現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 史上最強コンパクトSUV メルセデスAMG「GLA45S」はどう進化? 「GLA35」はどこが違うのか

ここから本文です

史上最強コンパクトSUV メルセデスAMG「GLA45S」はどう進化? 「GLA35」はどこが違うのか

掲載 更新
史上最強コンパクトSUV メルセデスAMG「GLA45S」はどう進化? 「GLA35」はどこが違うのか

■プラットフォームが「MFA2」に進化したGLA

 メルセデスAMGのニューモデル「GLA 45 S」が驚くほどの進化を果たしていたので紹介しましょう。

最新コンパクトSUV対決! メルセデス「GLA」とアウディ「Q3SB」選ぶならどっち!?

 メルセデス・ベンツのハイパフォーマンスモデルを手がけるAMGは、1世代前のモデルからコンパクトカークラスにも進出。

 もともと前輪駆動用に作られた横置きエンジン用シャシをフルタイム4WD化するとともに、ハイパワーエンジン、スポーツ仕様のサスペンション、ひと目でAMGとわかる内外装のモディファイなどを盛り込んで発売したところ、これが大ヒット。AMGのセールスを大きく伸ばすのに役立ったといわれます。

 でも、筆者は初代のコンパクト系メルセデスAMGをそれほど評価していませんでした。なぜなら、シャシがあまり洗練されているとは思えなかったからです。

 メルセデス・ベンツはもともと縦置きエンジン+後輪駆動のレイアウトが得意な自動車メーカーです。それに比べると、横置きエンジンのレイアウトは歴史が短く、当初は乗り心地とハンドリングのバランス取りに苦しんでいました。

 しかも、メルセデスAMGであればさらにハンドリングをスポーティに仕上げないといけない。すると、乗り心地が一層厳しくなってしまうという悪循環に陥っていたのです。

 ところが、現行型のコンパクト系メルセデス・ベンツ(AMGのもととなる標準仕様のほう)は、プラットフォームと呼ばれるクルマの土台が、MFAからMFA2に進化。これにともなってサスペンションの動きが一層スムーズになり、乗り心地もハンドリングも目覚ましく進化しました。

 そこで、これと同じプラットフォームを用いる新世代メルセデスAMGへの期待も高まっていたというわけです。

 今回テストしたメルセデスAMG「GLA 45 S 4MATIC+」は、メルセデスのコンパクトモデルのなかでもSUVボディのGLAがベース。ここに、4気筒エンジンとしては世界最強とされる最高出力421ps、最大トルク500Nmの2リッターターボを搭載し、8速ATを介して4輪を駆動するハイパフォーマンスモデルです。

 これとは別に、最高出力306ps、最大トルク400Nmの「GLA 35 4MATIC」というモデルも用意されています。価格はGLA 45 S 4MATIC+が900万円(消費税込、以下同)、GLA 35 4MATICが707万円です。

■GLA35よりも上質な走り味を提供するGLA45S

 先代のイメージがまだ残っていたので、少し緊張してGLA 45 Sをスタートさせましたが、なにもかもあっけなく、とても滑らかに走り出してくれました。

 まず、エンジンの反応がとにかくスムーズ。アクセルを踏んでしばらく経ってからドーンと急にパワーが溢れ出てくることもないので、安心感は上々です。エンジン音も極端にうるさかったりはしないから、おとなしく走っていれば住宅地でも近所のご迷惑になることはなさそうです。

 それ以上に驚いたのが足回りのしなやかさ。先代と違って波打った路面にもタイヤが素直に追随していってくれるので、1回切ったハンドルの角度をそのまま保ってコーナーを曲がり切ることも難しくありません。

 こんなとき、先代GLAは路面の上下動にあわせてハンドルも左右に振られることがあって、せわしなかったり緊張感が強いられたりしたことを思い起こします。

 これだけだと、ただ運転しやすくて安心感の強いだけのクルマに思われてしまうでしょうが、GLA 45 Sのコーナリング性能は先代を確実に上回っています。しかも、その速さを安心して引き出せるところに新型の大きな魅力があると思いました。

 先ほどエンジンの反応がスムーズと書きましたが、これは低回転域だけでなく高回転域でも同様。7000rpmから始まるレッドゾーンまで滑らかさをまったく失わないまま回り切ってくれるほか、パワー感の高まりも迫力満点。慣れない人はちょっと面食らうくらいの力強さです。

* * *

 ところで、AMGといえば“ワンマン・ワンエンジン”といって、ひとりのメカニックが1基のエンジンを最初から最後まで手作りで組み上げることが最大の特徴とされてきました。

 このGLA 45 Sも同じワンマン・ワンエンジンで作られていますが、GLA 35は同じAMGでもワンマン・ワンエンジンではなく、量産用のラインで組み上げられるそうです。

 また、公道で味わえる速さに関していえば、GLA 45 SとGLA 35の間に大きな違いはありませんが、GLA 45 Sはサスペンションの動き方がより高級なうえに、高回転域でのエンジンの回り方もよりスムーズで、とても優れた品質感が伝わってきます。

 つまり、大雑把にいえば、速さは同等だけれど走りの質感はGLA 45 Sの圧勝といえます。

 では、そこに約200万円の価値があるかといえば、玉虫色の答えながら、きっと人によって違ってくるでしょうね。経済的に余裕のある人であればGLA 45 Sがお勧めです。でも、GLA 35でも十分に速いし、先代GLA 45よりも確実に洗練されているので、どちらを選ぶかは相当の悩みどころです。

