みなさん、新車を購入する時、どの車種にするかの決定権はアナタ(夫)ですか、それとも奥様ですか?
きっと、結婚されていて、お子さんがいらっしゃるファミリーの主である、世の多くの男性(夫)に、決定権はないのではないでしょうか?
吹出口から突如熱風!? なぜ効き悪く? カーエアコンが冷えない時の対処法
なんとかして財務省(奥様)を説き伏せ、御機嫌を伺いながら、スポーツカーを、高いSUVを、買いたいと思うお父さんたち……、その姿を思うと涙がちょちょ切れます……。
本企画では、奥様が喜ぶ、買ってもいいと許可がもらえるクルマを、モータージャーナリストのまるも亜希子さんに選んでもらいました。
文/まるも亜希子
写真/トヨタ スバル マツダ 三菱 ダイハツ まるも亜希子 ベストカーweb編集部 トビラ写真(Prostock-studio@Adobe Stock)
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■女心を操り、奥様を手なずけることはできるのか?
スバル・レヴォーグを購入したカーライフジャーナリストのまるも亜希子さん
奥様や彼女に良かれと思ってした行動なのに、激怒されたり、フラれたりしたご経験をお持ちの男性は、かなり多いのではないでしょうか。
いくら考えても理由がわからず、あれはなぜダメだったのだろうかと「永遠のミステリー」化されていることも多いかもしれません。
でもそれは仕方のないことです。男性にとって、「女心」はそう簡単に理解できるものではなく、だからこそ星の数ほどのドラマが生まれてきたのです。
とはいえ、どうしても欲しいクルマがある男性にとっては、その難解な「女心」を読み、手懐け、「うん」と首を縦に振らせるというアクロバットを決めないことには、幸せな未来への扉は閉ざされたのも同然でしょう。
そのためにまず大切なのは、いきなり「欲しい」という主張をしないことです。自分が欲しいから買うのではない、奥様のためを思って、このクルマなら奥様がもっと快適に、ラクになるはずだから”買ってあげたいのだ”と主張することが重要です。
間違っても、エンジンがどうだの、走りがどうだのという話をしてはいけません。欲しいクルマのどこに注目すれば、女心を突破できるのか。
そのヒントは、男性はまったく気にならないけど、女性はとても気にしたり、不便に思っていることを改善する機能や装備にあります。そこで例として、奥様が喜ぶポイントを備えた5台のクルマをご紹介したいと思います。
■奥様が喜ぶクルマ1/スバル・レヴォーグのエアコン温度設定「奥様モード」
レヴォーグに搭載されている、肌が乾燥しにくいエアコンのマイルドモード
1台目は、家の中と同じく、夫婦でもカップルでも男女でドライブしているとしばしばケンカになりやすい「エアコン温度差問題」。これをクリアする賢いエアコンを備えているのが、スバル・レヴォーグです。
男性と女性はそもそも基礎体温が違ったり、発熱量や発汗量にも差があるため、男性はもっとエアコン温度を下げたいけど、女性は寒くてブルブル震えている、といった状態になりやすいものです。
また女性はメイクが崩れたり、肌が乾燥するのを懸念して、エアコンによって車内が乾燥するのを嫌がります。
そこに着目したのが、レヴォーグのフルオートエアコン(左右独立温度調整機能、後席ベンチレーション、クリーンフィルター付)。
運転席と助手席でそれぞれ好みの温度設定ができるクルマは、最近はコンパクトカーでも増えてきましたが、このレヴォーグのトップグレードとなる「STI Sport」にはノーマル、スポーツ、スポーツ+、コンフォート、インディビジュアルから選べる「ドライブモードセレクト」が搭載されていて、そこでコンフォートを選択すると、エアコンの設定も変わります。
スバルでは通称「奥様モード」と呼んでいたそうですが、湿度センサーによって窓が曇るギリギリのところで外気を入れるように調整し、湿度を高めに保つ工夫があるのです。
お肌はもちろん目や喉にも優しく、ウイルス対策にもいいという美点が。普段から美容に気を使っている奥様には、「肌が乾燥しにくいエアコン」というワードだけでも、グッと心に響くのではないでしょうか。
