オートポリスで行なわれたスーパーGT第7戦3時間レースの開始70分ごろ、激しい順位争いを繰り広げていた14号車ENEOS X PRIME GR Supraと17号車Astemo CIVIC TYPE R-GTが100Rで接触するというアクシデントがあった。タイトル争いに生き残るためにもなんとかビッグポイントが欲しい両チームだったが、この接触が大きな痛手となってしまった。
アクシデントがあったのは38周目の7番手争い。第1ヘアピンを立ち上がり、右カーブの100Rに進入する際、17号車Astemoを駆る太田格之進は、大嶋和也が走らせる14号車ENEOSに進行方向右側から並びかけようとした。一方の大嶋は、続く左カーブへのアプローチに向けて、車体を大嶋から見て右側……つまり太田の方に寄せる形となったが、ここで両者は接触。太田はグラベルの餌食となり、クラッシュしてレースを終えた。
■痛恨の無線トラブルでクローズ中のピットレーンへ……60秒ストップペナルティ受けた8号車ARTAのエンジニアが当時の状況を説明
この接触については、大嶋の「危険なドライブ行為」と裁定が下り、14号車はドライブスルーペナルティを受けた。これで後手に回った14号車は結局9位でフィニッシュした。
マシンを降りた後も、エキサイトしているように見えた太田。motorsport.comの取材に対し、大嶋の動きが「驚き」だったと語った。
「正直、大嶋さんの動きには驚きました」
「あの時、僕たちは激しく順位を争っていました。第1ヘアピンでは僕の方が立ち上がりが良く、オーバーテイクするためにアウトに行きました。僕がアウトにいることを、大嶋さんも分かっているだろうと信用した上での動きでした」
「もちろん、故意の動きではないことは理解しています。ただ彼はペナルティを受けたとはいえ、僕たちのレースは終わってしまったことに変わりありません。彼を100Rのアウトから抜こうとしたことはすごく後悔しています」
一方の大嶋も、ペナルティの裁定は真摯に受け入れているようだが、太田の動きが「驚き」であったと話している。
太田の動きはミラーで視認していたという大嶋。この接触について、少しコメントに窮した様子を見せつつも、次のように述べた。
「正直当たるとは思っていませんでした。そんなに寄せたつもりもなかったし……というのが正直なところです。当たってびっくりしたという状況です」
また、今回のレースはペースに苦しんだこともあり「遅くてずっと追いかけられる展開だと、こういったリスクもあると思います」と話した大嶋。「ここ何レースかうまく戦えていないので、チーム内で改善して、残りふたつは気持ちよく終わりたいです。今年はチームとして実力を出しきれていないので、来年に向けても改善したいと思います」と前を向いた。
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