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英伊独のお国柄 ジャガーMk2 アルファ・ロメオ1300 TI BMW 1800 サルーン比較 前編

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英伊独のお国柄 ジャガーMk2 アルファ・ロメオ1300 TI BMW 1800 サルーン比較 前編

好対照な見た目のジャガーとアルファ、BMW

1960年代の英国では、自動車業界に大きな影響を与えるできごとがあった。その1つは、欧州経済共同体(EEC:EUの前身)で輸入車の制限が解除され、掛かる関税が30%へ引き下げられたこと。

【画像】ジャガーMk2 2.4 アルファ・ジュリア 1300 TI BMW 1800 現代の相当モデルも 全99枚

輸入車には、まだ少なくない額の税金が課せられていたことは間違いない。とはいえ、ドイツやフランス、イタリアで作られたモデルへ、多くの英国市民が誘惑されたことも間違いない。

「英国の自動車産業にとって最も望ましくない統計結果の1つが、近年輸入されるクルマの劇的な増加といえます」。1970年2月の議会でコベントリーを代表する議員、モーリス・エデルマン氏は発言している。

1960年の英国市場で、EECから輸入した自動車の占める割合は4%に過ぎなかった。英国の議会も自動車ファンも、現実へ目を背けつつ、自国で作られるクルマへ大きな不満は抱いていなかった。しかし、1970年代が始まるまでに10%近くへ増加していた。

1962年に発表された、新しいアルファ・ロメオとBMWへ関心を抱いた人も多かった。105シリーズの初代ジュリアと、ノイエクラッセ、新クラスとして親しまれた1500や1800だ。

同時期のジャガーMk2 2.4とこの2台を並べると、容姿は面白いほどに好対照。ジャガーの格式ある曲線美に比べて、アルファ・ロメオとBMWは、モダニズムを感じさせるシャープなスタイリングが新鮮に映る。

数字の差を感じないほど活発なMk2 2.4

この3台は、英国ではほぼ横並びの価格で売られていた。少なくない英国人が、国産車は少々時代遅れだと思ったかもしれない。一方のジャガー・ファンは、ジュリアやノイエクラッセはボクシーすぎ、禁欲的だと受け止めただろう。

ジャガーには、BMWに備わらないツインカム・エンジンが載っていた。アルファ・ロメオにも装備されない、四輪ディスクブレーキも与えられていた。技術的には、ジャガーが遅れていることはなかった。

0-97km/h加速は17.3秒と、ジュリアやノイエクラッセより数秒余計にかかる。だが、実際に運転すると数字の差を感じないほど活発で、太いトルクが余裕を生んでいる。

1度スピードが乗れば粘り強くボディを進め、ヒタヒタと走る安定感が伴う。発進加速でもたつくのは、スローな4速マニュアルと、1406kgという車重によるところが大きい。

ボディのプロポーションは、アルファ・ロメオの幅の狭さと背の高さが目立つ。ワイドなジャガーは現代的な比率といえ、重心位置は見るからに低い。小さなグラスハウスも特徴といえる。

コーナリング中のマナーもフラット。ジャガーのリア・サスペンションは、リジッドアクスルにリーフスプリングと形式はオールドスクールながら、しっかり煮詰められている。高い速度域でも予想通りにラインを維持する。

BMWはテールハッピー。簡単にスライドしたがる。アルファ・ロメオは上下の動きが大きい。3台とも乗り心地は悪くないものの、ベストはジャガーといっていいだろう。

1.6L並みのパワーを実現させた1.3L

そのかわり、低速域では車重を意識してしまう。パワーアシストの付かないステアリングは、高速域に届くまで重いまま。レシオ自体もスローで、操縦性には、良くいえば重厚感が漂う。

開けた道では、有能なクルーザーになる。市街地の入り組んだ道では、少々扱いにくい。追ってくる警察からMk2 2.4で逃亡するなら、パワーステアリングを追加するか、かなりのマッチョでなければ厳しそうだ。

実際、ジャガーは急速に伸延していく英国の高速道路網で活躍した。枕のように心地良いシートへ体を委ね、安定したハイスピード・ドライブに浸ることができた。2.4Lエンジンのトルクで、シフトダウンせずとも追い越しを余裕でこなせた。

Mk2 2.4が現役の頃、英国の高速道路には速度制限が設けられていなかった。4速MTにオーバードライブという組み合わせは、5速MTより技術的な強みはない。それでも、クルージング時に指先1つでシフトダウンできる構造は、ドライバーの味方だった。

他方、アルファ・ロメオ・ジュリア 1300 TIは1964年に追加されたお手頃グレードで、Mk2 2.4より格下のモデルではある。しかし、同クラスに相当する2600は英国では2倍も高かった。

1290ccの直列4気筒エンジンは、2483cc直列6気筒の相手にはならなそうに思える。ところがイタリアの技術は、それを叶えていた。

英国とは異なり、排気量で税金が変わる自国市場を見据えて開発された1.3Lツインカム・ユニットは、同時代の1.6L並みのパワーを実現。最高出力はジャガーの121psに対し86psと、排気量ほどの開きはない。

軽快さや機敏さが楽しい1300 TI

回転数を引っ張って、素早く次のギアを選べる5速MTを駆使すれば、1300 TIは0-97km/h加速を13.3秒でこなす。スポーツカーと呼ぶには遅いけれど。

3台に共通するが、ステアリングホイールは大きい。1300 TIでは切り始めに遊びが少し目立つが、重み付けは良く、フロントタイヤとコミュニケーションを取りやすい。適度にクイックで正確にラインを辿れる。

カーブでは、シトロエンのようにボディがロールする。背の高いボディと起き気味の運転姿勢が傾きを大きく感じさせるものの、運転する時間が長くなるほどアルファ・ロメオを理解できる。クルマと息を合わせれば、狙い通りに路面へしがみついてくれる。

コーナリングスピードが最速というわけではないが、軽快さや機敏さが楽しい。さらに、ドライバーの気持ちを刺激するのがブレーキ。しっかりしたペダルの踏み心地と、素晴らしい制動力を備えている。ほかの2台も悪いわけではないが。

1300 TIのインテリアは、かなりベーシック。質素なダッシュボードにメーターが3枚並ぶ。シートは硬めのビニール張りだ。メーター自体は美しい。径が大きく見やすく、ドライバーズカーらしくパネルがカウルで覆われている。

車内は、助手席の人と肩が触れるほどタイト。荷室は小さいながら、四角いボディ形状のおかげで実用的な大きさは悪くない。

この続きは後編にて。

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