近いうちに日本で発表、または日本国内でデリバリーが開始されるSUVは多い。その内容はBEVやハイパーフォマンスモデルの登場など、話題は多岐に渡る。(Motor Magazine2022年5月号より)
アウディはニューeトロンと高性能SUVに注目
いまや数ある自動車のジャンルのなかで最大派閥に成長したといっても過言ではないSUV。長引く半導体不足の影響を受けてはいるものの、2022年も数多くのニューモデルが日本上陸を果たすと見られる。それらの特徴を端的に言い表すのならば、さらなる個性化と電動化となるだろう。
●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか
最初に紹介するのは、アウディのBEVシリーズ「eトロン」の第3弾にあたるQ4 eトロン。すでに発売中のeトロンファミリーは、eトロン(ややこしい!)シリーズとeトロンGTシリーズだが、いずれも価格は1000万円以上だった。しかし、Q4 eトロンは599~716万円の価格帯で、ボディサイズも既存のQ5と変わらないので、これを起爆剤としてアウディ製BEVの販売台数が一段とジャンプアップすることが期待されている。
そのバッテリー容量は82kWhで、欧州発表の航続距離は516km(WLTP)と余裕たっぷり。もうひとつ特徴的なのが125kWまでの急速充電に対応している点で、これにより充電にまつわる不便が大きく解消されることが期待される。
ちなみにプラットフォームはフォルクスワーゲンのIDシリーズと同じMEBで、日本仕様はモーターをリアに搭載して後輪を駆動。エンジン車風にいえばRRで、これによってスペース効率が格段に向上するとともに、懸念されるスタビリティに関してはモーターの優れた電子制御性を活用して克服している模様である。
同じくアウディは今年2月に新型SQ2を発売した。言うまでもなく、先ごろマイナーチェンジを受けたQ2の高性能版で、2Lガソリンターボエンジンは最高出力300と最大トルク400Nmを発生。欧州発表値では0→100km/h加速を4.9秒で走り抜ける俊足の持ち主だ。
外観は、フロントグリルの格子模様が見直されるとともにブラックにペイントされ、ダイナミックな風貌に生まれ変わっている。初期型は乗り心地がかなりハードだったので、これがどう見直されたかも注目のポイントだろう。
SUV最強のパワーを誇るモンスターモデルが登場
アストンマーティンからは同社初のSUVであるDBXにハイパフォーマンスバージョンが追加される。その名も「DBX707」は、ご想像のとおり4L V8ツインターボエンジンから最高出力707psを発揮。最大トルクも900Nmに達する。ちなみに、現在、量産SUVで最強とされるのはランボルギーニウルスの650psなので、DBX707はこれを50ps以上も凌ぐことになる。
さらにファイナルをローギアード化することで、0→100km/h加速はSUVとして驚異的な3.3秒を達成。最高速度も310km/hを豪語する。これに合わせて足まわりも強化されるほか、フロントグリル、リアスポイラー、オプションの23インチホイールなどのデザインが大幅に見直されている。次号で国際試乗会の様子をお届けする予定だ。
アルファロメオ トナーレは、同ブランドに新時代が訪れたことを告げる重要なモデルである。そのエクステリアデザインは、既存のステルヴィオとどことなく似ているが、ステルヴィオよりも薄く仕上げられたヘッドライトとテールライトなどはアルファロメオの次世代デザイン言語を反映したものという。ちなみに外寸は全長4.53×全幅1.84×全高1.6mで、ステルヴィオよりもひとまわりコンパクトになっている。
注目のプラットフォームは、旧FCAグループの手で新開発されたものと見られる。パワートレーンはマイルドハイブリッドとプラグインハイブリッドの2タイプ。このうちマイルドハイブリッド版は新開発の1.5L 4気筒ガソリンエンジンをベースにしており、130psと160psの2バージョンを用意。いずれも前輪を駆動する。
そしてプラグインハイブリッド版は「マルチエア」1.3L 4気筒ガソリンエンジンに15.5kWhのバッテリーとモーターを組み合わせ、システム出力は275psを発生。0→100km/h加速を6.2秒でクリアする一方、最長80kmのEV走行が可能という(欧州発表の市街地サイクル)。なお、このプラグインハイブリッド版はエンジンで前輪を、そしてモーターで後輪を駆動する4WDであることから、アルファロメオの伝統的なグレード名であるQ4が用いられている。
イタリア車とフランス車にも注目したいモデルが多い
ルノー アルカナも、同社が電動化へと向かうことを指し示す重要なモデルだ。ただし、アルカナの場合はハイブリッドシステムそのものが画期的だ。いわゆるパラレルハイブリッドとシリーズハイブリッドのどちらにも変化できる柔軟な構成とする一方で、1.3L自然吸気ガソリンエンジンには4速、モーターには2速の変速機を組み合わせることで、各パワープラントの小型化と効率化を実現。
さらにドグクラッチで動力を断続することでダイレクトな感触も手に入れている。「E-TECH」と名付けられたこのハイブリッドシステムは、小型ディーゼルエンジンの代替することを目指して開発されたもので、高速燃費も期待できそう。
なお、本国ではハイブリッドに加えてPHEV版も発表済みだ。アルカナはB/CセグメントのSUVクーペだが、足まわりはルノーらしい快適性とスタビリティの高さを兼ね備えているので、かなりの注目モデルと言える。
注目度という意味では、ここで紹介するニューモデルのなかでもトップクラスに位置するのがレンジローバーのフルモデルチェンジだ。とくに目を引くのが、そのスタイリング。どう見てもコンセプトカーとしか思えないこのシンプルな造形を生み出したのは、いまやジャガー・ランドローバー社全体のデザインを統括するとともに同社の取締役に就任したジェリー・マクガバン氏である。この作品には、マクガバン氏らしい美意識が究極に近い形で表現されているように思える。
パワートレーンはインジニウムと名付けられた同社オリジナルの3L直6エンジン(ガソリンとディーゼル)のほか、新開発の4.4L V8ガソリンもラインナップ。直6ガソリンにはPHEVが組み合わされるほか、24年には同ブランド初となるBEVも登場する見通しだ。
希少なピックアップに続いて注目のBEVも上陸予定
このレンジローバーと対極に位置するのがジープの新作、グラディエーターかもしれない。ひとことでいえばラングラーの拡大ピックアップトラックで、ラングラーのホイールベースを480mm延長することで5人乗りのダブルキャブボディと荷室を生み出している。日本導入グレードがルビコンのみと聞けば、その走破性の高さも想像できるはず。エンジンは3.6L V6ガソリンを搭載。価格は770万円とお手頃だ。
最後に紹介するのは、フォルクスワーゲンのID.4。急激な電動化シフトを進める同社は21年26万台を越すBEVを販売したが、ここでトップセールスを記録したのがSUVのID.4で、その数は約12万台に達した。
IDシリーズはフォルクスワーゲンが次世代の主力製品と位置づけるBEVで、プラットフォームはアウディQ4 eトロンと同じ新開発のMEBを採用。リアモーター後輪駆動のレイアウトもQ4 eトロンと同様だが、モーター出力は204psで0→100km/h加速は8.5秒でクリア。
77kWhのバッテリーを搭載した場合、航続距離は最長で520kmに到達する(WLTP)。なお、ID.4は年のワールド・カー・オブ・ザ・イヤーに選出されている。
いずれアヤメかカキツバタ。2022年も注目のSUVが多数、日本上陸を果たすことだけは間違いないだろう。(文:大谷達也/車種解説:Motor Magazine編集部 小泉優太)
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