10月22日、岡山県の岡山国際サーキットでENEOS スーパー耐久シリーズ2023 Supported by BRIDGESTONE第6戦『スーパー耐久レースin岡山』の決勝レースが行われ、午前のグループ2(Gr.2)はST-3クラスの38号車ヒグチロジスティクスサービス RC350 TWS(尾崎俊介/石森聖生/鶴賀義幸/石塚崇宣)、午後のグループ1(Gr.1)はST-Xクラスの14号車中升 ROOKIE AMG GT3(鵜飼龍太/蒲生尚弥/平良響/片岡龍也)がともにポール・トゥ・ウインでトップチェッカーを受けた。
シーズンも終盤に突入した2023年のスーパー耐久。岡山国際サーキットが舞台の第6戦は“お休み”となるST-2クラスを除く8クラス48台のマシンがエントリーし、台数の多さとサーキットの狭さから、決勝は2グループに分けての3時間レースが行われた。
まず決勝日はST-3、ST-4、ST-5、ST-Qの12号車、55号車、61号車が参加するGr.2のレースが8時30分にスタート。グループポールポジションのヒグチロジスティクスサービス RC350 TWSを先頭に1コーナーに飛び込んでいき、接触などは起こらずクリーンな出だしとなる。
Gr.2への出走は27台というとこもあり、レースは落下物回収のためのフルコースイエロー(FCY)が途中に導入される場面があったものの、セーフティカー(SC)は導入されない落ち着いた展開で進んでいく。
ST-3クラスはポールポジションからレースをリードしたヒグチロジスティクスサービス RC350 TWSが終始トップの座を譲らず、FCY導入直前のピットインも功を奏しトップチェッカー。最終的に2位の15号車岡部自動車フェアレディZ34(甲野将哉/長島正明/富田自然/元嶋成弥)に24.772秒差をつけて独走優勝のポール・トゥ・ウインを飾った。
TRACYSPORTS with DELTAは、僚友の39号車エアバスター WINMAX RC350 TWS(眞田拓海/伊藤鷹志/岡田衛/藤田真哉)がレース中盤まで3位を走行していたものの、2度目のピットインの際にリヤトランクに設置された給油口からガソリンが吹き出てしまうトラブルにより後退。代わって16号車岡部自動車フェアレディZ34(鈴木宏和/田中徹/田中哲也/小松一臣)が3位、39号車が4位となっている。
ST-4はクラスポールポジションからスタートした884号車シェイドレーシング GR86(影山正彦/国本雄資/山田真之亮/鶴田哲平)が序盤をリードするも、41号車エアバスター WINMAX GR86 EXEDY(石井宏尚/冨林勇佑/水野大)がレース後半にトップに立つ。884号車は2番手を走行するも86号車TOM’S SPIRIT GR86(矢吹久/松井孝允/河野駿佑/坪井翔)にかわされ3番手に後退。86号車を駆る松井孝允は41号車の後方1.728秒まで追い上げるがわずかに届かず、41号車が2連勝を飾った。
ST-5クラスは88号車村上モータースMAZDAロードスター(村上博幸/有岡綾平/岡本大地/吉田綜一郎)を先頭に、72号車OHLINS Roadster NATS(金井亮忠/山野哲也/野島俊哉)が2番手に続く。その後方には110号車ACCESS COURAGE VITZ(松田利之/前田樹/柳堀翔太)が追い上げをみせ、72号車をかわすと88号車とのバトルを繰り広げる。
しかし、レース終盤にはマツダ・ロードスター勢が上位を再び独占すると、クラスポールから110号車の猛攻を防いで快走をみせた88号車が勝利を手にした。後続は72号車の山野哲也と50号車LOVEDRIVE ロードスターの大井貴之が2位を争っていたが、ポジションは変わらず両車チェッカーを受けた。
開発車両が参加するST-QクラスはMAZDA SPIRIT RACING MAZDA3 Bio concept(寺川和紘/井尻薫/関豊)が速さをみせ、Team SDA Engineering BRZ CNF Concept(廣田光一/山内英輝/井口卓人/伊藤和広)を1周遅れにしてクラストップでフィニッシュ。MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER CNF concept(阪口良平/堤優威/前田育男)もST-4に割って入る総合11位完走を果たしている。
