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豪州でWRXスポーツワゴン登場! 日本でも花開いたかつてのWRXとワゴンの系譜

掲載 更新 6
豪州でWRXスポーツワゴン登場! 日本でも花開いたかつてのWRXとワゴンの系譜

 スバルが豪州でWRXスポーツワゴンを発売したが、ニューモデルかと思いきや、その正体は日本でも追加導入されたレヴォーグの2.4Lターボ、「STI Sport R」だった。

 WRXとワゴンと聞くとかつての初代インプレッサWRX、2代目インプレッサWRXまで設定されていたインプレッサスポーツワゴンを彷彿とさせる。

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 3代目以降はハッチバックとセダンのみになっているWRX系だが、WRXにはセダンとワゴンの2本柱が存在していた時代について、なくなった理由を探った。

文/永田恵一
写真/中島仁菜、スバル

[gallink]

■かつてWRXにはセダンとワゴンが存在していた

 スバルWRX S4の新型モデルが日本で登場し、オーストラリアでは日本のWRX S4の新型モデルに相当するWRXに加え、WRXスポーツワゴンという聞き慣れないモデルが公開された。

 WRXスポーツワゴンは簡単にいうと日本のレヴォーグに新型WRX S4に搭載された2.4LターボやスポーツCVTのスバルパフォーマンストランスミッションを搭載するなどしたモデルで、こちらも日本で登場したレヴォーグの2.4Lターボと同じだ。

豪州の「WRXスポーツワゴン」は、日本のレヴォーグ2.4Lターボ仕様と同じ

 WRXスポーツワゴンを見ると、初代と2代目モデルのインプレッサにはWRXも設定されたスポーツワゴンという車名のステーションワゴンボディがあったことを思い出し、ここではインプレッサスポーツワゴンWRXを振り返り、3代目モデル以降インプレッサからスポーツワゴンがなくなった理由も考えてみた。


●初代&2代目インプレッサスポーツワゴンWRX
 1992年登場の初代インプレッサはセダンと、ラゲッジスペースの広さはさほど考えていない、雰囲気重視のステーションワゴンボディとなるスポーツワゴンでスタートした。

 初代レガシィRS後継となるWRCをはじめとしたモータースポーツ参戦ベース車となる2Lターボ4WDのWRXは当初セダンのみだったが、1993年の一部改良でスポーツワゴンにもWRXが追加された。

 WRXはモータースポーツ参戦のための戦闘力維持もあり、毎年のように改良されるのだが、スポーツワゴンWRXもセダンにほぼ準じた改良を受けており、それは同じだった。

 そのため初代インプレッサには1994年に当初はWRXをSTiがチューニングしたコンプリートカーとなるWRX STiも加わるのだが、WRX STiにはスポーツワゴンもあった。

 当初のスポーツワゴンWRX STiもセダンWRX STiと同じく、通常のWRXプラス30psとなる250psエンジンを搭載するなど、スポーツワゴンWRX STiは当時世界最強ステーションワゴンの1台となった。

 スポーツワゴンWRX STiもセダンWRX STi同様に1995年のバージョン2からカタログモデルに昇格するなどしながら、初代インプレッサの最後までラインナップされた。

 初代インプレッサWRX STiがバージョン2になった頃、筆者は1995年に初代インプレッサがWRCでドライバーとマニュファクチャラーズというダブルタイトルを獲得したのに加え、ちょっとスキーをしていたこともあり、初代インプレッサスポーツワゴンWRX STiに憧れていた。

 また、初代インプレッサスポーツワゴンWRX STiへの憧れには競技ベースとなるセダンのWRX STi RAやWRXクーペにDCCD(ドライバーズコントロールセンターデフ)が装着され、当時の自動車映像メディアで「インプレッサが4WDなのにターマック(舗装路)でドリフトしている姿」も多大に含まれていた。

 しかし、初代インプレッサスポーツワゴンWRX STiにはDCCDがついていないのを、無知だった筆者は当時知らず、インプレッサが2代目モデルになったからそうだったことを知ったというオチもあった。

 インプレッサは2000年8月に2代目モデルにフルモデルチェンジされた。2代目インプレッサもセダンとスポーツワゴンというボディタイプは初代インプレッサと同じだったが、WRX STiは2カ月遅れとなる同年10月の追加だった。

 2代目インプレッサの登場当初、スポーツワゴンにはWRXがなかったが、スポーツワゴンのスポーツモデルとして今までのWRXにほぼ近い2Lターボ4WDの20Kはあった。

 そのため、この頃は「2代目インプレッサスポーツワゴンにはWRXはないのだろう」と錯覚のようなものを持っていたクルマ好きは多かったのだが、10月にWRX STiが加わった際にはなんとスポーツワゴンのWRX STiもラインナップされていた。

 2代目インプレッサスポーツワゴンWRX STiは3ナンバー幅のワイドボディとなるセダンのWRX STiに対し、スポーツワゴン同様5ナンバー幅のナローボディだったため、タイヤはセダンの225幅より狭い215幅、ブレーキもセダンのブレンボではない対向キャリパーだった。

 しかし、この2点以外はセダンのWRX STiとさほど変わらない過激なステーションワゴンながら、価格は初代インプレッサスポーツワゴンWRX STiとほぼ同じ約300万円と、マニアックながら魅力あるモデルだった。

2代目インプレッサスポーツワゴンWRX STiは、5ナンバーボディに高性能を詰めこんだ魅力的なモデルだった

 だが、2代目インプレッサスポーツワゴンWRX STiはマニアック過ぎたのか、2代目インプレッサが涙目マスクのC型になった2002年の改良で消滅してしまった。ただ、その代わりにこの後も2代目インプレッサスポーツワゴンのWRX はセダンのSTiではないWRXに準じたものが2代目インプレッサの最後まで継続された。

■なぜインプレッサスポーツワゴンは3代目インプレッサで消滅したのか?

 冒頭に書いたように2007年にインプレッサが3代目モデルになり、ボディタイプが5ドアハッチバックとセダンになると、スポーツワゴンは消滅した。

 この理由は簡単で、これも冒頭に書いたようにインプレッサスポーツワゴンはスペース重視のステーションワゴンではないため、スポーツワゴンの車名だったからだ。

 それだけにインプレッサスポーツワゴンが現役だった頃、クルマ好きの間では「あれ(インプレッサスポーツワゴン)は5ドアハッチバックだろ?」という意見も多く、インプレッサに5ドアハッチバックがあれば、「5ドアハッチバックに近いスポーツワゴンはなくなる」というのはごく当たり前の結論だろう。

 まあ、だいぶ前に消滅したインプレッサスポーツワゴンの軌跡はともかくとして、レヴォーグに追加された2.4Lターボも初代レヴォーグの2Lターボ同様のいいクルマに仕上がっていたことに試乗会で感心した次第だ。

[gallink]

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みんなのコメント

6件
  • オーストラリアは新コロで大変だよね、
    皆さん元気出して頑張ってください。
  • カルディナはレガシィに対抗てセリカと合体したけれど
    方向性はWRXワゴンに近かったね
    足元にも及ばなかったけれど
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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