目指したのはサイズを感じさせない力強さ
クロスビーのパワーユニットは、自然吸気エンジンの1.5Lに相当する高出力と大トルクを発揮する1LのK10C型直列3気筒直噴ターボエンジンを搭載。このエンジンはバレーノ(ハイオク仕様)やスイフト(レギュラー仕様)に搭載された定評のあるユニットだが、クロスビーではマイルドハイブリッドとのコンビネーションを実現し、車重や空気抵抗が増加するSUVボディにもかかわらずJC08モード燃費では、バレーノやスイフトを凌ぐ22km/L(2WD)を達成している。
エンジンは、バレーノやスイフトよりもエンジンルームのスペースが狭いため、吸排気系の周辺部品をよりコンパクトにして、インタークーラーやラジエータのレイアウトも見直されている。スペースに制約がありながらも、スイフトRStの75kW(102馬力)/5500rpmから73kW(99馬力)/5500rpmと出力の低下を最小限に抑えた。出力は低下したもののトルク特性を車両に合わせて適合し、なおかつ変速比幅を拡大した6速ATとISG(モーター機能付発電機)を巧みに協調させることによって、滑らかで力強い特性とした。結果として1.2Lエンジンを凌ぐパフォーマンスを発揮。排気量のサイズダウンと直噴技術の採用によって燃料消費も効果的に抑制できるのも特徴といえる。
マイルドハイブリッドシステムは、ほかのスズキ車に採用されているものと同じISGであるWA05A型モーターを取り付けているが、K10C用としては国内初搭載なのでベルトのレイアウトを変更している。またベルトの張りを調整する機構には自動調整型のオートテンショナーをおごり、発電だけでなくモーターからの始動とアシスト作動で正転と逆転のトルクに切り替わったときでもつねに適切な張力が得られるようにしている。モーターの最高出力は2.3kW/1000rpm、最大トルクは50N・m/100rpmで、再始動と発進後から約100km/hまでのモーターアシストを行う。
マイルドハイブリッドの作動は、減速時にエンジンからISGを駆動して発電し、リチウムイオンバッテリーとエンジンルームの鉛バッテリーを充電。ブレーキペダルを踏んだときは、より回生量を増やしている。アイドリングストップは、停車前の減速中に車速が約9km/h以下になるとエンジンが自動停止。このときの電力供給はふたつのバッテリーから行なっている。再始動では、鉛バッテリーに蓄えた電力からISGを駆動してベルトを経由してクランクプーリーをまわすので静かでスムースな始動が可能だ。
発進後は専用リチウムイオンバッテリーの電力を使用し、ISGのモーターが発進後や加速時に最長で30秒のモーターアシストを行い、エンジンの負担を抑えて燃料消費を大幅に削減。さらに走行中も、減速時にふたつのバッテリーに蓄えた電力を電装品に供給することで、エンジンから発電機を回すエネルギーを減らして、走行中の発電による無駄な燃料消費が抑えられる。
トランスミッションは、こちらもバレーノやスイフトの1Lターボで採用されている6速オートマチックを搭載。このトランスミッションは、変速比のカバレッジを6.8とワイドにしているため、発進加速のよさと高速巡航時の燃費低減に大きく役立っている。CVTと違い有段になっているので、アクセル操作に対するダイレクト感やレスポンスに優れた特性が備わっていて、ターボエンジンの大トルクと相まって思いのままの走りが楽しめるようになっている。
さまざまな場面で味わえるひとクラス上の走り
プラットフォームは、スズキの軽量高剛性のHEARTECT(ハーテクト)技術を採用。地上高の180mmやホイールベースの2435mmという基本寸法はイグニスと同一だ。その一方で、イグニス比では全長が+60mmの3760mm、全高は+110mmの1705mmへと拡大され、キャビンの長さや高さも拡大されている。また、2WDと4WDでサスペンション形式も違うので、リヤシートの座面前付近から後方のフロア形状を駆動方式に合わせて使い分けているが、手法はイグニスと共通だ。
フロア骨格は、フロントのエンジンルームサイドのメンバー部からフロアに向かって緩やかな曲線でつなぎ、その延長線上にあるフロア下の骨格と直線状につなぐことで衝突時の力を効率的に受け止めつつ分散できるように配置。フロア下の骨格自体もフロントからリヤにかけて八の字状に広げたうえでリヤフロアの骨格とストレートに接続し、合理的な応力分散と軽量化を実現。サイズ拡大に合わせて車重は増加したが、イグニス比+80kgで、2WDは960kg、4WDは1000kgと1トン以内に収まる。
