大幅改良を受けたレクサスのフラグシップモデル「LS」のチーフエンジニアにインタビュー。改良のポイントなどを訊いた。
静粛性と乗り心地を高めた新型
レクサスのフラグシップモデルである「LS」が大幅改良を受けた。レクサス・ブランドの展開当初よりラインナップされた、まさにレクサスを象徴する1台と言ってもよい存在であるが、はたして、今回はどのような思いや考えのもと、手がくわえられたのか? チーフエンジニアを務める武藤康史氏に訊いた。
――武藤さんはレクサスLCのチーフエンジニアも務めていますが、兼務されていらっしゃるのですか?
武藤 はい。LCは佐藤恒治(現・レクサスインターナショナルプレジデント)、LSは旭利夫(現・自動運転・先進安全開発部主査)から引き継ぎました。
――5代目の現行モデルは、LCと共に新世代のレクサスを象徴するものですが、初の大幅改良のテーマはなんでしょう?
武藤 今回はマイナーチェンジですが、大きく進化させる必要があると考えました。そのためにはどうすべきか? と、考え、“原点回帰”をテーマに掲げました。
――「原点」というのは初代LSのことですか?
武藤 そうです。1989年に登場した初代は、レクサス・ブランド開業のためにゼロから開発しました。レクサスの原点ともいうべきLSの達成を土台にして、「今まで自分たちはなにをしてきたのか?」、と、振り返りました。
――初代は圧倒的な“静粛性”と、快適な“乗り心地”を武器に、世界のプレミアム・ブランドに挑みました。その“静粛性”と“乗り心地”について、現行型というかマイナーチェンジ前のモデルについては、ユーザーから不満もあったようですね。
武藤 その点は、実際に購入したユーザーが感じたことでしたから、改良のタイミングで、重点的に手をくわえる必要がありました。
――私自身は、現行モデルの走りを高く評価しています。やはり走りを追求すると、乗り心地については、多少諦める必要があるのでしょうか?
武藤 いえ、いずれかを犠牲にするのではなく両立しなくてはなりません。セダンの魅力は、低い全高よるスタイルの良さや、重心が低いからこその走りの良さであると思います。今回の改良では、素性の良さを活かしたコーナリング性能の向上にくわえ、乗り心地も改良しました。
――具体的に、どのような改良を施したのでしょうか?
武藤 アルミ製ロワーアームなどの採用によって、バネ下重量を軽減しました。これにあわせてサスペンションも再チューニングしました。足まわりについては、“綺麗に動かすこと”、“動きに連続性を持たせること”に、注力しました。
――なるほど。先に大幅改良モデルが発表されたLCの変更箇所とおなじですか?
武藤 基本的にはおなじです。LCとLSの2台はおなじ「GA-Lプラットフォーム」を使用しています。ただし、“味付け”は異なります。
――実際に新型LSをテストコースで試乗しましたが、乗り心地やハンドリングは大きく改善されていたように思いました。
武藤 乗り心地の向上はバネ下の軽量化に地道に取り組んだ結果です。またハンドリングにかんしては、可変ギアレシオステアリングや電動パワーステアリング、そして後輪操舵システムなどを統合制御するシステムを改良しました。
――今回は内外装の一部もアップデートされました。追加された新しいボディカラー「銀影ラスター」は、なかなかいいですね。
武藤 滑らかなシルバーで、光の角度によってさまざまな表情を見せるのが特徴です。現行LSの流麗なデザインをより引き立たてます。
――内装では、一部トリムに西陣織を使った仕様を設定したのが斬新ですね。
武藤 クルマ用としては珍しい素材であると思います。量産モデルへの採用は非常にハードルが高かったです。
――今回の大幅改良で、LSの魅力は大幅に向上したのではないでしょうか?
武藤 LSを含むレクサスのモデルは、毎年手をくわえ進化および熟成を図っています。ただし今回の大幅改良は、毎年の一部改良とは比較にならないほど大幅なものでした。今後も“最新のレクサスが最良のレクサス”との期待に応えられるよう、頑張っていきます。
文・山本シンヤ
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