スーパーハイトワゴン軽自動車が大人気となっている現在、最も割を食っているのがハイトワゴン軽自動車で、2大ビッグネームのスズキワゴンR、ダイハツムーヴもかつてのような勢いはない。
スーパーハイトワゴン軽自動車とは、N-BOX、タントなどを筆頭に、概ね全高1700mm以上で、いま最も人気を集めるカテゴリーだ。それに対しデイズが属するハイトワゴンは全高1600mm前後のモデルが多い。
【日産の最量販車ついに発売開始!!】新型ルークスは王者N-BOXに勝てるのか??
そんなハイトワゴン受難時代にあって日産デイズの販売が好調だ。スーパーハイトワゴンの新型車のルークスが登場しことで販売の動向に変化があるかもしれないが、現状ではハイトワゴンとして大人気となっている。
さて、そのデイズはワゴンR、ムーヴ、ホンダN-WGNのユーザーの買い替えが多いのか、それとも日産のコンパクトカーのノートのユーザーを奪っているのか気になるところ。
デイズの最新の販売動向、販売状況について遠藤徹氏がレポートする。
文:遠藤徹/写真:NISSAN、HONDA、SUZUKI、DAIHATSU、MITSUBISHI、平野学
【画像ギャラリー】N-WGNが初のトップ!!~2020年2月のハイトワゴン軽自動車販売ランキング~
自社、他社とも幅広い銘柄からの買い替え
デイズは2019年3月にデビュー。写真手前から標準、ハイウェイスター、オーテックが手掛けるボレロの3タイプをラインナップしている
日産が2019年3月28日に発売した「新型デイズ」は以降好調な販売を続け、ワゴンR、ムーヴのビッグネームに大きく差をつけ、N-WGNと熾烈なトップ争いを演じ、ハイトワゴン軽自動車のトップセラーモデルに君臨している。
首都圏の日産ディーラーによると、「当初は従来のデイズやデイズルークスからの乗り換えが70%と多かったが、その後最近まではマーチ、ノートの自銘柄、ライバル車であるワゴンR、ムーヴ、N-WGNなど幅広い車種からの乗り換えが目立っている」と胸を張る。
2019年7月にデビューしたN-WGNは2020年に入りようやくフル販売を開始。2020年2月はデイズの追撃を振り切り、ハイトワゴンで初の販売トップに立った
ライバル他車の現行モデルの発売はワゴンRが2017年2月1日、ムーヴが2014年12月12日といずれも2年以上古く商品力が落ちているので、新型デイズにとっては投入時期がタイムリーといった優位さも手伝っている。
本来であればさらに新しいN-WGNが2019年7月18日にフルモデルチェンジし、新型デイズを脅かす存在になるはずだった。
ところが同モデルは発売早々に電子制御駐車ブレーキの不具合が発覚し、9月から今年初めまでの3カ月間あまり、生産のストップに追い込まれていたので、 デイズの快走を食い止める役割を果たせなかった。これもデイズにとっては追い風になった 。
王者ワゴンRは3タイプのフロントマスクをラインナップするなど精力的だが、デビューから3年が経過し販売を落としている
現行モデルになってから大幅に魅力アップ
安全装備の充実はデイズの魅力のひとつで、プロパイロットは大好評。そのほか軽自動車で唯一ラインナップするSOSコールもすばらしい
現行デイズの高い人気の要因は開発部隊が従来モデルの三菱自動車から日産主体のプロジェクトになったことが大きい。
プラットフォーム、エンジン、トランスミッション、足回りを刷新し、室内居住空間の拡大、使い勝手の向上、安全対策強化、独自の自動運転支援システムである「プロパット」の装備などで大幅な商品力アップを図ったことなどが上げられる。
旧型デイズは特にNAのパワー不足が指摘されていたが、原稿になってNA、ターボとも動力性能を大きく進化させたことが好評だ
2019年のニューモデル展開は新型デイズだけで、ほかになかったことから、同モデルの拡販に集中できたことも寄与しているともいえる。
ルークス登場後も好調をキープ
人気のスーパーハイトワゴンとして最後発となるルークス。デイズとの相乗効果の期待がかかる。月販目標はデイズの7000台の上を行く1万台突破
2020年3月19日には兄弟車的存在の新型ルークスが発売になり、デイズとの相乗効果によってさらなる攻勢を強めている。
デイズはハイトワゴンのヒンジ開閉ドアバージョンであり、ルークスはさらに背を高くした、両側スライド開閉ドアを採用したスーパースペースワゴンバージョンである。
