■日本未発売の「パトロール」をベースにしたモンスターSUV
日産「パトロール」という名前を知らない人は多いかもしれません。というのも、2023年11月現在、日本では販売されていないためです。
【画像】めちゃカッコイイ! 日産の新型「パトロール”ブラックホーク”」を画像で見る(30枚以上)
パトロールの歴史は古く、初代は1951年に登場しています。自衛隊の前身である警察予備隊向け車両として開発されましたが、入札は「三菱 ジープ」が勝ち取ったため、民生用として販売が行われました。参考までに、のちにランドクルーザーに発展した「トヨタ BJ型」も、パトロールと同じ経緯で市販化されたクルマでした。
1960年にフルモデルチェンジした2代目は、20年という超寿命を誇りました。3代目は1980年に誕生。乗用車的な内外装を獲得して、無骨で官公庁向けというイメージの4輪駆動車から、レジャー・アウトドアを楽しむ一般ユーザーを惹きつけるクルマに変貌しました。日本では、この代から「サファリ」として販売されたため、馴染みがあるのではないでしょうか。
しかし日本では、2007年に3代目サファリ(5代目パトロール)の販売を終了。サファリの名前は消えてしまいました。現行モデルは2010年発売の6代目にあたり、豪州・中南米・南アフリカ・中東などで、富裕層向け高級SUVとして販売が行われています。
その中の一つ、南アフリカで各国のさまざまなメーカーのクルマを輸入するディーラー「BBグループ」は、この最新型パトロールを用いたスペシャルバージョンを作成しました。
それが、新型「パトロール”ブラックホーク(Black Hawk)“」です。
まず目を引くのがエクステリアです。フロントバンパーは下方に延長され、Xをモチーフにしたような巨大な光沢グリルともども迫力あるマスクを形成。285/40 R22という大径タイヤ・ホイールを収めるためのオーバーフェンダーも装着しており、堂々とした体躯を誇るパトロールをさらに大きく見せています。
パトロールに標準搭載される5.6リッターV8エンジン「VK56型」にも手が加えられ、スーパーチャージャーの追加により最高出力はなんと396kW(531ps)をマーク。最大トルクも772Nm(78.7kgf・m)に達します。ノーマルの298kW(399ps)/560Nm(57kgf・m)に比べると、大幅にパワーアップ。500psオーバーのハイパワー高級SUVに並ぶ性能を獲得しています。
この強大なパワーは7速オートマチックトランスミッションを介して4輪に伝達。パトロールが元来備えているヒルディセントコントロール、サンド・オンロード・ロック・スノーの4モードに切り替えられる4輪駆動システムはそのまま機能するため、高い悪路走破性もキープしています。しかし実際には、エクステリアパーツや大径ホイール、オンロードタイヤを持つブラックホークでオフロード走行を楽しむのは不向きかもしれません。
パトロールは高級SUVのため装備は豊富で、内装の仕立ても上質ですが、ブラックホークではさらにBOSE社のサウンドシステム、ヒーターとベンチレーション機能を有するフロントシート、後席用8インチモニターなどが追加されています。各種安全装備も、もちろんそのまま装着されています。
パトロール ブラックホークの価格は220万ランド。アメリカドルでは約11.7万ドル、日本円では約1750万円です。南アフリカでの標準的なパトロールの最低価格が約175万ランド(=約1390万円)のため価格差はかなりありますが、外観・性能の差も大きく、現地では話題になっているようです。
なお販売は南アフリカのBBグループのみ、とのこと。そのため日本の日産ディーラーで買うことは不可能ですが、どこかの並行輸入業者経由で購入するという方法もあるかもしれません。
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みんなのコメント
どこが良いのか分からん。