イベント [2022.09.16 UP]
【M NIGHT OUT】50周年を迎えたBMW Mを祝う【九島辰也】
文●九島辰也 写真●BMW
札幌オリンピックが開催され、連合赤軍あさま山荘事件が起き、パンダが初来日した1972年、BMW M社は発足しました。当時の名前はBMWモータースポーツ社。文字通り、モータースポーツ車両の開発と生産をする目的で設立されました。正真正銘BMWグループの会社です。
そのM社が今年50周年を迎えました。今ではレーシングカーの研究開発はもちろん、チューンナップされたMモデル、それとMスポーツに装備されるパーツの開発などを行っています。“エムスリー”なんて言葉の響きに心躍らせた諸兄も多いことでしょう。ある意味ハイパフォーマンスカーのハシリですね。
何を隠そうワタクシもMの紋章に憧れた中のひとり。2001年ごろ、Z3ベースのMロードスターを購入したことがあります。ダカールイエローのボディに、M社がチューニングした3.2リッター直6ツインカムを搭載したモデルです。パワーは321ps。E36型後期のM3と同じユニットでした。ですが、あちらは6速MT。こちらはそのギアボックスを積むスペースが足りなかったので5速MTとの組み合わせとなります。つまり、それだけコンパクトなボディに大パワーエンジンを搭載したということ。想像通りのじゃじゃ馬でした。FRパッケージの限界では?と思わせたほどです。
それにエンジンはカリカリチューンだったので、長い時間渋滞に巻き込まれると、アイドリングがバラつくほど不機嫌になります。回転が定まらずボディの振動が止まりません。そのままだと不調を翌日まで持ち越すので、そんな日の夜は第三京浜を往復して少し回転を上げてやります。いやはや手のかかるマシンですね。でも、そこで調子が持ち直すと本領発揮。ドライバーのハートは思いっきりくすぐられます。「そうそう、これこれ」って感じ。もう、目がハートです。
M4CSL
話がだいぶそれましたが、そんなMブランドの50周年を記念したイベント「M NIGHT OUT」が東京・六本木で行われました。六本木ヒルズの広場につくられたのはクルマとファッションモデルが歩くランウェイ。そこにきらびやかなスポットライトが当たると、歴代Mモデルが動き出します。
先頭に控えていたのはM1でした。イベント開始前のカバーがかかっている状態から察せられます。長いボンネットと薄いボディがスーパーカー的。うっとりします。そして、その後には、懐かしのE30型M3やZ3クーペベースのMクーペ、E46型M3 CSL、M2クーペ、M4 GTS、そして当日発表のM4 CSLが顔を連ねました。このクルマはニュルブルクリンク北コースで量産車最速タイムを叩き出したそうです。世界限定100台、日本限定25台というから発売と同時にプレミアムですよね。プライスはすぐに釣り上がることでしょう。お見事!
そんなMモデルとMスポーツモデルには期間限定で、50周年を記念した特別なMエンブレムが装着されます。創業時のデザインをモチーフにしたそれはスポーティでちょっぴりレトロな雰囲気を醸し出します。この辺のさじ加減はさすがです。
M NIGHT OUT
ということで、この時期Mモデルをチェックしてみるのは良いかも。近年はメルセデスのAMGやアウディのRS、ジャガーのRやレンジローバーのSVRなどがラインナップされ、ハイパフォーマンスモデルはだいぶ浸透してきました。が、やはり元祖はMという気がします。多くのクルマ好きが「Mは別物」という認識でしょうから。
ただ、最近はMの文字が付くモデルがめちゃくちゃ増えました。ホームページをご覧ください。驚きます。その意味じゃ広いニーズに応えられることでしょう。SUVもたくさん。個人的にはX4 Mなんて胸に刺さります。この車体で510psはヤバいです。まぁ、そこがMの魅力でもありますけどね。その進化は止まりません。
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