デイズは頭上の余裕こそスーパーハイトワゴン軽に劣るものの、上質な乗り心地を実現し快適性が高い。シートの質感も高い
デイズと基本コンポーネントを共用し、クオリティ、使い勝手、安全対策の強化、プロパイロットの装備に加え、スライドドア開閉の利便性を向上させた、オートスライドドアの装備を加えている。
ルークスはデイズの月販7000台規模に対して1万台突破を目指している。
3月下旬現在の納期は新型ルークスと同じ約2カ月、1年経過しても引き続き好調な販売を維持している状況にある。
リアから見るとギュッと引き締まった塊感があるのがよくわかる。個性的なルーフのツートーンカラーの人気も高い
デイズ+ルークスでシェアアップに自信満々
ライバルはN-BOXを筆頭にタント、スペーシアと軽自動車の主役級が肩を並べている。新型ルークスが今後本格的な販売に入れば、3強の追撃が本格化するのは確実で、どこまで追い上げられるか注目される。
これまでデイズと合わせてカウントし、これが公表されることでライバル他車との競争状況が読みにくかったが、今回モデルから明確なブランド分けをしている。
日産車はインテリアデザインに定評があり、それは軽自動車のデイズも例外ではない。軽自動車としては上質感があり、素材にもこだわっている
このことはデイズ、ルークスとも別個に対抗しても十分に戦える商品力を備えているとの日産サイドの自信の表れとも受け取れる。
日産の販売力そのものはホンダとほぼ肩を並べ、国内2番手を維持しているから、これら新型軽自動車が出揃ったことで今後軽自動車マーケットの台風の目となる可能性もある。
証言1:首都圏日産店営業担当者
現行デイズは2019年3月28日に発売し、間もなく1年が経過する。現時点でも引き続き好調な販売推移を見せており、納車が約2カ月待ちとなっている。
今回から日産主体の開発プロジェクトで取り組み、プラットフォーム、エンジン、トランスミッション、駆動系、足回りとも全面刷新したのが売りとなっている。
日産が得意とするマイルドハイブリッドのS-HYBRIDの採用により、動力性能と燃費性能を高い次元で両立させていることは見逃せないポイント
ホイールベースも延長、室内居住空間の拡大、使い勝手の向上させている。
エンジンは新開発のマイルドハイブリッドのNAとターボだから走りもよく、ライバル他車を大きくリードしているので競合しても負けるケースは少ない。
日産の登録車は古い車種ばかりで売りにくい。このため新型の軽自動車にいっそう力が入るので、このことが販売台数の増加という結果に結びついているという事情もある。
ホイールベースを延長したことにより走りのスタビリティが上がると同時に、室内のスペースユーティリティ向上にも大きく貢献
ルークスも新型になったので、さらに対抗しやすくなっている。ただ先行した新型デイズは新型ルークスと同じ納期で予想以上に健闘している。
デイズが新しいマーケットを開拓し、後発の新型ルークスの市場を先に刈り取ってしまったという側面もありそうである。
証言2:首都圏日産プリンス店営業担当者
新型デイズの発売当初は旧型デイズ、デイズルークス、マーチ、ノートの低年式車から乗り替えが大半だったが、今年になってからはワゴンR 、ムーヴ、N-WGNなどのライバル車との競合も増えている。
N-WGNとはどちらも新しいので取ったり取られたりだが、ワゴンR、ムーヴとは勝つケースが多い。
新型ルークスの登場で、ライバル車との戦いはさらに進めやすくなっている。今後は日産陣営の軽自動車におけるシェア争いはより優位に展開できると予想している。
旧型のネガを潰し、ライバルを研究し使い勝手などで大きなアドバンテージを得たことがデイズ人気の要因となっている
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みんなのコメント
それは他社のクルマがモデルサイクル後半のときw
そして他社が新型になると売れなくなる。
でも、他社はモデルサイクル後半になると
マイナーチェンジで装備や装飾を増やしたりして
商品力を保つが、日産のマイナーチェンジは
前期ほどの販売が見込めないと想定して
逆にそれらを省こうとする。
そうやっているうちにマーチのように
存在感が失われていく。
そもそもスズキやダイハツより
トータルでの販売台数はボロ負けでしょ。
見直ししろよな