■奥様が喜ぶクルマ2/トヨタ・ヤリスの駐車支援機能「アドバンストパーク」
カメラとソナーにより周囲を監視しながら、ステアリング、アクセル、ブレーキ操作を制御し、駐車完了まで駐車操作をアシスト。メモリ機能付きで区画線がないスペースにも対応(世界初)
2台目は、女性に「運転で苦手なことは?」と質問するといちばん多い答えである「車庫入れ」を助けてくれる機能が進化している、トヨタ・ヤリスです。
男性でも苦手な人はいますが、女性の場合はハンドルをどちらに切るとタイヤがどう向きを変えるか、といったメカニズムをよく理解していなかったり、体格の問題でそもそも運転ポジションが合っておらず、十分な視界が確保できていないことなどで、より苦手意識が高い人が多いのです。
ヤリスに搭載されている「アドバンストパーク」は、従来の「スマートパーキングアシスト」といった車庫入れサポート機能と比べて、操作がより早く簡単になったのが嬉しいところ。ハンドル、アクセル、ブレーキ操作をクルマがアシストしてくれるので、ドライバーはシフト操作をするだけです。
また、従来は白線で区切られた区画にしか作動しないものが多かったのですが、自宅の駐車場など区画線がない場所も、事前に駐車位置を登録することで、このシステムが作動するようになりました。
それでも、車庫入れが上手な人からすると「自分でやった方が早い」と思うかもしれませんが、苦手な人からすればもう、これがあるだけでどれほど運転に対する憂鬱が晴れることか。どうしてもムリ、という時のお守りがわりとしても、奥様を助けてくれることでしょう。
アラウンドビューモニター、360度モニターなど、自車を真上から見たように画面に映して、死角をなくす機能もセットで搭載すると、より安心感が高まります。
■奥様が喜ぶクルマ3/ダイハツ・タントの自動で開くスライドドア「ウェルカムオープン機能」
ミラクルオープンドアと運転席ロングスライド機構が特徴のダイハツ・タント
降車時にインパネのスイッチで予約しておけば、乗車時に電子カードキーを持ってクルマに近づくだけで、パワースライドドアが自動で解錠しオープン。両手がふさがっている時でも、キーを取り出すことなくスムーズに乗り込むことができる
3台目は、とくに子育て中の奥様に嬉しい、手も足も使わずに自動でスライドドアがオープンする軽初の「ウェルカムオープン機能」が搭載されているダイハツ・タントです。
ミニバンなどのスライドドアや、SUVなどのバックドアには、手を使わずに足の動作だけで開閉できるハンズフリー機能が続々と採用されていますが、これはさらに一歩進んで、キーをポケットやバッグに入れておけば、ドアに近づいただけでロックが解錠されて、自動でスライドドアが開くというもの。
子育て中は、右手に子供を抱っこして左手には買い物の大荷物を持って、というシーンが多発します。とくに、夫が不在で奥様と子供だけで出かける時にはこんな状態になりやすく、これはかなりの負担になっています。
そんな時に「ウェルカムオープン機能」があれば、降りる前にインパネにある予約スイッチを押しておくだけで、クルマに戻ってきて近づくと、キーを出すこともドアハンドルに触れることもなく、スライドドアが自動でオープン。子供が眠ってしまったり、雨の日で手がふさがっている時なども「あってよかった」と助かる機能です。
また、スライドドアが閉まり切るまで待ってからロックをするのは、無駄な時間のようでイラっとしがちですが、タントには「タッチ&ゴーロック機能」もあり、スライドドアが動いている最中にフロントドアのリクエストボタンをタッチするだけで、ロック予約が完了。
子供を待たせることなく、すぐにクルマから離れられます。家事の「時短」が叫ばれる今、この機能も立派な「時短」ですから、喜ばれること間違いなしです。
■奥様が喜ぶクルマ4/マツダCX-8の2列目3列目が自由に行き来できる「センターウォークスルー」
CX-8、6人乗りキャプテンシート&角度調節機構付きアームレスト(センターウォークスルー)装着車
角度を調節できるアームレストを左右シートの中央側に装備。シートリクライニング時にもアームレストの角度を適切に調節できる。もちろんセカンドからサードシート間のウォークスルーも可能
