実際より低めの価格設定 1m毎に感じる車重
ロータス・エレトレの車内は、どこを切り取っても、惹き込まれるような高級感に満ちている。軽さと質実さを追求していたブランドが、素晴らしい贅沢を叶えてみせた。20万ポンド(約4000万円)するクルマの内装だといっても、納得できる水準にある。
【画像】市場を「ひっくり返す」能力! ロータス・エレトレ アウディSQ8 競合の電動SUVと比較 全167枚
対するアウディSQ8 e-トロンのインテリアは、ドイツ車らしく整然としたデザインで、製造品質はソリッド。長時間を快適に過ごせるものの、エレトレから乗り換えると普通に感じられてしまう。上質でも、オーッと声を上げるほどの要素が見当たらない。
新市場でのプレゼンスを確立したいロータスが、利益を優先しなかったことは間違いないだろう。実際より、低めの価格設定にあるように思う。この印象は、運転体験にも当てはまる。
それでも、エレトレを穏やかに走らせている限り、ドライバーを魅了するような特徴が強いわけではない。ロータスは、フィーリングの軽さを主張するけれど。
今回の試乗車は、オプションのアクティブ・アンチロールバーや後輪操舵システムの備わらない、エレトレ Sだった。これらが装備されていれば、操縦性はもっと機敏に感じられたかもしれない。エレトレ Rには標準で与えられるアイテムだ。
公道を飛ばし始めると、軽くない車重を1m毎に感じてしまう。だが動的な能力の幅が広く、重々しくは感じられないのは、ロータスが慎重にシャシーチューニングを詰めた結果だろう。
スポーツ志向なSUVというわけではない
乗り心地は、エレトレ Sの方が優秀。アスファルトの剥がれた穴をしなやかに均し、常に安定した印象を伴う。ステアリングは直感的。重み付けも丁度良く、ダイレクトというわけではないが、スローな感じはしない。
姿勢制御は一貫性が高く、引き締まりつつ、旋回中でも滑らかに路面の不整を通過できる。過度に硬く感じられたり、凹凸に反応する仕草もない。グリップ力は悪くなく、シャシーバランスに優れ、611psの最高出力を最大限に路面へ伝えられる。
かといって、エレトレ Sはスポーツ志向なSUVというわけでもない。ホイールベースの長い、大きなクルマという印象が拭えない。
積極的にカーブへ侵入すると、外側のフロントタイヤへ荷重が大きく移り、一定のボディロールを許す。ポルシェ・カイエンや、SQ8 e-トロンのように、クルリとタイトに旋回する爽快さはない。機敏とは表現しにくいだろう。
SQ8 e-トロンはひと回りボディが小さく、グリップ力が僅かに優れ、明らかにコーナリングに締まりがある。素早く旋回でき、トリプル・モーターのレイアウトを活用し、鋭くカーブから脱出していける。
姿勢制御や操縦性で優れることは間違いない。走行中の車内の静寂性も高い。その反面、エレトレ Sほど入念なチューニングを施された印象が伴わない。快適性と敏捷性という、能力の幅も比べるとやや狭いといえる。
市場をひっくり返すほどの能力
ステアリングのフィーリングは、エレトレ Sの方が有利。SQ8 e-トロンは、場面によってステアリングホイールの重さや精度が変化してしまう。フロントタイヤからの感触も、若干曖昧に感じられる。
乗り心地も、SQ8 e-トロンは若干落ち着きが足りない。ハイペースで駆け回る場合は、ダイナミック・モードが好ましいが、それでも完全なフラットさを得られるわけではない。スポーティな印象で勝ることは、否定できないとしても。
かくして、ロータスのエレトレ Sはこの市場をひっくり返すほどの能力を秘めている。同価格帯にあるアウディの電動SUVより、豪華で快適。車内は広く、乗り心地も良い。SQ8 e-トロンより、訴求力で勝るといっていいだろう。
2.5tの車重を持つ電動SUVが、スーパーサルーンを目指していないという志向も好ましい。実用性と動力性能のバランス、安定した操縦性、全体的な洗練性という仕上がりは、市場の共感を誘えると思う。
好むと好まざるとに関わらず、ロータスの未来を牽引する、大型・電動SUVは誕生に至った。型破りなモデルではある。だが心を開いて近づけば、期待以上の熟成度で、多くの人を魅了できる力を秘めている。
エレトレ SとSQ8 e-トロン 2台の電動SUVのスペック
ロータス・エレトレ S(英国仕様)
英国価格:10万5805ポンド(約2116万円)
全長:5103mm
全幅:2019mm
全高:1630mm
最高速度:257km/h
0-100km/h加速:4.5秒
航続距離:495km
電費:3.8-4.1km/kWh
CO2排出量:−
車両重量:2540kg
パワートレイン:ツイン永久磁石同期モーター
駆動用バッテリー:108.0kWh(実容量)
急速充電能力:350kW
最高出力:611ps(システム総合)
最大トルク:72.3kg-m(システム総合)
ギアボックス:1速リダクション(四輪駆動)
アウディSQ8 e-トロン・スポーツバック・ブラックエディション(英国仕様)
英国価格:10万1380ポンド(約2027万円)
全長:4915mm
全幅:1976mm
全高:1617mm
最高速度:209km/h
0-100km/h加速:4.5秒
航続距離:436-447km
電費:3.7km/kWh
CO2排出量:−
車両重量:2650kg
パワートレイン:トリプル非同期モーター
駆動用バッテリー:106kWh
最高出力:504ps(システム総合)
最大トルク:99.0kg-m(システム総合)
ギアボックス:1速リダクション(四輪駆動)
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
「子供が熱を出したので障害者用スペースに停めたら、老夫婦に怒鳴られました。私が100%悪いですか?」質問に回答殺到!?「当たり前」「子供がいたら許されるの?」の声も…実際どちらが悪いのか
[朗報] 改良日程の前倒しで年内に[アルファード/ヴェルファイア]が手に入れられる!?
ついに[バブル]崩壊か!? 中古価格が暴落したら買いたい現行クロカン3選
「ヘッドライトが“まぶしい”んですけど、どうにかならないですか?」 困惑の声多数! あなたの行為「違反」かも? 「ハイビーム」の“落とし穴”とは
40年前の日産「フェアレディZ」を海外オークションで発見 走行距離21万キロ超え 年代相応にヤレた「Z32」の価値とは
新車採用が「義務化」! でも後退時「バックモニター」だけで動くのは「危険すぎ」!? “カメラ”に映らない「死角」がヤバかった
「子供が熱を出したので障害者用スペースに停めたら、老夫婦に怒鳴られました。私が100%悪いですか?」質問に回答殺到!?「当たり前」「子供がいたら許されるの?」の声も…実際どちらが悪いのか
「財布を忘れて帰ろうとしたら、免許不携帯で捕まりました。今取りに帰るんですよ。私が悪いんですか?」質問に回答殺到!?「事実でしょ」「非常識」の声も…「うっかり」でも許されない理由とは
高速道路を使わないユーザーには無駄? 「三角表示板」がなぜか標準装備にならないワケ
「ヘッドライトが“まぶしい”んですけど、どうにかならないですか?」 困惑の声多数! あなたの行為「違反」かも? 「ハイビーム」の“落とし穴”とは
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
本文読んでません