206は傑作コンパクトであると同時にWRCファイターだった!
1998年のパリ・サロンでデビューしたプジョー206(日本販売は1999~2007年)は、プジョーの名声を高めた傑作コンパクトであると同時に、WRC(世界ラリー選手権)を席巻したファイターだった。
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1999年にWRC参戦を開始すると、俊敏な操縦性と強力なパワーでライバルを圧倒。2000年から3年連続でWRCチャンピオンに輝いた。プジョーは、1980年代にもグループBの205ターボ16で2年連続WRCチャンピオンを獲得、さらに世界で最も過酷といわれたパリ~ダカール・ラリーでも1987年から4連覇するなどラリーフィールドで豊富な経験を持つ名門である。
そのプジョーが手がけた206は速くて当然、まさに勝利のためのマシンだった。
206には、「WRC王者」のイメージを投影したスペシャルモデルが存在する。2003年に登場した206RCである。RCは、S16をベースにしたホットモデル。
注目点はグッとパワフルに変身したエンジンだった。2リッターDOHC16Vのパワースペックは177ps/7000rpm、202Nm/4750rpm、S16比で40ps/8Nmも力強く、それに対応してトランスミッションも特別仕立てになっていた。5速MTは、1速のギア比を高めたクロースレシオ仕様。7000rpmまで引っ張ると1速77km/h、2速103km/h、3速142km/h、4速184km/h、5速225km/hまで伸びる。
一方、フロントがストラット式、リアがトレーリングアーム式の足回りは、フロントアームを鍛造に変更、リアには2本のタイロッドを追加。剛性を大幅に高めた。
意のままの走り。206RCは走るほどに魅力が際立つ!
対面した2004年モデルは、適度にレーシーな雰囲気を発散していた。前後バンパーをプジョースポーツライン製に交換し、WRCマシンと共通イメージのOZ製アルミを装着していたからだろう。サポート性に優れたバケットシートに身を落ち着け、イグニッションON。2リッターチューンドユニットは心地よい排気音とともに瞬時に目覚めた。
走りは痛快。エンジンは豪快に吹き上がり小柄なボディを瞬時にスピードの高みに引き上げる。節度感のあるシフトフィールと相まって、まさに意のままに走る。
ただし、当初の興奮が収まると、RCが決してピーキーなクルマではないことに気がついた。エンジンの最高出力回転数は7000rpmに設定されているが、中低回転域から豊かなトルクを発生。GTカーとしても十分な柔軟性を持っている。
乗り心地は意外に良好。それなりにスパルタンだが、決して不快ではない。
WRCは公道で競うスポーツである。エンジンパワーだけでなく、操作性や快適性を含めた総合性能が勝利を引き寄せる。RCに乗って、改めてプジョーのスポーツモデル作りの奥深さを知った。
206RCは、走るほどに魅力が際立つ、超一級のホットハッチである。
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