2019年8月1日にマイナーチェンジしたベストセラーミニバンのセレナ。今回のマイナーチェンジの大きなポイントは、ハイウェイスターの顔がコワモテのオラオラ顔に変更されたことだ。
オラオラ顔に変わったことで、販売台数は上向いたのか? また、マイチェン前から、どれくらい進化したのか、セレナハイウェイスターに試乗して、徹底チェックした!
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文/ベストカー編集部
写真/平野学
初出/ベストカー2019年10月10日号
【画像ギャラリー】セレナの顔はお澄まし顔、オラオラ顔どっちがいい?
オラオラ顔はやっぱり売れる?
オラオラ顔にチェンジしたセレナハイウェイスター(e-POWER)
こんな存在感のある顔が欲しかった」とか「これまでのセレナはちょっとおとなしい印象だったので、この迫力あるフロントマスクがカッコいい」という待望論の声が聞こえるいっぽうで、「これまでのスッキリとしたフロントマスクがセレナの魅力だったのに……」とか「なんか日産車らしくない顔つき」などといった否定派の声も伝わってくるセレナの大胆フェイスリフト。
ベストカー編集部のなかでも、最初ティザー写真だけを見た時には「うーん、ちょっとやり過ぎなんじゃない!?」といった声も上がったのだが、いやいや、2019年8月1日の正式発表を経て、自然光の下で実車を見るととたんに「肯定派」になりました。
右がハイウェイスター。左がノーマル。今回のマイナーチェンジでハイウエイスターとノーマルの差が広がった。というよりノーマルの顔がおとなしくなった
マイナーチェンジ前のセレナ。右がハイウェイスター。左がノーマル
写真で見た印象よりもフロントグリルはイヤな主張はしておらず、自然な感じで収まっている。
ヘッドライトの内側のラインに合わせるようにグリルの両サイドを縁取るシルバーのラインが日産のファミリーフェイス「Vモーショングリル」を作りだしているのだが、マイチェンによるフェイスリフトでこうなったとは思えないほどデザインとしてまとまっている印象。
e-POWERモデルではその内側にブルーのモールディングが施されている。鋭角的に切れ込んだような造形のバンパーラインも違和感なくデザインに溶け込んでいる。
このフロントマスクを採用するのはハイウェイスターのみで、標準モデルのフロントマスクは従来型のイメージを踏襲したデザインを採用しているので、「否定派」の方はそちらを選ぶこともできる。
マイチェン後に販売が回復!
では実際にオラオラ顔のハイウェイスターが登場したことで、販売は上向いたのか、2009年1月からのセレナの販売台数を見ていきたい。
■2019年1~8月のセレナの新車販売台数
1月/1万110台(全体2位)129.2%、ミニバン1位
2月/1万993台(全体4位)105.0%、ミニバン1位
3月/1万2420台(全体4位)82.4%、ミニバン1位
4月/5403台(全体13位)88.0%、ミニバン5位(1位シエンタ)
5月/6430台(全体10位)86.9%、ミニバン3位(1位シエンタ)
6月/8366台(全体6位)90.5%、ミニバン1位
7月/8791台(全体8位)98.5%、ミニバン2位(1位シエンタ)
8月/7714台(全体3位)121.3%、ミニバン2位(1位シエンタ)
2018年は9万9865台を販売してミニバン販売1位に輝いたセレナ。2019年に入っても1~3月はミニバン1位を記録していたが、4月以降はシエンタにミニバン1位の座を奪われることが多くなり、対前年比も前年を割ることが多くなった。
しかし、2019年8月1日にマイナーチェンジを行ったことにより、1位の座は奪還できなかったものの、対前年比は121.3%まで回復した。おそらく9月以降も上ぶれ傾向が続くだろう。2019年もミニバン1位の座を死守できるか、見ものだ。
■今回の日産セレナ マイナーチェンジのポイント
・「ハイウェイスター」のフロントマスクを一新して、大型グリルを採用。
・「ハイウェイスター」はリアコンビランプデザインも専用となり差別化。
・全方位運転支援システムを全グレード標準装備。
・プロパイロットの機能向上を図る
・サンライズオレンジなど新色追加
ハイウェイスターはリアコンビランプもデザイン変更
顔以外では安全装備の充実がポイント
今回のマイナーチェンジのメインはこのハイウェイスターのフロントマスクの大胆変更で、パワートレーンについては2LNA、2LNAマイルドハイブリッド、e-POWERともにスペックや燃費値の変更などはいっさいなし。
パワートレーンに変更がないということで、今回試乗したe-POWERハイウェイスターも動力性能やドライバビリティの面で従来型との違いを感じることはなかった。
しかし、存在感バッチリのフロントマスクだから、道行く人が「あれ!? セレナ……???」みたいな表情で振り向いていくのが楽しかった。
今回のマイナーチェンジのトピックスの一つ「全方位運転支援システム」(エマージェンシーブレーキ、踏み間違い防止アシスト、車線逸脱防止支援システム、後側方衝突防止支援システムなど)が全グレード標準装備化されたのは非常に大きな意義があると思う。
今回は都内の一般道のみでの試乗だったため、試すことはできなかったが、プロパイロットのACC速度維持の機能が向上するなどの改良が施されている。
全方位運転支援システムを全グレードに標準装備。価格は全体的に2.5万~3万円程度のアップ。プロパイロットも機能を向上させている
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