Mercedes-AMG GLA 45 S 4MATIC+
メルセデスAMG GLA 45 S 4マティック+

・車両価格(消費税込):900万円
・オプション込み試乗車車両価格(消費税込):983万5000円
・全長:4440mm
・全幅:1850mm
・全高:1585mm
・ホイールベース:2730mm
・車両重量:1800kg
・エンジン形式:直列4気筒DOHCターボ
・排気量:1991cc
・駆動方式:4WD
・変速機:8速AT
・最高出力:421ps/6750rpm
・最大トルク:500Nm/5000-6750rpm
・WLTCモード燃費:10.4km/L

こんな記事も読まれています

「(次期)セリカ、作ります!」ラリージャパン会場でトヨタ中嶋副社長が明言!! 開発開始を宣言、次期86も「出す」
「(次期)セリカ、作ります!」ラリージャパン会場でトヨタ中嶋副社長が明言!! 開発開始を宣言、次期86も「出す」
ベストカーWeb
スズキ・フロンクスが月販目標の9倍も受注! 絶好調な理由は小さくて安いのに感じられる「高級感」!!
スズキ・フロンクスが月販目標の9倍も受注! 絶好調な理由は小さくて安いのに感じられる「高級感」!!
WEB CARTOP
車載電池のノースボルト、米国で破産法を申請 事業継続にめど
車載電池のノースボルト、米国で破産法を申請 事業継続にめど
日刊自動車新聞
【初試乗!】さらにスポーティになった「メルセデスAMG GT 63 PRO」はポルシェとのGT対決に終止符を打てるか!?
【初試乗!】さらにスポーティになった「メルセデスAMG GT 63 PRO」はポルシェとのGT対決に終止符を打てるか!?
AutoBild Japan
レクサス新型「FF最大・最上級セダン」世界初公開に大反響! めちゃ“斬新グリル”&一文字ライト採用! “6年ぶり”に内外装刷新の「ES」中国に登場!
レクサス新型「FF最大・最上級セダン」世界初公開に大反響! めちゃ“斬新グリル”&一文字ライト採用! “6年ぶり”に内外装刷新の「ES」中国に登場!
くるまのニュース
20年前の個体なのに走行距離301キロ!? 555台の限定車 BMWアルピナ「ロードスターV8」がオークションに登場 極上車の気になる予想価格とは
20年前の個体なのに走行距離301キロ!? 555台の限定車 BMWアルピナ「ロードスターV8」がオークションに登場 極上車の気になる予想価格とは
VAGUE
完璧なシーズンでも届かない、王者の背中。ノリス「たとえミスがなかったとしてもタイトルを手にできたかどうか……」
完璧なシーズンでも届かない、王者の背中。ノリス「たとえミスがなかったとしてもタイトルを手にできたかどうか……」
motorsport.com 日本版
苦手な「前向き駐車」なぜコンビニで推奨されるのか? 「もちろんやってる」「出る時が怖い…」賛否あり!? バック駐車じゃない理由への反響は?
苦手な「前向き駐車」なぜコンビニで推奨されるのか? 「もちろんやってる」「出る時が怖い…」賛否あり!? バック駐車じゃない理由への反響は?
くるまのニュース
今でも現役! いろんなバイクに採用されています。「SOHC」とは?【バイク用語辞典】
今でも現役! いろんなバイクに採用されています。「SOHC」とは?【バイク用語辞典】
バイクのニュース
ダイハツ『タフト』安全性能向上で仕様変更、138万6000円から
ダイハツ『タフト』安全性能向上で仕様変更、138万6000円から
レスポンス
BMW 2シリーズクーペ【1分で読める輸入車解説/2024年最新版】
BMW 2シリーズクーペ【1分で読める輸入車解説/2024年最新版】
Webモーターマガジン
レクサスの末っ子LBXに、次世代モダンインテリア空間を表現したElegantが新登場
レクサスの末っ子LBXに、次世代モダンインテリア空間を表現したElegantが新登場
カー・アンド・ドライバー
荷台が“伸びる”ダイハツ「斬新軽トラ」登場! “画期的”発想の「超ロングボディ仕様」がスゴい! まさかの「実車化」果たした衝撃のモデルでWRCをサポート
荷台が“伸びる”ダイハツ「斬新軽トラ」登場! “画期的”発想の「超ロングボディ仕様」がスゴい! まさかの「実車化」果たした衝撃のモデルでWRCをサポート
くるまのニュース
新車で買える!? トヨタ「シエンタ“SUV”」がスゴイ! 5人乗り仕様もある「小型SUVミニバン」が台湾で人気すぎるワケとは
新車で買える!? トヨタ「シエンタ“SUV”」がスゴイ! 5人乗り仕様もある「小型SUVミニバン」が台湾で人気すぎるワケとは
くるまのニュース
「トイレに行きたいのですが…駐めちゃダメ?」 高速にある「謎のバス停」 SNSでは「一般車が進入していた」の声も どんなルールなの?
「トイレに行きたいのですが…駐めちゃダメ?」 高速にある「謎のバス停」 SNSでは「一般車が進入していた」の声も どんなルールなの?
くるまのニュース
運賃交渉すれば“村八分”にされる? 荷主を過剰に気遣う中小運送の社長たち、本当に守るべきは誰なのか?
運賃交渉すれば“村八分”にされる? 荷主を過剰に気遣う中小運送の社長たち、本当に守るべきは誰なのか?
Merkmal
ホンダ「ADV160」【いま新車で買える! 冒険バイク図鑑】
ホンダ「ADV160」【いま新車で買える! 冒険バイク図鑑】
webオートバイ
いやこれは凄いわ……[EV]の歴史に残る一台が韓国から出ている件
いやこれは凄いわ……[EV]の歴史に残る一台が韓国から出ている件
ベストカーWeb

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村