自転車にも、適切な暑さケアを?
梅雨が終わればいよいよ夏本番。昨年(2023年)の夏は全国的に例年を大きく上回り、1898年の統計開始以来、日本の平均気温偏差は過去最高を記録し、東京では30度以上の真夏日が連続59日を数えて過去最長となり、全国では初めて40度超えを記録した地域もたくさんあったようです。いつまでも続く厳しい暑さに、グッタリしていた日々も記憶に新しいところです。
残念ながら、今年の夏も猛暑(1日の最高気温が35度以上)となるようです。4月の東京はこの120年間でもっとも暑かったそうで、もしかしたら昨年を上回る酷い暑さの中で過ごすことになるかもしれません。
人間が自分で体温調節をして活動できる最高気温は、従来「35度」と言われていたそうですが、2022年に発表されたペンシルベニア大学の研究発表によると実際はそれよりも低く、湿度を考慮して行なわれた研究によれば30~31度で、体温調節機能が衰えている高齢者や乾燥した地域の場合はさらに低い30度未満になるそうです。
ちなみに、地球の平均気温は14度前後だそうですが、世界中で地球温暖化がもたらす影響は多大なもの。その主な原因は石油や石炭など、化石燃料の燃焼によって排出される二酸化炭素です。しかし逆に二酸化炭素などによる温室効果ガスが無くなると、地球上の気温はマイナス19度になるそうです。
さて、人間の体にとって、現代の夏を快適に過ごすことは至難の業でしょう。ポータブルファンやネッククーラーなどを利用しても快適とまでは言えず、外での暑さとうまく付き合いながら過ごすしかありません。では、自転車はどうでしょうか? 現代の気温に自転車は耐えられるのでしょうか。
じつは、真夏の自転車トラブルは意外と多くなっています。
たとえば熱に弱い「ゴム」ですが、空気を入れるバルブの内側に入っている「虫ゴム」と呼ばれるパーツは、タイヤの空気漏れを防ぐ大切な部品です。夏場の高温により、経年劣化が進んだ状態ではゴムが柔らかくなって穴が空いたり、裂けたりするそうです。同様に、劣化したタイヤが破裂するトラブルや、ひび割れが起こることもあるようです。
また、e-BIKE(電動アシスト自転車)で使われているバッテリーは、極端な暑さや寒さに弱いものです。保管場所の気温が40度近くになるような炎天下の場合は、取り外して室内に保管した方が良いとされています。
とくにリチウムイオンバッテリーの場合は、炎天下では最悪の場合発火する可能性も示唆されており、大変危険です。気候の厳しい条件下では、バッテリーは自転車から取り外して、湿気の少ない涼しい場所に保管したいところです。
このように、現代の猛暑の中では、自転車も人間同様ケアが必要です。厳しい夏がやってくる前に、自転車の保管場所の見直しや、ゴム製の部品が劣化していないかなど、チェックすることをオススメします。
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