トヨタが新型コンパクトSUVを、3月3日に『ジュネーブモーターショー』で世界初公開……の予定が延期に!! 気になるニューモデルの全容と今後はどうなる!?
2020年2月18日、欧州トヨタが出した一本のリリースとティザー画像(=本稿メイン写真)に注目が集まった。
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リリースには「(ジュネーブモーターショーで)新型のB-SUVを世界初公開します」との記載。ここでいうB-SUVは“欧州BセグメントクラスのSUV”を示す。
Bセグメントに属する国産車といえば、新型ヤリスやホンダ フィット、同車をベースとしたSUVのヴェゼルも該当。それだけに大いに期待は高まっていた。
そして、この新型コンパクトSUVは3月3日、晴れてショー会場でベールを脱ぐ……はずだったのだが、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、ショーは中止に。
さっそくトヨタ広報部に問い合わせると、「発表は(Web上での公開も含めて)延期となり、現時点で発表日時は未定です」との回答を得たが、公開が予定されていた新型SUVは果たしてどのようなモデルだったのか。
筆者(永田恵一氏)の予想をもとに解説したい。
文:永田恵一
写真:TOYOTA、CG:ベストカー編集部
【画像ギャラリー】B-SUVは新型ヤリスの派生!? 国産SUVとベースモデルを写真で徹底比較!!
噂のB-SUVは新型ヤリスのSUV版が濃厚!!
ヤリスクロスオーバーの予想CG。こちらはヤリスをそのままクロスオーバー化したものだが、ティザー画像のリアコンビランプからも、デザインは差別化される可能性が高いとみられる
トヨタのコンパクトSUVではダイハツ主導で開発され、5ナンバーサイズとなるライズが2019年に加わっている。
しかし、世界的に見てコンパクトSUVは、2020年央国内発売予定の日産 キックスと日本未発売が濃厚なジューク、ホンダではヴェゼル、マツダもCX-3があり、トヨタに今までなかったほうが不思議なジャンルである。
こうしたことを考えると、トヨタのコンパクトSUVは、ライズ/ロッキーとC-HRの中間となる車格で、ジュネーブモーターショーで登場予定だったことも加味すると世界戦略車となるのが確実だ。
さらに、ライズ/ロッキーの存在を頭に入れると全幅は3ナンバーサイズだろう。
ティザー画像に先立ち、1月に公開された“B-SUV”のイメージスケッチ。ここからも新型SUVはクーペルックのシルエットを持つことが予想できる
また、2020年1月に発表された側面からみたイラストを見ると、現行RAV4のようないかにもSUVらしい四角いフェンダーアーチを持ち、C-HRほどではないものの、シルエットはCピラーが寝たクーペルックだ。
このあたりを総合するとトヨタのコンパクトSUVは、ざっくり言えばフィットとそのSUV版となるヴェゼルの関係と同様。
つまり、ヤリスのSUV版で、それなりにキャビンやラゲッジスペースの広さも考慮したモデルとなりそうだ。ボディサイズはC-HRとの関係や高い最低地上高(180mm程度?)という要素も考慮すると全長4250mm×全幅1770mm×全高1600mmといったところだろうか。
プラットホームはGRヤリス、4WDはRAV4から流用!?
車名こそ「ヤリス」を冠すものの、ボディ後半部で1クラス上の「TNGA-C」プラットフォームを使うGRヤリス
プラットホームは、1月の発表時にトヨタで新世代コンパクトカー用(編注:新型ヤリスも採用) の「TNGA-B」と公表されている。
しかし、後述する要素や車重が重くなるSUVということも配慮してクルマのキャパシティ(容量)に余裕を持ちたいとトヨタが考えているとすれば、GRヤリスと同じようにクルマの前半は「TNGA-B」、後半はC-HRなど用の「TNGA-C」となる可能性もあるかもしれない。
もしそうであれば、トヨタからすれば小さな販売台数のGRヤリスの開発費の償却の後押しにもなりそうだ。
主力となるのはヤリスと同様の3気筒エンジンとなる1.5Lガソリンと1.5Lハイブリッド(2モーター)が濃厚で、1.5Lガソリン車には6速MTも設定されるだろう。
悪路走破性にも定評のあるRAV4は、ガソリン車に「ダイナミックトルクベクタリングAWD」、ハイブリッド車に「E-Four」の各四駆システムを採用。これがヤリスベースのSUVに転用されそうだ
また、「高性能な4WD」との発表を見ると、4WDシステムは現行RAV4の「ダイナミックトルクベクタリングAWD」(トルクベクタリングと呼ばれる後輪の左右コントロールも行う)を小型化したようなものとなり、ハイブリッド車は後輪の駆動力配分を増やした「E-Four」となるかもしれない。
さらに、今のトヨタの勢いを考えるとGRヤリスの1.6Lターボ+4WDを移植したコンパクトスポーツSUVがあることも期待したい(これはこのコンパクトSUVのGRとなるかもしれない)。
もし、本当に1.6Lターボ+4WDがあるなら、このコンパクトSUVは欧州向けのヤリスとともにトヨタのフランス工場で生産されることもあり、C-HRと同様に発売前にニュルブルクリンク24時間レースに参戦し、実践テストを行う可能性もある。
日本発売の可能性も充分あり得そう!
トヨタの新型コンパクトSUVは、全長4385×全幅1795×全高1550mmというサイズのC-HR(写真)とライズのちょうど中間に位置するモデルとなる見込み
このコンパクトSUVは、今のSUV人気を考えると日本でも発売される可能性は高いだろう。その際の価格はヤリスやヴェゼルから想像すると1.5Lガソリン車で210万円あたりからと思われる。
また、SUVというジャンルはコンパクトとかミドルといった車格が明確でないこともあり、仕向地によってはC-HRとこのコンパクトSUVが統合され、このコンパクトSUVがC-HRの後継車となる地域もあるかもしれない。
いずれにしても全体的にトヨタ車がドンドン良くなっていることもあり、市販化が楽しみな1台だ。
編注/このヤリスベースとされる新型SUVは、先述のとおり今春の欧州発表を予定していた。そうなると、日本発表は今秋あたりが有力だろうか。現時点で未定の発表日時も含めて、最新情報がわかり次第、改めてお伝えしたい。
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競合他社を意識するのは分かるが思いきって公開すればいいのに。
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