歩行者との衝突時にダメージを減らす歩行者保護性能では、フロントバンパーやフェンダー、フード、ワイパーやカウルトップパネルをはじめ、ルーフも衝撃吸収構造を採用して、歩行者の頭部や脚部へのダメージを軽減する。
上質で快適な室内空間を提供するため、ボディそのものの振動対策も強化。ルーフ部には、ルーフとその支持部材を接着する方法を線シーラー化して接合部の密着度を高めたほか、ステアリングサポートパイプを閉断面化してステアリングに伝わる振動を抑えている。
また、エンジン音対策ではAピラー部に遮音バッフルを採用し、エンジンルーム内面となるフード裏やカウル部、ダッシュアウターにサイレンサーを取り付けている。キャビン側では全面フェルトを採用した一体型フロアカーペットによるロードノイズ低減や、吸音性能を持たせた成形天井材によって走行風や雨で発生するルーフ側の音を抑えるように対策した。
サスペンション形式は、イグニスと同様でフロントがストラット式、リヤは2WDがトーションビーム式コイル、4WDがI.T.L.式コイルスプリングと同様だが、車重や重心高の変化に合わせて最適なチューニングを施している。
危険を予測して安心ドライブをサポート
クロスビーは、スズキの小型車では初装備となる後退時ブレーキサポートに加え、6つの先進安全機能を搭載。経済産業省や国土交通省などが普及を推進する安全運転サポート車の「サポカーSワイド」に該当している。
前方衝突警報や衝突被害軽減用のデバイスではデュアルセンサーブレーキサポートを搭載。フロントスクリーン上部に設置された単眼カメラとレーザーレーダーが前方車両と歩行者を検知し、危険度のレベルに合わせて警報や衝突被害軽減アシスト、自動ブレーキの作動を行う。
第1段階は前方衝突警報機能で、対車両の場合や自車速度が約15~約100km/h、対歩行者では約15~60km/hで走行中に前方の車両や歩行者との衝突の可能性を察知すると、ブレーキを掛けるよう警告する。第2段階は、前方衝突被害軽減ブレーキアシストで、自車速度が対車両では約15~約80km/h、対歩行者では約15~約60km/hで走行中に衝突の可能性がある場合、ドライバーがブレーキペダルを強く踏むとブレーキアシストが作動。第3段階は自動ブレーキで、自車速度が対車両では約5~約100km/h、対歩行者では約5~約60km/hで走行中にシステムが「このままでは衝突が避けられない」と判断すると強い自動ブレーキを作動させる。
誤発進抑制機能は、ペダルやシフト操作のミスによる衝突の回避や被害軽減に貢献。シフト位置がD/Mレンジで停車や約10km/h以下において前方約4m以内の障害物が認識された場合、誤ってアクセルを強く踏み込むとエンジン出力を最長で約5秒間抑制すると同時に警報。車線逸脱警報機能やふらつき警報機能では、約60~約100km/hで走行中に車線の左右区画線を検知して進路予測や走行パターンの計測を行ない、車線逸脱やフラつきが検知されると警報する。
先行車発進お知らせ機能では、シフト位置がD/N/Mレンジでブレーキペダルを踏むかパーキングブレーキで停車中に先行車が発進すると自車との距離を計測して、先行車が約5m以上走行したにもかかわらず自車が停止し続けた場合に、ブザーとメーター内の表示で知らせてくれるもの。さらに夜間の安全性向上を図るハイビームアシストも装備。ライトスイッチがAUTO位置でハイビーム側にしておくと約30km/h以上で走行中、対向車や先行車が存在しないときに自動でハイビームにしてくれる便利機能だ。
スズキの小型車初となる後退時ブレーキサポートは、後退時の自動ブレーキと後方誤発進抑制機能を実現。リヤバンパーに内蔵した4つの超音波センサーで車両後方の障害物を検知するが、音波のため透明なガラスなども検知できる。このシステムは約10km/h以下で後退中、後方約3mまでに壁などの障害物があるとき、システムが衝突を避けられないと判断した場合に自動ブレーキを作動させる。また、後方に障害物がある状態でドライバーが誤ってアクセルペダルを強く踏んだ際には警報を出しながら、エンジン出力を抑えて衝突の回避や被害軽減を行なう。
全方位モニターを早くから展開していたスズキだが、クロスビーでは3Dビューを同社の小型車で初採用。真上からだけでなく斜め上空から見たような「室外視点」と、運転席からの目線で車体を透かしてみたような状態で映像を表示する「室内目線」で周囲の状況をモニターできるようになった。また、見通しの悪い路地から道路に出るときや駐車スペースから後退するときの左右確認を支援する、「左右確認サポート機能」を搭載。カメラの視野内に人や物の接近を認識するとブザーと画面表示で知らせてくれる。
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