エンジンの回転の盛り上がりには、時に人間的な表現が用いられる。しかしBEV(バッテリー電気自動車)はエンジンもなく無音なため、より無機質な、機械的な印象が強くなる。ボルボはそんなBEVに人間的な要素を入れたと主張する。連載1回目はこちら。
どことなく楽しい感じの表情
ボルボの新型電気自動車「EX30」は、相反する2面性を合わせ持つ文武両道なクルマ
ボルボEX30は、いってみれば、二面性のあるモデルだ。ひとつは、地球環境保全(サステナビリティ)を重視したコンセプト。もうひとつは、大トルクの電気モーターの特性を活かしたスポーツ性。
デザイナーは「いずれにしても、BEVと一目でわかってもらうデザインが重要と考えました」(エクステリアデザイン統括のTジョン・メイヤー氏)と言う。
「もちろん、昨今ではICE(エンジン車)かBEVか、デザインをするときあえて差別化をしないのが世界的な流れです。ただし、私たちとしては、スカンジナビアデザインの原則を守りつつデザインしました」
メイヤー氏の言葉を借りて、この場合のスカンジナビアデザインの肝要を説明すると「形態は機能に従う」となる。
「そこで、上部に開口部とグリルはもたせないようにしようと。ただし(インバーターなどのために)空気を採り入れる必要はあるので、下にインレットは設けています」
ボルボ車のデザインアイディンティティである「トール(神の)ハンマー」なる形状のヘッドランプも採用。ただし、カバーで覆った一体型でなく、四角いLEDのマトリックスが独立しているような形状があたらしい。
「そうやって出来上がったのがこのデザインです。顔になっていて、そこには眼があって、鼻があって、口があるんです。どことなく楽しいかんじで、これまで以上に人間的な表情を実現しました」
暴力的でもなければ、ロボット的でもない。メイヤー氏はそこを強調した。
スターウォーズからヒントを得たデザイン
「EX30のフロントマスクをデザインするにあたって、私たちはSF映画のヘルメットを参考にしました。スターウォーズです。私はこの映画の大ファンなんですね(笑)」
スターウォーズっていうと……。
「ボバ・フェットがイメージソースです。彼のかぶっているヘルメットにヒントを得ました」
映画版だとエピソード5で本格的に登場するバウンティハンターですね。ファンのあいだではかなり人気の高いキャラクターですよね。
「このクルマはロボットではいけない。サイボーグもだめ。ヘルメットというアイディアが大事なんです。ボバ・フェットのヘルメットの下には人間(クローンだけど)の顔がある。そんなイメージをEX30でも採り入れたいと思いました」
クルマでヒューマンというのもやや違和感がありますが、でも大事な考えかたかもしれないですね。
「テクノロジーの後ろには、かならずヒューマンなものがある、ということです。そのことを忘れたら、冷たい、機械にすぎない。そんなものを欲しがるひとがいるでしょうか」
たいへんおもしろい考えかたで、同感できる。内装についてはどうだろう。インテリアを担当したボルボ・カーズのデザイナー、リサ・リーブス氏は「同じです」と言う。
「インテリアにおいては、私たちはカラー、素材、それに表面の仕上げ、すべてにおいて、乗るひとを温かく迎え入れるようなデザインにしようと心がけました。いってみれば、ソフト、同時にモダンであるデザインです」
次回へ続く
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