現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 日産のピュアEV「アリア」を買うならどのグレードが正解?

ここから本文です

日産のピュアEV「アリア」を買うならどのグレードが正解?

掲載 10
日産のピュアEV「アリア」を買うならどのグレードが正解?

 日産がピュアEVの最上級モデル「アリア」を発表したのは2020年7月のこと。この時点で発売は2021年半ばにまず日本から、というコメントが出た。しかし、コロナ禍や半導体不足という不測の事態も重なり、発表は延びた。ようやく発売され、納車が始まったのが2022年5月。それも「B6」の2WD車のみが発売されたのだ。さらに待つこと約2年。2024年3月にようやく「アリア」の全グレードが発売された。「B6 2WD」に加え「B9 2WD」「B6 e-4ORCE」「B9 e-4ORCE」「B9 e-4ORCEプレミア」が揃った。今回は「B6 FWD」と「B9 e-4ORCEプレミア」を乗り比べてみた。ちなみに「B6」と「B9」の違いは、バッテリー容量の違いで「B6」は66kWh、「B9」は91kWhとなっている。

広くてフラットな室内空間

【CES2024】ソニー・ホンダモビリティがMSとの連携などAI活用で進化したEV「AFEELA」を発表

 今や日産の乗用車シリーズの中では、1BOXの「エルグランド」を除けば、最も大型のクルマが「アリア」だ。最上級の「プレミア」は「B9 e-4ORCE」に先進運転支援システム「プロパイロット2.0」や20インチ専用アルミホイール、255/45R20のタイヤ、本革シートなどが標準で装備されている。

 車両本体価格は「B6 2WD」(659万100円)、「B6 4WD」(719万5100円)、「B9 2WD」(738万2100円)、「B9 4WD」(798万7100円)、「B9 4WDプレミア」(860万3100円)となっている。もちろん、この価格から補助金が国や自治体から出ているので、その金額が差し引かれる。

 パワーユニットだが「B6」は、電池容量66kWh、最高出力218PS、最大トルク300Nm、「B9 e-4ORCE」は電池容量91kWh、前後のモーターが同じなので出力は218PS+218PS=436PS、トルクは600Nmだが、システム出力は395PS、600Nmになる。「B6 2WD」(FF)車から試乗した。

 充電量は98%、可能走行距離は379kmと表示されている。試乗車は総走行距離500km強の新車。ちなみにカタログ上の一充電走行距離はWLTCモードで470kmだ。「アリア」の室内は広い。全長は4.6mを切っているが、全幅は1.85m、全高は約1.7mある。しかも前席はコンソールの張り出しが少なく、床もフラットなので、助手席とのサイドスルーもできる。



 後席も着座位置はやや高めで、前方視界も良好。床もフラットで中央席の乗員も足を伸ばせる。スペースも広い。唯一気になるのは、後席ドアウインドウが全開にしても下1/3が残ってしまうことだ。居心地は悪くない。後部の荷室も奥行き、左右幅ともに1m以上ある。床下のサブトランクは、深さ110mm確保されているので実用的だ。200Vケーブルも入るが、これは荷室手前左右に設けられたポケットにも収納できる。床面のボードは荷室の中ほどに立てることができ小さな荷物はボード手前に置け、便利だった。これがe-4ORCEだと、床下部分に駆動モーターなどが搭載されるので、サブトランクはなくなってしまう。



スタートからの動きは軽快、ハンドリングは直進性が強い

 センターアームレストに内蔵されているシフトを動かして、Dレンジにシフト。ドライブモードはスポーツ/スタンダード/エコの3モード。スタンダードを選択した。スタートからの動きは軽い。そしてハンドリングは直進性が強い。高速走行での直進性のよさは、安定感があり、気を使わずにロングドライブができる。コーナリングは直進性との戦いだ。FFスポーツらしい感覚だといえるだろう。

 スポーツモードに切り替える。重めの操舵力は変わらず、コーナーでの直進性も強い。乗り心地は硬め。ゴツゴツとした動きにカドはないが、硬い。タイヤはブリヂストンの「アレンツァ」235/55R19を履いていた。