4台目は、やはり子育て中には必須の機能といえる「センターウォークスルー」が国内SUVで唯一手に入る、マツダCX-8。
センターウォークスルーとは、ミニバンやスーパーハイトワゴンなどに多く採用されていて、前席と後席を車内にいながら自由に移動できる機能のこと。
例えば子供と一緒にスライドドアから乗り込んで、子供をチャイルドシートに座らせたら、そのまま自分は前席や3列目シートへ移動できるので、いちいち車外へ降りなくてもいいのが便利です。
猛暑や雨の日などはとくに、センターウォークスルーができるクルマとできないクルマでは、疲労度がガラリと変わるほど。
それをSUVで取り入れているのが、CX-8に設定されている6人乗りで、2列目シートがキャプテンシートタイプのモデルです。
前席からの移動は難しいですが、2列目と3列目の行き来ができるので、3列目シートへのアクセスがグッとラクになります。
ラゲッジに積んだ荷物を取りたい時も、車外へ出なくても2列目から3列目に移動すれば手が届くので、毎日の使い勝手が向上。子供に振り回されてクタクタの奥様には、それがラクになるクルマは大歓迎のはず。こうした機能はミニバンにしかないと思い込んでいる人も多いので、意外性もインパクトが強いのではないでしょうか。
■奥様が喜ぶクルマ5/三菱エクリプスクロスPHEVの「給電システム」
もしクルマに蓄積された電力量が少なくなってもガソリンを給油し、エンジンで発電した電力で給電の継続が可能。災害時など停電が長引く時には非常に便利
エクリプスクロスPHEVは100V AC電源(1500W)から電子レンジや照明、冷蔵庫などに給電できる。電力供給はAC1500WのスイッチをONにするだけ。コンセントはラゲッジルームに1カ所設置
5台目は、アウトドア好きな奥様はもちろん、災害に対して大きな不安を抱いていたり、危機管理意識の高い奥様にはとくに響くと思われる、給電システムが搭載されている三菱エクリプスクロスPHEVです。
外部から充電することができるプラグインハイブリッド車ですが、電気モーターのみでの走行が最大57.3km(WLTCモード)と長いので、普段の買い物や送り迎えといったチョイ乗りならガソリンを使わずに走れて、ランニングコストががぜんお得になるというのも、もちろん大きな魅力の1つ。
でも、いざという時にクルマに蓄えた電気を家庭に供給することが可能になる「V2H」が標準装備で、災害などで万が一停電した際にも安心なのは、家族の安全を考える奥様にとってかなり心強い機能です。
満充電の状態なら、一般家庭が使う電力の最大約1日分、ガソリンによるエンジンでの発電を組み合わせると、最大約10日分がまかなえます。
またアウトドアレジャーだけでなく、ドライブで出かけた先でどこでも、合計1500Wまでの電化製品が使えるコンセントが、中級・上級グレードに標準装備。これは楽しみが広がり、子育てがラクになり、美容にも嬉しい機能なのです。
例えば屋外で火を使わずに、電気ポットで手軽にお湯が沸かせたり、ホットプレートで料理ができたり、電子レンジだって使えるので、冷えたお弁当もチンして温かい食事ができたり。海やプールに行った後も、ドライヤーが使えるのですぐにヘアスタイルが決まります。
ほかのプラグインハイブリッド車や、ハイブリッド車でもコンセントや「V2H」が使えるモデルもありますが、オプション設定になっていることが多いのでチェックが必要。またEVでも「V2H」非対応のモデルもあります。
※ ※ ※ ※ ※
ということで、女心に響く5台のクルマをご紹介しましたが、女心も千差万別ですので「うちの奥様にはどれが響くか」を考慮し、方向性を間違えないようにすることが大事です。
普段からコミュニケーションをしっかりとって、奥様の不満や要望をリサーチ。そして欲しいクルマにそれらを解決してくれる装備があるかどうかを調査し、準備万端で女心に挑みましょう。 みなさまの成功を祈ります!
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