■Gr.1は中升 ROOKIE AMGがトップチェッカー。埼玉トヨペット GB GR Supra GT4がST-Z王者を決める
午前のGr.2に続き、午後13時30分からはST-X、ST-1、ST-Z、ST-TCR、ST-Qの271号車が出走するGr.1の決勝が行われた。定刻どおりフォーメーションラップが開始されたものの、2番グリッドの500号車5ZIGEN GTR GT3(HIROBON/川端伸太朗/金丸ユウ)が動けないといういきなりの波乱ムードが漂う。
500号車がピットレーンに押し戻されるなかでレースはスタートを迎え、グループポールポジションの14号車中升 ROOKIE AMG GT3の平良響を先頭に、各マシン接触なく1周目を完了する。
GT3車両が争うST-Xクラスは、レース序盤14号車の平良に対して202号車KCMG NSX GT3(ポール・イップ/ホー・ピー・タン/マーチー・リー)が1秒差でついていくも、その差は徐々に広がっていく。後方では23号車TKRI松永建設AMG GT3(DAISUKE/元嶋佑弥/中山友貴)と81号車DAISHIN GT-R GT3(大八木信行/坂口夏月/青木孝行/藤波清斗)がバトルを繰り広げ、23号車元嶋がバックマーカーが絡んだ隙に81号車青木の前に出る。
Gr.1のレースはその後もアクシデントなくFCYもSCも出ないクリーンレースとなり、トップをいく14号車は2番手の23号車に対して24.614秒差をつけてトップチェッカー。ポイントリーダーが今季3勝目を飾ると同時に、チャンピオンが決まる最終戦に向けて大きなアドバンテージを得る優勝を飾った。
また、ST-Xは終盤に202号車、31号車DENSO LEXUS RC F GT3(永井宏明/小高一斗/嵯峨宏紀)、1号車HELM MOTORSPORTS GTR GT3(鳥羽豊/平木湧也/平木玲次)による3番手争いが白熱したものの、ポジションは変わらず202号車KCMGが3位表彰台を手にしている。
ST-Zクラスはレース序盤に22号車Porsche EBI WAIMARAMA Cayman GT4 RS CS(KIZUNA/千代勝正/山野直也)がGr.1最後列からクラストップの34号車SUN’S TECHNO AudiR8LMS GT4(加納政樹/大草りき/安田裕信)の後方2番手まで追い上げるも、ミッショントラブルにより脱落。
その後は34号車がトップを快走しポール・トゥ・ウインで今季初優勝を達成。2番手と3番手にはチャンピオンを争う52号車埼玉トヨペット GB GR Supra GT4(山﨑学/吉田広樹/服部尚貴/川合孝汰)、885号車シェイドレーシング GR SUPRA GT4 EVO(HIRO HAYASHI/平中克幸/清水英志郎)がつける。
そのチャンピオン争いは、最終ピットインでタイヤ無交換を選択した52号車が885号車の前に出ると、そのまま2位でフィニッシュした52号車が最終戦を待たずにST-Zクラスのチャンピオンを決めた。
ST-1は、クラスポールからスタートした2号車シンティアム アップル KTM(井田太陽/加藤寛規/高橋一穂/吉本大樹)を47号車D’station Vantage GT8R(星野辰也/織戸学/浜健二/J.パーソンズ)が序盤にオーバーテイク。2回目のピットイン完了後も47号車が前を走行していたが、残り23分の1コーナーで2号車が前に出る。
その直後、47号車はパワーステアリングのトラブルによりガレージイン。これで2号車のチャンピオンが決まるかと思われたが、47号車は残り3分でレースに復帰してチェッカーフラッグを受けたため完走扱いの2位に。この47号車の不屈の精神によりチャンピオン争いは最終戦に持ち越しとなっている。
ST-TCRクラスはスタートから快走をみせた97号車Racer HFDP CIVIC(遠藤光博/中野信治/三井優介)が3連勝。Gr.1唯一となるST-Qクラスの271号車CIVIC TYPE R CNF-R(武藤英紀/伊沢拓也/大津弘樹)も総合16位で完走を果たしている。
2023年のスーパー耐久はいよいよ次戦が最終戦。各クラスのチャンピオンが決まる第7戦は、11月11~12日に静岡県の富士スピードウェイで全クラス参加の4時間レース『S耐ファイナル 富士4時間レース with フジニックフェス』として行われる予定だ。
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