 動力性能はDレンジ、スタンダードモードで0→100km/hの加速は6秒台後半。1モーター、218PSだが、車両重量が1920kgとシリーズで唯一2000kgを割っている軽さがこの加速性能を可能にしたのだろう。充電は自宅の200V、3kWで行なってみた。14%減ったところで充電してみると、100%まで3時間44分と表示された。このレベルなら日常使いでも不満はない。ちなみに試乗中の電費は6.1~6.5km/kWh。5km/kWh台より上なら、十分好い電費といえるので「B6 2WD」は合格だ。

 そして、ようやくデリバリーが始まった「B9」だ。こちらは4WDの「e-4ORCE プレミア」。先進運転支援システムや20インチ専用ホイール、本革シートなど特別な装備を標準設定したモデルだ。パワーユニットは電池容量91.0kWhでカタログでは218PS+218PS=436PS、300Nm+300Nm=600Nmになっているが、システムパワーは395PS、600Nmになる。車両重量はプレミアムで2210kg。同時に試乗した「B6 2WD」より290kgも重い。EVというのはモーター+電池がいかに重いか、ということだ。



 しかし、乗り始めて加速計測をしてみると、0→100km/hの加速は5秒台前半。「B6」より1.5秒以上速いのだ。スタートからの電力を消費しているとはいえ、電池容量の大きさの威力はすさまじいものがある。走行距離だが受け取った時は99%充電され、走行可能距離は461km。WLTCCモードでは560kmなので、かなり短くなっている。直前に試乗した状況が走行距離に反映されるので、かなり踏みこんだ試乗をしたのかもしれない。

 試乗は「スタンダード」モードでスタート。4WDのドライブモードは「スポーツ」「スタンダード」「エコ」に「スノー」モードが加わっている。走り出して、ちょっと気になったのは低速域での直進性。スタート直後にハンドルが軽くなり、一瞬不安な感じがしたのだ。4WDのビタッとした動きにやや欠けていたのだ。これがシステム的な理由なのかは不明だが、少し気になった。

 走り出しからはやや重めの操舵力で、4WDでもやや直進性は強め。「スポーツ」モードに切り替えると重さと硬さは強くなった。タイヤはダンロップの「SPスポーツMAXX」255/45R20を装着していたが、19インチタイヤとの違いは大きくはなかった。

 充電は200V、3kWで、73km走行して16%減。83%から100%までの充電時間は5時間4分と表示された。電費は4.1~4.3km/kWh。もう少しの伸びを期待したい。今回の試乗は「B6 2WD」 と「B9 e-4ORCEプレミア」だったが、次は「B9 2WD」と「NISMO e-4ORCE」にも試乗してみたい。

