スーパーGT第3戦、2010年以来、ひさびさの300kmレースとして開催を迎えた鈴鹿ラウンドのGT500クラスポールポジションはARTA NSX-GTの野尻智紀&伊沢拓也が獲得した。ホンダは全車がQ2進出、1-2-3を独占している。
好天ながら、午前中のフリー走行から強風の影響が大きい鈴鹿サーキット。風速は一時15m/sにもなり、鈴鹿サーキット名物の観覧車を止めるほどの強風で、ストレートで追い風、ダウンフォースが欲しいセクター1の高速スラローム区間で向かい風となる、いわゆる「タイムが出る風」だ。
昨季までの8月に比べて涼しい時季、そしてウエイトハンデも軽めの第3戦での開催ということも含めて、フリー走行からコースレコード続出の状況となっている。
午後、GT500クラスの予選Q1は、GT300のQ1で赤旗があったため当初予定より10分遅れの15時05分にスタートした。風はやはり強めで、路面はドライ、気温が20度で路温は36度(GT300クラスQ1開始時)。
Q1、Q2の出走ドライバー登録を眺める限り、大半の陣営はQ2進出を視野に入れた布陣を敷いてきており、それなり以上の手応えを感じている陣営が多いようだ。
15分間のQ1、動き出しは残り11分を切ってから。まずはEpson Modulo NSX-GTのベルトラン・バゲットがコースに向かい、これに続いて他のマシンも順次コースインしていく。ヨコハマ勢3台とMOTUL AUTECH GT-R(松田次生)は遅めで、残り8分を切ってからの始動。
残り2分30秒、最初にタイムらしいタイムを出したのはARTA NSX-GTの伊沢拓也だった。これがタイムらしいタイムどころか、それまでのレコードタイム、1分47秒074を大幅に更新する1分44秒806で、そのままQ1のトップタイムに。
さらにNSX勢が続々と上位に進出し、Epsonのバゲット、RAYBRIG NSX-GTのジェンソン・バトン、MOTUL MUGEN NSX-GTの武藤英紀の順で1-2-3-4をかためる。
Q1がNSX&コースレコード祭りと化していくなか、KEIHIN NSX-GTだけはさすがに42kgのウエイトハンデが堪えるのか最下位15番手にとどまっていたが、これも小暮卓史がチェッカー後に8番手に入るタイムを叩き出し、NSX勢は5台全車がQ2進出を果たすこととなった。
レクサス勢ではKeePer TOM'S LC500(ニック・キャシディ)とau TOM'S LC500(中嶋一貴)のトムス2台がQ2進出、GT-R勢ではカルソニック IMPUL GT-R(ヤン・マーデンボロー)のみがQ1を突破した。
ポイント首位、ウエイトハンデ数値52kgで既に燃料流量リストリクター調整1段階目に入っているMOTUL GT-Rの松田は1分46秒306で15番手(ただし、このタイムも従来レコードを余裕で破っている)。
10分間のQ2が15時48分にスタートすると、今回もEpsonが最初にコースインしていった。ところが松浦孝亮はアウトラップのダンロップコーナーでハーフスピンして、ストップしてしまう。コース復帰はすぐに叶ったが、これによってコース上には多くの砂利が撒かれることになった。
各陣営、コース状況に少し不安を感じながらもタイムアタックに入っていくこととなるが、ここで今度はEpsonの松浦がシケインでスピン~再走という情報も。
そして最初にアタックタイムをマークしたのはQ1同様にARTA、野尻智紀のタイムは1分44秒319、またもや驚愕のタイムである。
そしてQ1同様、Q2もNSX勢が躍進する。まずKEIHINの塚越広大が2番手に入り、さらにRAYBRIGの山本尚貴がこれを上回って2番手へ。NSXはARTA、RAYBRIG、KEIHINの順で1-2-3を決めた。
チェッカー後、KeePerの平川亮が4番手に入ってレクサス最上位(auの関口雄飛は8番手に)。最後にアタックしていたEpsonの松浦も5番手に浮上し、NSXは1-2-3-5-7位となった(MOTUL NSXの中嶋大祐が7番手)。唯一Q2に進んだGT-Rのカルソニック(佐々木大樹)は6番手。
第2戦の鬱憤を晴らすように、NSX勢がホンダの総本山で速さをみせつけた、レコードラッシュ予選であった。
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