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ナンパなビートに硬派なカプチーノ! AZ-1はオタク感! 懐かしの軽スポーツ「ABCトリオ」がカタログも個性派トリオだった

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ナンパなビートに硬派なカプチーノ! AZ-1はオタク感! 懐かしの軽スポーツ「ABCトリオ」がカタログも個性派トリオだった

本格スポーツカーのエッセンスを軽自動車で味わえた

 まるで「花の中三トリオ」か「新御三家」(いずれにしても古ッ!)のようだが、クルマ好きの間で「ABCトリオ」といえば、「AZ-1」、「ビート(Beat)」、そして「カプチーノ(Cappuccino)」の3台のことね、と通じる。登場順に並べ直すと、1991年5月のホンダ・ビート、同年10月のスズキ・カプチーノ、1992年10月のオートザムAZ-1となり、さらに10年後の2002年には、ダイハツからオープン2シーターの「コペン」も登場している。いずれにしても、今では考えられない夢のような時代とクルマたちだった。

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ホンダ・ビート(1991年5月~)

 まずホンダ・ビートから振り返ってみよう。ビートの登場は1991年だったが、その2年前、ホンダからあの初代「NSX」が登場していた。そのスーパースポーツカーNSXと同じミッドシップが軽で登場したのだから、これはもう話題騒然といったところ。ただし、そこはホンダ流のハズしというか、ボディ色にもあったカーニバルイエローを表紙の地色に使ったカタログはポップでファンキーな仕立てで、意表を突かれた感じだった。同時発表の専用ファッションアイテム(サングラス、ウェアなど)も用意された。

 全14ページのカタログ中、メカニズムの紹介に費やされたページはわずか2ページ。ただしそこには、さり気なくミッドシップの車両レイアウトがわかる図版や透視図、多連スロットルと、ふたつの燃料噴射制御切り換え方式を採用し64ps/6.1kg・mの性能を発揮したMTREC 12バルブエンジンや、40mmと短いストロークのマニュアルシフト(実車は左右のセレクト方向のストロークも小さかった)の話がコンパクトにまとめられている。

 プレス向けの広報資料を見れば「重心高440mm(空車時)という極めて低重心で、前後重量配分43:57(1名乗車時)の理想的なボディバランスを実現」などと書かれていたほか、エンジン、サスペンション、フルオープンモノコックボディの解説などが載せられている。少なくともカタログでは、そうした話はほぼ抜きで(!)、さあ、キミもミッドシップ・アミューズメントを堪能しようぜ! 的なトーンで明るく訴求していたところが、いかにもそのころのホンダらしかった。

スズキ・カプチーノ(1991年10月~)

 次にスズキ・カプチーノだが、コチラはホンダ・ビートとは対照的で、えんじ色の表紙のカタログも、いかにもオーセンティックな雰囲気がプンプンと。カタログの最初の文面も「オープンエアモータリングは、もとを正せば欧州の文化である」などとやっている。

 夕刻の風景にカプチーノが佇むロケ写真もいかにもだし、デザイン、ディテールから始まり装備、仕様、メカニズムと説明の続く「中身」も、このクルマの購入を検討中のマニアが、いかにも寝ても覚めても(トイレの中でも)ページをめくり写真を眺め、いいじゃないか……と思いを馳せる姿が目に浮かぶ感じだ。

 資料を見返していると、発表当時の取材時のメモが出てきて、クルマの4面図のコピーの「450mmの重心高」のところに蛍光オレンジのマーカーで印をつけてあったり、自筆で「シートスライド量168mm(12mm×14ノッチ)、重心から前軸までは990mm」などと記してあった。

 実車では3分割ルーフや回転収納式リヤウインドウなどのギミックも盛り込まれていたが、搭載エンジンは3気筒ツインカム12バルブインタークーラーターボ(F6A型)、アウターパネルに軽自動車初のアルミ製パーツを使うなど、こだわりの造りは随所に。1995年5月には電子制御3速ATを追加し、このモデルには電動パワーステアリングが採用された。

オートザムAZ-1(1992年10月~)&スズキ・キャラ

 そしてもう1台、当時のマツダの販売チャネルのひとつの「オートザム」から「新型マイクロクーペ」として登場したのがAZ-1だった。スズキ版として発売されたのは「キャラ」で、こちらは、フロントのSマークとリヤの車名ロゴ、ステアリングホイールのホーンボタン(車名が入っていた)以外はAZ-1と共通のクルマだった。

 当時の量産車ではもっとも低い1150mmの全高をもつ、ほとんどカート感覚のシャープな走りが身上のミッドシップだったが、スチールのスケルトンモノコックの骨格に、SMCなど6種類の素材でできたオールプラスチックのアウターパネルが組み合わせられたもの。メカニカルコンポーネントが組み付けられた状態で「裸」でも走行が可能、サイドシルは通常の2倍の大断面で剛性を確保したものだった。

 その高剛性のボディ骨格が可能にしたのがガルウイングドアで、横方向に320mmの余裕があれば開閉可能というメリットも持ったドアだった。ただしドアガラスの開閉できる部分は天地方向にごく小さく、カタログではそれは「チケットウインドウ」と名付けられていた。エンジンは開発着手後に軽規格の変更があり、当時のスズキ・アルトワークスと共通のF6A型660ccの3気筒DOHC 12バルブインタークーラー付きターボをリヤアクスル前に横置きで搭載。64ps/8.7kg・mのスペックは、前出のカプチーノと同一のものだった。

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みんなのコメント

14件
  • あらためてカプチーノを見てみると、軽の枠内にもかかわらず
    より上級のスポーツカーのように「ロングノーズ・ショートデッキ」に
    デザインされた車体が、実に美しく感じます。
    今となってはコペンのように電動で格納するルーフトップがありますが、
    タルガトップ⇔Tバー(風)トップ⇔フルオープンと自由にコンバートできる
    カプチーノのルーフトップ設計も、当時としてはかなり凝ったものでした。
    少数ながら欧州に輸出されたカプチーノが、現地の目の肥えたスポーツカー
    ファンの人々に好評をもって迎えられたのも、もっともだと思います。
    カプチーノは、平成のABCトリオの中で最も本格派の一台だと思います。
  • 意外かも知れないが、この中で現存率で一番高いのがビート。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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