この記事をまとめると
■2023年の全日本ラリー選手権が開幕した
主力チームが欠席! なんかクルマが遅い! せっかく復活した「嬬恋」の「スノーラリー」の特殊な事情
■関係者の話をもとに今後の勢力争いを分析
■スバル・トヨタ・シュコダなどが混戦になると思われる
ニューマシンの登場に期待!
2023年の全日本ラリー選手権が2月3日~5日、群馬県嬬恋村を舞台に開幕。第1戦の「ラリー・オブ・嬬恋」が開催され、「スバルラリーチャレンジ・カマタ」でスバルWRXを駆る鎌田卓麻が最高峰のJN1クラスで勝利を獲得した。
同イベントはシリーズ唯一のスノー戦であり、数多くのエントラントが欠場したことから、勢力争いを占うには難しいところだが、果たして車両規定を一新した新生JN1クラスはどのような展開となりそうなのか? 関係者の話をもとに今後の勢力争いを分析したい。
まず、注目したい存在が開幕戦を制した鎌田、そして3位入賞を果たした新井敏弘らスバル勢だと言えるだろう。鎌田が「スバルラリーチャレンジ・カマタ」、新井が「スバルラリーチャレンジ・アライ」でエントリーしたことからもわかるとおり、スバル勢はスバルラリーチャレンジとして2023年の全日本ラリー選手権でワークス活動を開始。新井はこれまでどおり、アライモータースポーツ、鎌田はシムスレーシングがメンテナンスとラリーオペレーションを担ってはいるが、あくまでもスバルのワンチームで参戦している。
開幕戦の嬬恋を見ても両ドライバーのスキルは国内トップレベルにあり、抜群のマシンコントロールを見せた鎌田が圧勝。一方、新井は昨年のラリー・ジャパンでクラッシュした際に怪我をしたことが影響しており、「可動域は広がってきたけれど、まだ身体が痛くて腕が上げられない。怪我が完治していれば卓麻(鎌田)と同じぐらいの走りはできていたと思うけれど、カウンターステアが当てられなかったから厳しかった」とのことだ。それでもシュコダ・ファビアR5を駆る福永修と2番手争いを繰り広げただけに新井のパフォーマンスに翳りはない。
そして、S4をベースに開発されている「スバルWRXラリーチャレンジ2023」も高い戦闘力を持つマシンになると言われている。
既報のとおり、2023年のJN1クラスはレギュレーションが一新され、仮ナンバーを装着した競技専用モデルが投入可能。FIA公認を受けたR5仕様車/Rally2仕様車のほか、JAF承認を受けたAP4仕様車などが参戦可能だが、規定の発表が遅れたことから、開幕戦の嬬恋に関してスバル勢は昨年と同様にVAB型のWRXを投入していた。それまで装着されていた独自のリヤウイングを純正のスポイラーに変更するなど国内規定で開発されたRJ仕様車を国際規定のグループN仕様にアレンジはしていたが、ほぼ2022年のスペックと言える。
おそらく、新規定が導入されたとはいえ、現在はその移行期間にあり、スバル勢はニューマシンが完成するまではVAB型のWRXで参戦することになる。当然、ターマックラウンドでは昨年と同様に厳しい戦いを強いられることになりそうだが、スバルWRXラリーチャレンジ2023が投入されれば、いい勝負ができるのではないだろうか。
というのも、同マシンは通称“JP4”のもと、独自の改良を実施。その最大のポイントが軽量化で、レーシングカーと同様にほぼすべての外装パーツがカーボン製になるほか、ウインドウスクリーンもガラスではなくポリカーボネイトに材質が変更されるという。それに加えて足まわりも競技専用モデルとして大幅に変更。筆者は2012年に登場したR4仕様車をイメージしていたのだが、スバルラリーチャレンジの嶋村誠監督によれば「R4以上のマシンを目指したい」とのことだ。
ちなみにR4仕様車は、NAのWRカーと謳われたS2000仕様車とグループN仕様車との実力差を埋めるべく、グループN仕様車にアップデートキットを装着したマシンだったが、リーズナブルにパフォーマンスを高められたほか、ドライバーによってはR4仕様車がS2000仕様車を凌駕。そのためR4仕様車はヨーロッパでのラリー競技から締め出されることになったが、スバルWRXラリーチャレンジ2023が本当にR4仕様車を凌ぐマシンになれば、たとえターマック戦であっても、R5仕様車やRally2仕様車に迫ることができるだろう。少なくともグラベル戦においては新井と鎌田が優勝争いを演じるに違いない。
このスバルWRXラリーチャレンジ2023、すでにボディは完成しつつあるようで、早ければ第4戦の久万高原ラリーでデビューする見込みとなっているだけに、その動向に注目したい。
トヨタもGRヤリスをベースにした開発モデルで参戦
一方、スバルWRXラリーチャレンジ2023を駆る新井、鎌田の最大のライバルとなるのが、トヨタGAZOOレーシングのエース、勝田範彦だと言えるだろう。開幕戦の嬬恋こそ、同チームはスキップしていたが第2戦の新城ラリーより勝田もニューマシンで参戦する。しかも、主力モデルはGRヤリスRally2の開発モデル「GRヤリスWRコンセプト」になる予定だ。
同モデルはRally2の最後発モデルとしてライバル車両をターゲットに開発されているだけに、クラストップレベルのパフォーマンスが期待されている。加えて勝田もまた新井や鎌田と同様に勝てる実力をもつドライバーだ。
噂によれば勝田は慣れない左ハンドル車に苦労しているようだが、嬬恋をスキップしてフィンランドでトレーニングを行なっていただけに、左ハンドルに対応することができればJN1クラスで主導権を握るに違いない。
そのほか、開幕戦の嬬恋はスキップしたが、第2戦の新城ラリーからは2022年のJN1クラスチャンピオン、ヘイッキ・コバライネンがシュコダ・ファビアR5で参戦する予定。2連覇に向けてほぼすべてのラウンドにエントリーする見込みだ。2015年にデビューしたファビアR5は設計が古く、最新のRally2モデルと比べると戦闘力は低いが、それでも完成度が高いうえ、コバライネンもペースノートを含めて進化を重ねているだけにタイトル争いを左右する存在と言っていい。
これに加えて同じくファビアR5の福永も安定感が向上している。開幕戦の嬬恋でもリハビリ中とは言え、新井を抑えて2位入賞。スバルにしてもトヨタにしてもニューマシンにはマイナートラブルがつきまとうだけに、熟成の域に達したファビアを駆る福永も上位争いに絡んでくることだろう。
そういった意味では全日本ラリー選手権のJN1クラスは再び激戦区になる見込み。少なくとも昨年のコバライネンが演じたように、誰かがポイント争いを独走するようなワンサイドゲームとはならないのではないだろうか。
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みんなのコメント
例外なくあたおか(敬意)
変態技術集団のスバルが「レースにそんな事など関係ないわ。全力で戦うわ」と、親会社であり商人集団のトヨタを容赦なく叩きのめしたりしたら・・。
後々恐ろしいことになりそう・・。