• 関連情報
https://www3.nissan.co.jp/vehicles/new/ariya-details/specifications.html

文/石川真禧照 撮影/萩原文博

関連タグ

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

マイナーチェンジしたホンダの人気SUV「ヴェゼル」3モデルを乗り比べてみた
マイナーチェンジしたホンダの人気SUV「ヴェゼル」3モデルを乗り比べてみた
@DIME
ロータスのハイパー電動SUV「エレトレR」が体現する近未来のクルマ造り
ロータスのハイパー電動SUV「エレトレR」が体現する近未来のクルマ造り
@DIME
力強く、しなやかに進化したGクラス、メルセデスAMG「G63 Launch Edition」
力強く、しなやかに進化したGクラス、メルセデスAMG「G63 Launch Edition」
@DIME
「ランドクルーザー ”250”」VS「ランドクルーザー GR SPORT」人気絶頂のクロカン4WDを徹底検証
「ランドクルーザー ”250”」VS「ランドクルーザー GR SPORT」人気絶頂のクロカン4WDを徹底検証
@DIME
あれぇぇ!? [ノートオーラNISMO]と[シビックRS]を比較してみると意外な結果
あれぇぇ!? [ノートオーラNISMO]と[シビックRS]を比較してみると意外な結果
ベストカーWeb
初代日産リーフは「普通に乗れる」電気自動車だった【10年ひと昔の新車】
初代日産リーフは「普通に乗れる」電気自動車だった【10年ひと昔の新車】
Webモーターマガジン
【カブリオレ対決】BMW対メルセデス 6気筒エンジンを搭載するオープントップのM440i xDriveとCLE450のガチンコ勝負!
【カブリオレ対決】BMW対メルセデス 6気筒エンジンを搭載するオープントップのM440i xDriveとCLE450のガチンコ勝負!
AutoBild Japan
【最新モデル試乗】すべてがグレードUP! 理想の選択肢、三菱アウトランダーPHEVの驚く完成度
【最新モデル試乗】すべてがグレードUP! 理想の選択肢、三菱アウトランダーPHEVの驚く完成度
カー・アンド・ドライバー
燃費と運転体験の両立 フォルクスワーゲン・ゴルフ GTEへ試乗 電気で最長130km走れるHV!
燃費と運転体験の両立 フォルクスワーゲン・ゴルフ GTEへ試乗 電気で最長130km走れるHV!
AUTOCAR JAPAN
エンツォフェラーリへ通じる「DNA」 マセラティMC20 長期テスト(2) 車重を測ったら1710kg
エンツォフェラーリへ通じる「DNA」 マセラティMC20 長期テスト(2) 車重を測ったら1710kg
AUTOCAR JAPAN
なんとハイブリッド仕様も!! クラシックなボディに6気筒を押し込んだ[クラウン]セダンがスゴすぎる
なんとハイブリッド仕様も!! クラシックなボディに6気筒を押し込んだ[クラウン]セダンがスゴすぎる
ベストカーWeb
【AT限定でトラックに】日産「アトラス」にAT限定普通免許対応モデル 運送業界の課題解決へ
【AT限定でトラックに】日産「アトラス」にAT限定普通免許対応モデル 運送業界の課題解決へ
AUTOCAR JAPAN
新車が買えないレベルで人気沸騰中のメルセデス・ベンツGクラス! EVが売れない日本でも「G 580 with EQ Technology」ならバカ売れするか?
新車が買えないレベルで人気沸騰中のメルセデス・ベンツGクラス! EVが売れない日本でも「G 580 with EQ Technology」ならバカ売れするか?
THE EV TIMES
航続距離は国内最長759km!メルセデス・ベンツのフラッグシップEV「EQS」に改良モデルが登場
航続距離は国内最長759km!メルセデス・ベンツのフラッグシップEV「EQS」に改良モデルが登場
@DIME
航続距離は703km!ヒョンデがフラグシップEV「IONIQ 5」の改良新型モデルを発売
航続距離は703km!ヒョンデがフラグシップEV「IONIQ 5」の改良新型モデルを発売
@DIME
ヒョンデの高性能ブランドNからWRCスタイルの高性能EV「RN24」が登場
ヒョンデの高性能ブランドNからWRCスタイルの高性能EV「RN24」が登場
@DIME
新型「メルセデスCLA」のプロトタイプに試乗!次世代のメルセデス製電気自動車の実力やいかに?
新型「メルセデスCLA」のプロトタイプに試乗!次世代のメルセデス製電気自動車の実力やいかに?
AutoBild Japan
アイオニック5からコナへ!【ヒョンデ・アイオニック5長期レポート5】
アイオニック5からコナへ!【ヒョンデ・アイオニック5長期レポート5】
AUTOCAR JAPAN

みんなのコメント

10件
  • hol********
    何この文章、タイトルに対する回答は?
    次は〇〇に乗りたいって知らんがな。
    結局B6がいいってこと?
  • fur********
    120万の値上げが痛すぎる。値上げ前は補助金差し引くと450万程度、コミコミ500で買えた!燃料費はハイブリッドより更に安くて、とてもお買い得でした。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

659.0944.1万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

368.01140.0万円

中古車を検索
アリアの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

659.0944.1万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

368.01140.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村