽トラックをベースにしたモデルや、トヨタ「ハイエース」などのワンボックス車をベースにした「バンコンバージョン(以下バンコン)」といわれるスタイルが主流でした。
しかし、キャンピングカーが広まるにつれ、より快適性を求めるユーザーが増加し、昨今ではキャンピングカーベース車のトヨタ「カムロード」などに、キャンピングシェルを架装した「キャブコンバージョン」というスタイルに人気が集まっています。
また、海外の大型キャンピングカーにも注目が集まっており、全体的に高級路線を突き進んでいるようです。
一方で、これまでのスタンダードだったバンコンバージョンも進化を止めておらず、さまざまな内装に仕立てられた新作が登場。北米や欧州でかつて流行した生活様式「バンライフ」を取り入れたアーリーアメリカン調の内装や、プロのインテリアコーディネーイターが手がけたモダンスタイルの内装など、バンコンの車内もまた、年々高級路線となっています。
そんななかで、今回のキャンピングカーショーで新たなムーブメントが興っています。それが「マルチパーパス(多目的なもの)」と「ヘビーデューティ(耐久性のあるもの)」です。
マルチパーパスに使えるSUVやクロスオーバーにおいても、いまヘビーデューティスタイルが流行していますが、その流れはキャンピングカーにもやって来ています。
今回、キャンピングカーショー2020で際目立っていたのが、究極のマルチパーパスを実現したキャンピングトレーラーで、雪の上を滑走可能な仕様です。
ベースになっているのは、アメリカの名門ブランド エアストリームの「ベースキャンプ」。このモデルは元々、エアストリームのラインナップのなかでも異質なモデルで、ダートなどのオフロードでも走れるよう、サスペンションとタイヤの性能、そしてボディ重量が考慮されています。
このタイヤ&ホイールを、専用のソリに変更することで、雪の上を滑走することができるのです。企画したのはエアストリームジャパンで、ソリをつくったのは4WD車のクローラーを製作しているノースウエスト特殊車両です。
クローラー車のトレーラーヘッドで牽引すれば、雪原野でも自在に進むことができ、ダイナミックな景色のなかでオートキャンプを楽しむことができます。
エアストリームジャパンのスタッフによると、「雪の上でも走るキャンピングトレーラーをつくりたかった」というシンプルな理由から企画されたようですが、広報担当者はさまざまなシーンでの用途を見据えているといいます。
「昨今はキャンプブームで、一定の場所での使用に限られるキャンピングトレーラーにも、マルチパーパスな性能が期待されています。
またSUVも同様ですが、昨今は災害時の運用という点でも期待されています。元々、キャンピングカーは東日本大震災以来、プライベートな空間を確保するという点で注目されてきたジャンルです。
そのため、道路などのインフラがダメージを受けた状態でも、走れるキャンピングカーがあれば、より注目度は上がります。この雪上を走れるトレーラーも、雪山遭難救助のベースとして使うことができるほか、単なるレジャーだけではない用途を模索していければと考えています」(エアストリームジャパン・広報担当者)
※ ※ ※
他社製品といかに差別化をはるかに、多くのキャンピングカービルダーが苦心しています。今後、各社がマルチパーパス化とヘビーデューティ化に同調していくのかは分かりませんが、少なくともSUV人気が続く自動車市場を見るかぎりでは、キャンピングカー市場でも十分通用しそうなムーブメントなのではないでしょうか。
■クローラー車以外にも注目される「キャンピングカー」とは?
キャンピングカーショー2020では、1000万円を超えるモデルも多く展示されています。そのなかでも注目されていたのが「バハ・アドベンチャー4×4」です。
このモデルは、メルセデスベンツ「スプリンター」という商用バンをベースにしたバンコンで、スプリンターはドイツの「デリバリーバン」というカテゴリーに属する乗用車登録が可能な商用モデルです。
全長5930mm×全高1990mm×全幅2930mmという大きなボディですが、本国では4人乗り仕様しかないため、日本のニーズに応えて8人乗りシートに変更されました。
このシートは2列目、3列目がフルフラットになるバタフライシートで、さらに車両後部に2段ベッドを備えることで、計5人の就寝が可能です。
車内には、増設された夜間照明や車外で使えるレジャーシャワーなどを備え、より快適かつゴージャスに車中泊ができるというコンセプトで造られています。
しかし、同モデルの特徴は、従来のバンコンとは一線を画すビジュアルで、スプリンターは4WDモデルなので、より多くのロードクリアランスが確保されるため、2WDモデルよりも迫力が増しています。
さらにキャンパーに改造する際に、マッドテレーンタイプのタイヤを装着。そのフォルムは、まるで米軍のMRAP(輪装甲車輌)を彷彿とさせるもので、昨今の時流にのった、ヘビーデューティな雰囲気に仕上がっています。
搭載されるエンジンは3リッターV型6気筒ディーゼルのため、この巨体も軽々と動かしてくれますが、4WDはフルタイム方式で、あくまでもオープンデフのため、フラットダートや河原以上に荒れたオフロードには入り込まない方が良さそうです。
ちなみに、価格は1800万円越で、販売元のキャンピングカーオーゼットのスタッフによれば、「購入するのはフェラーリやランボルギーニなどに乗っている富裕層が多い」とのことでした。
さすがに「1800万円超えでは買えない…」という人には、ハイエースをベースにしたレクヴィ「ホビクル オーバーランド」というモデルも会場では目立っていました。なお、展示車両の価格は576万7000円です。
このモデルのコンセプトは「ライトなミリタリー」で、たしかに車内を見ると、採用されている装備品のすべてに、ミリタリーな雰囲気を感じます。
とくにシートのトリムには特別なものを使用しており、ミリタリーテイストを演出。つや消しブラックに塗装された剥き出しのパイプも、ヘビーデューティなイメージを増幅させています。
さらに外装も、デジタル迷彩のデカールが貼られていたり、JAOS製のフロントスキッドバーやRHINO製のルーフラック&リアラダーを装着することで、ミリタリー調を完全昇華させています。
レクヴィのスタッフは、このモデルをつくった意図を次のように語ります。
「昨今はキャンピングブームといわれていますが、ブームを支えているのが中高年男性のソロキャンプといわれています。
そうしたユーザーは、ミリタリーアイテムを好む傾向があるので、このモデルをつくってみました。ただ本物のミリタリーにするのではなく、あくまでもライトなミリタリールックというのがポイントです」
ライトとはいえ、クルマの内外から溢れる「男の道具感」は十分で、従来のキャンピングカーにはなかった新機軸の雰囲気をまとっています。
※ ※ ※
このようにさまざまなモデルがラインナップされる昨今のキャンピングカー市場。自由の象徴のようなキャンピングカーは、かつては日本人の憧れのライフスタイルでしたが、いまや一般的なクルマのカテゴリーとなったようです。
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