トヨタ ランドクルーザー250と三菱トライトンの日本発売や、マツダ CX-80のワールドプレミアなど、何かと話題が豊富な日本メーカーのSUV&ピックアップ。ですが、世界を見渡せば日本国内では正規販売されていない魅力的なモデルがたくさんあります。今回はメーカーごとにそんなモデルをお見せしていきたいと思います。
トヨタ 4ランナー/タコマ「どちらもいわゆるハイラックスシリーズの子孫」
4ランナーはかつて日本でも販売されていたハイラックスサーフの子孫にあたるモデルです。一方、ピックアップのタコマは以前からこの名で販売されていましたが、車格の位置づけは北米版ハイラックスと考えればわかりやすいでしょう。
●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか
上の写真のモデルは最新の2025年モデルの4ランナーですがまだ発表されて間もなく、ごく限られた情報しか公表されていないので、ここでは細かなスペックが公表されている2024年モデルのタコマについて解説していきます。
タコマは全長5410~5440mm✕全幅1953~2034m✕全高1877~1925m、ホイールベースは3350mmとなります。ボディタイプは2ドアのエクストラキャブと4ドアのダブルキャブが用意さています。
また、パワートレーンは、2.4L直4ターボ+8速ATまたは6速MT(最高出力281ps、最大トルク429Nm)、または2.4L直4ターボ+モーターのハイブリッド「i-FORCE MAX」が用意され、駆動方式はガソリン車は2WD(後輪駆動)または4WD、ハイブリッドは4WDとなります。グレード構成はベーシックな「SR5」、日本で言うところのGRスポーツに近い位置づけの「TRD Off-Road」、本格的なオフロード性能を持つ「TRD Pro」が用意されています。価格帯は日本円換算で約610~990万円です。
トヨタ セコイア/タンドラ「日本でも愛好者が多い超弩級SUV&ピックアップ」
続いてご紹介するのはトヨタ セコイアとタンドラです。この2台の関係は先述した4ランナーとタコマに似ていて、前者は2ボックスボディのフルサイズSUV、後者は大型ピックアップトラックとなります。
驚くべきはそのサイズで、セコイアは全長5284mm✕全幅2022mm✕全高1890mm、ホイールベースは3099mm以上というかなりの巨体です。しかし、タンドラそれ以上で全長が6.2mを超えるグレードもあります。
パワーユニットは3.4L V6ツインターボ+10速AT、または「i-FORCE Max」と名付けられた3.4L V6ツインターボ+モーター+10速ATのハイブリッドとなります。ちなみに前者は最高出力358~394ps、最大トルク550~649Nm、後者は最高出力443ps、最大トルク790Nmを発生。また、セコイアは最大9000ポンド(4082kg)、タンドラは最大1万2000ポンド(5443kg)の牽引能力を持っています。
これら北米トヨタが販売するSUVとピックアップトラックは日本でもとくに人気があり、バッテリー認証手続きが難しく並行輸入が事実上不可能に近いハイブリッドモデル以外は輸入代行業者を通じて購入、日本で乗っているオーナーもいます。
日産 フロンティア「世界的に見れば「中型」ピックアップトラック」
2021年に発表され、同年から北米を中心に販売されているピックアップトラックです。そのルーツはかつて日本でも販売されていたダットサントラックにあります。エンジンは3.8L V6エンジン(最高出力314ps、最大トルク295Nm)で9速ATが組み合わされます。駆動方式は一部グレードは4WDのみとなりますが、多くのグレードでは2WD(後輪駆動)か4WDを選択できるようになっています。
ボディサイズは全長5339~5692mm、全幅1854~1897mm、全高1811~1852mm、ホイールベースは3200~3551mm。日本の道路事情から考えるとかなり大柄ですが、アメリカ市場では中型に分類されるサイズです。
日産 タイタン/タイタンXD「日産最大級のフルサイズピックアップ」
初代は2003年に日産初のフルサイズピックアップトラックとして登場。現行型は2016年に登場した2代目にあたります。最高出力405ps、最大トルクは560Nmを発生する5.6L V8ガソリンエンジンを搭載し、トランスミッションは9速AT(デビュー時は7速AT)が組み合わされています。現在は廃盤となりましたが、カミンズ製5L V8ディーゼルエンジン+6速ATを搭載したモデルも用意されていました。
ボディタイプはタイタンは2ドアの「キング・キャブ」と4ドアの「クルー・キャブ」を、タイタンXDは「クルー・キャブ」のみを用意。また荷台の積載量と牽引能力に応じて車名が異なり、タイタンは最大積載量1600ポンド(約725kg)、牽引能力9290ポンド(約4213kg)、タイタンXDは最大積載量2360ポンド(約1070kg)、牽引能力10900~11050ポンド(約4944~5012kg)まで対応しています。
日産 アルマーダ「北米だけでなく中東ではパトロールとして人気」
北米ではアルマーダ、中東ではパトロールとして販売されているフルサイズSUVです。ちなみにインフィニティ QX80(2024年モデルまで)はプラットフォームやパワートレーンが同じで、アルマーダの兄弟車にあたります。
ボディサイズは全長5305mm✕全幅2030mm✕全高1925mm、ホイールベース3075mm。パワートレーンは5.6L V8ガソリンエンジン(最高出力405ps、最大トルク560Nm)+7速ATで、駆動方式は全車4WDとなります。
インテリアは日産の最大にして最上級のSUVにふさわしい豪華なしつらえの3列シート仕様で、2列目がキャプテンシートとなる7人乗り仕様と2列目がベンチシートの8人乗り仕様が選択できます。また3列目シートは電動で格納することができます。さらに全席において快適な温度管理を行うトライゾーン自動温度制御システムも採用されています。
ちなみに先述のインフィニティ QX80は、2024年3月に新型が発表されました。こちらには新開発された最高出力456ps、最大トルク699Nmを発生する3.5L V6ツインターボエンジン「VR35DDT型」が搭載されるほか、内外装が新しいデザイン言語に基づいたものに一新されています。北米での発売は、2024年夏頃を予定しています。
と、このように世界各地で日本メーカーの大型SUV&ピックアップトラックが走り回っています。次回は今回紹介しきれなかったモデルをご紹介しますのでお楽しみに!(※本企画中のボディ寸法やエンジンスペックは基本的には編集部換算値となります)
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250ランクル
LEXUSCX
国内正規販売で3ナンバーのラダーフレーム車はランドクルーザーシリーズしか選択肢がないのが現実。