1月23~26日に行われたWRC世界ラリー選手権第1戦モンテカルロで総合2位に終わり、大会連勝記録が6で途絶えたセバスチャン・オジエ(トヨタ・ヤリスWRC)は「この伝統的なイベントでの連勝記録が途絶えたことに、少し失望していることは否めない」と胸中を明かした。
2013~18年にWRCでドライバーズチャンピオン輝いたオジエは、昨年所属したシトロエンを離れ、2020年はTOYOTA GAZOO Racing WRTに加入し、自身7度目のワールドチャンピオン獲得を目指している。
そんなオジエはフランス出身で、モナコ公国と隣国フランスを使って開催されるラリー・モンテカルロはホームイベントと呼べる1戦だ。
ラリー・モンテカルロは同じステージ内でも刻々と路面コンディションが変化するなどシリーズ屈指の難易度を誇るイベントだが、オジエは6年連続で総合優勝を飾るなど相性のよさを発揮してきた。
大会7連覇がかかった2020年大会では全4日間で行われた競技のうち、3日目を終えた時点で首位と4.9秒差の総合2番手と好位置につけた。
しかし、最終日は総合3番手だったティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)がペースを上げ、最終的にオジエに対し12.6秒差をつけて総合優勝を奪っていった。
惜しくも総合2位に終わり7年連続の大会制覇が叶わなかったオジエは、WRC公式サイト『WRC.com』に対し「この伝統的なイベントでの連勝記録が途絶えたことに、少し失望していることは否めない」とコメントしている。
「モンテカルロで表彰台の頂点に立てなかったとき、少し苛立ちを覚えたことは事実だ」
「ただ22ポイントを獲得してトヨタとの初仕事を終えられたことは素晴らしいことだと思う。シーズン残りの12戦もいい形で戦える前兆と言えるんじゃないかな。僕自身ステアリングを握っていてポジティブな感情になるし、チームの雰囲気も素晴らしいんだ」
「次の大会(第2戦スウェーデン)に向けて、もっと改善する必要があるのは事実だが、充分なパフォーマンスが発揮できたことは事実だし、ヤリスWRCが驚くべきポテンシャルを秘めていることも確かだ」
オジエは第1戦モンテカルロで総合優勝に届かなかった要因について、ヤリスWRCを100%手懐けることができていなかったことを挙げている。
「マシンに対する理解度が充分ではなかった。ラリー・モンテカルロのようにチャレンジングなイベントではリスクを冒してでも攻めるべきポイントがあるものだけど、マシンの感触が万全だと思えないときに無理をするつもりはないんだ」とオジエ。
「忘れてほしくないのは、僕にとってラリー・モンテカルロがヤリスWRCと一緒に挑む初戦で、充分な経験を積めていなかったということだ」
「また(トヨタからヒュンダイに移籍した)オット・タナク/マルティン・ヤルヴェオヤ組が激しいクラッシュを起こしたことを考慮すれば、自分の感覚を信じて走るという戦略に間違いがなかったこともわかるだろう」
オジエがトヨタ、そしてヤリスWRCと挑むシーズン第2戦は、2月13~16日に行われるラリー・スウェーデンだ。
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