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大メーカーじゃないのにメルセデス・ベンツが世界最先端の技術を誇るワケ

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大メーカーじゃないのにメルセデス・ベンツが世界最先端の技術を誇るワケ

 世界で初めてガソリンエンジン車を作った誇りと小回りの利く規模

 ダイムラー社のメルセデス・ベンツは、電動化や自動運転化へ積極的に取り組んでいる。たとえば、AMGの車両においても、最新の直列6気筒ガソリンエンジン+ISG(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)を使ったS450を登場させている。自動運転では、半自動運転という表現で、完全自動運転が可能な装備を前型のSクラスに搭載しながら、現状の法規制等にあわせた運転支援(レベル2)を実用化した。

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 年間の生産台数が200万台規模というのが、ドイツ御三家といえるメルセデス・ベンツ、BMW、アウディであり、トヨタやフォルクスワーゲン、あるいはルノー・日産・三菱など大規模な1000万台企業とは異なる。同時にまた、そのドイツ御三家に共通するのは、大衆車を作らずプレミアムブランドであるという位置づけだ。たとえ小型の2ボックスカーやSUVを商品に加えても、そこに安さより付加価値を与えてくる。

 そうしたドイツのプレミアムブランドは、将来的な電動化と自動運転化に苦慮してきた経緯がある。電動化すれば、基本技術はモーターとリチウムイオンバッテリーであり、そこが共通化される。自動運転化すれば、運転の喜びといったこれまでの価値観を表現できない。環境性能に優れ、誰もが快適に移動できるEVや自動運転車は、まさしくトヨタやVW、あるいは日産連合の各社がやれば、実用性は満たされる。

 では、そうした時代に、何がプレミアムと認識されるのだろうか。そのひとつが、最先端の技術力を明らかにすることだ。またデザイン性に優れ、ひと目で魅了される造形が求められる。もちろん、室内の装飾や静粛性、乗り心地といった快適性も一歩抜きん出ていなければならない。そうした競争が、いま始まっている。そうした将来への下地作りが、ガソリンエンジン車においても行われている。

 たとえば、メルセデス・ベンツがSクラスに投入した直列6気筒ガソリンエンジン+ISGは、まさに新感覚のガソリンエンジンだ。動力性能は、あたかもモーターのように滑らかで力強く、そして心地よい。新エンジンの開発においても、電動車両時代を見据えた動力性能を追求し、モーター時代に備えているのである。もちろん、電動化すれば環境性能も高まる。

 そうしたガソリンエンジン開発や、電動化、自動運転化をなぜメルセデス・ベンツが率先して実践するかといえば、132年前にカール・ベンツが世界で初めてガソリンエンジン車を作ったという、創始者としての誇りに裏付けられている。単にEVを作ればいいのではなく、電動化の時代を切り拓き牽引することが、世にガソリンエンジン車を生み出した自動車メーカーの使命であると考えているのである。

 同時に、企業規模としても200万台程度であれば、雇用や設備投資においても素早く動くことができる。顔の見える従業員と意思疎通を図りながら、仕事の在り方や、企業の存続を検証できるのである。

 片や、トヨタ、VW、日産連合は規模が大きくなり過ぎている。したがって、よくタンカーの操舵に例えられるように、舵を切ってもすぐには曲がれない事情がある。IT化が進み商品の価値観が数年で変化するようになった今、従来積み重ねてきた企業経営は通じなくなり、じつは大規模メーカーのほうが取り残され、先行きが危うくなる可能性は高いともいえるのである。

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