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【中国のデザイナーたちも嫉妬?】新型電動車マツダEZ-6はいかにして魂動デザインを実現したか

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【中国のデザイナーたちも嫉妬?】新型電動車マツダEZ-6はいかにして魂動デザインを実現したか

ベース車がある中での開発

マツダと中国での合弁事業パートナーである重慶長安汽車の協力のもと、長安マツダ汽車が開発、製造を行う新型電動車の第1弾で、CDセグメントのサルーン、『マツダEZ-6』が北京モーターショーで発表されたのは既報の通りだ。そのデザインについて話を聞くことができたので、まとめてみたい。

【画像】長安マツダ汽車が開発、製造を行う新型電動車『マツダEZ-6』 全27枚

EZ-6のデザインは主にマツダ側で行われた。このEZ-6にベースモデルがあることはあまり知られていないかもしれない。それは、長安汽車のプレミアムブランド『深藍』(ディーパル)のセダン、『SL03』だ。この骨格を使いながら魂動デザインを纏わせたのが、EZ-6といっていい。

骨格とは四輪の位置から始まり、AピラーやCピラーの位置や角度などで、それらは変えられないことになる。さらにバッテリーを搭載することから車高が高くなってしまい、ボディが分厚く背も高いということも大きなハードルとなった。

さて、こういったハードルをクリアしながらいかに魂動デザインを成立させたのか。チーフデザイナーの岩内義人さんによると、まず「ヘッドランプからドアハンドルを抜け、リアコンビランプまでのモチーフを一直線に並べることで伸びやかさを表現しました」という。

一方、魂動デザインでは通常、Cピラー周りからリアホイールに向かって力がかかるような表現をとるものだが、EZ-6ではそうせず、「思い切ってストレートに後ろに抜きました」と表現方法を変えたことを明かす。同時にサイドシルまわりのラインも極力地面と水平にすることで、よりボディを薄く、かつ伸びやかさを強調したのである。

長くスリークに見せるデザインテクニック

実は岩内さんはベースモデルを見て、「結構ショックが大きくて、これはすごいなと思ったんです。新しさも感じさせていましたので、中途半端な変え方をしてOEMで出したら恥をかくなと。頑張って飛び越さないと絶対ダメだと、やるからにはフルでやろうと思いました」と語る。

そこでさらに、ベースモデルで感じていた分厚いボディをそう見せない工夫があった。通常であれば骨格を見直し、背を低く、ボディ自体を薄く見せるようにするのがマツダ流だ。しかしそれができないので、岩内さんによると2つテクニックを使ったという。

まずひとつは、「あらゆるモチーフで水平方向に細かく分断して、なるべく視線が前後方向に抜けるように見せるようにしました。これにより前後方向に長いカタマリに見えてきます」。例えば、「人間でも横ストライプを着ると太ってボールドに見え、縦ストライプを着るとスリムに見える。これと同じ効果を利用しています」と岩内さん。

もうひとつは、先に記した前後ランプとドアハンドルを1本の流れの中に収め、かつ、ロア部分で加飾や黒落としを連続させて長尺モチーフにすることだ。

この上下2本の長尺モチーフで全長をくまなく使い切り、圧倒的な長さ感を演出させた。この結果、「車両を薄く、低く見せるという錯覚を与え、高さや厚みがあまり気にならなくなるのです」と岩内さん、例え話だが、「大谷選手は実際には太く逞しい体躯なのですが、背が高いのでスマートに見えますよね、そんな感覚です」とのことだ。

面構成は魂動デザインを応用しながら

面構成は『艶』と『凛』というマツダ独自の2つの表情で立体を造形。艶は面に張りがあって豊かでセクシーな表情。凛はフラットでシャープな緊張感のある表情を指している。

EZ-6の艶の表情は、「リアがぎゅっと絞り込まれた紡錘形状になっており、相当丸みを帯びているところ」、一方「フロントフェイスは徹底した凛の表情」とそれぞれの例を挙げる。

そのフロントには光るシグネチャーウイングを採用。「BEV時代を表現しようと、モダンさを訴求するために羽ばたく翼を光で表現しました」と岩内さん。そこにはアニメーション機能が付加されており、「オープニング時に光が動いたり、給電中には点滅してインジケーターになったり、BEVとしての先進性を示すようなアイテムとしても使われています」とのこと。

さらに、「中国の夜はとにかく派手で光の渦のようです。そこで存在感を出すことは間違いなく先進表現のひとつとなるでしょう。その中で遠くから走ってきてもマツダだとすぐに分かるようにデザインしています」と話す。

リアまわりも中国では一文字に貫通したモダンなリアコンビランプが多く、「簡単にEVらしく見せる手法ですが、これではブランドらしさが表現できないのです」とし、EZ-6では、「この貫通式によるEVらしさと、丸目四灯によってマツダらしさをしっかり融合させた」と説明。例えばマツダ3や古くはRX-7(FD型)などのイメージを取り入れているのだ。

弱点があるとそこに工夫が生まれる

岩内さんは、「弱点があるとそこに工夫、テクニックや逆手に取るアイデアも生まれます。そういう意味で副次的な効果もあり、これまでにない下部加飾のリッチなモダンさが生まれたり、ウェッジの効いた初代マツダ6(アテンザ)を彷彿させるようなフレッシュなスポーティさが生まれたりもしました。今回は弱点があり悩んだからこそ従来のマツダから一歩踏み出すようなデザインができたのかなと思います」と語っていた。

ベースモデルがありながら、魂動デザインを成立させているのは見事というほかない。特に前後タイヤにはきちんと重心がかかっているように面の抑揚で見せているのはさすがだ。聞くところによると、ベース車のデザイナーたちはEZ-6を見て嫉妬しているらしい。それほどまでに素晴らしいデザインなのだ。

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みんなのコメント

3件
  • mut********
    イイと思う車を日本で発売しないマツダの不思議。
  • 投資家のコメント
    ホンダアコードとコレはマジで好き。一目惚れやわ。、
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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