日本に上陸したマクラーレンの新型「750S」は、あらゆる部分が凄かった! 実車を見た小川フミオが解説する。
ゼロヒャク、2.8秒
車名のとおり750馬力を誇る英国のスーパースポーツ(ハイパースポーツといったりもする)マクラーレンの750Sが、2023年8月2日に日本で初公開された。
3994ccV8ツインターボエンジンをミッドシップに搭載し、静止から100km/hまでをわずか2.8秒で加速する高性能を誇る。
マクラーレンにちょっと詳しいかただったら、車名とスタイルから、2022年末に“ディスコン(生産中止)”となった「720S」の後継モデルと想像つくはず。
スタイリングもシルエットは似ているし、前ヒンジで斜め上に跳ね上がって開く独特のデザインのドアも継承。ただしフロントノーズはよりカーブしているし、リヤまわりのデザインも変更されている。
全高が1196mmしかない低いボディに対して、大径ホイールと薄いタイヤの組合せは、存在感をことさら強調。これもいかにも走りがよさそうな印象を与える。
今回は、クーペとスパイダーが同時に発表された。お披露目で見られたのは、クーペのみだけれど。
「マクラーレン史上もっとも軽量」と、謳うように、ボディ、サスペンションシステム、ブレーキなど、手を入れられるところはすべて重量を削減。
くわえて、空力の見直しで、走行中のダウンフォースをより強く生み出すようにして、さらなる高速性を追求している。
静止から200km/hまでは7.2秒。300km/hまでも19.8秒と、ホントに「?」と、思わず確認したくなるような驚くべき加速力なのだ。
「720Sの発展形ですが、構成部品を30%入れ替え、はたして、自社製品としておなじ“スーパーカーズ”カテゴリーに属する『アルトゥーラ』を性能で上まわります」
東京・台場でジャーナリストに向けて750Sをお披露目したとき、英国から訪日したプロダクトマネージャーのシェーン・ハーマンは、誇らしげに説明した。
パワーは車名からわかるとおり、30psあがって750ps(552kW)に、最大トルクは30Nm増えて800Nm。さきに引用した加速の数値とともに、このクルマのすごさを物語っている。
それだけでない。「100以上の変更をくわえました」(ハーマン)という。
例にあげられたのは下記のとおり。前後サスペンションのスプリングレート(前を3%ソフトに、リヤを4%ハードに)、サスペンションストラットの改良、サスペンションジオメトリーの改良、ステアリングシステムの改良、それにブレーキシステム全般だ。
段差を超えるときフロントを持ち上げるリフトシステムの作動は、720Sでは10秒かかったところ、750Sでは4秒に短縮された。これもユーザーには大きなメリットのはず。
一部の報道によると、足まわりの設定がより見直された結果、ハンドルを通してドライバーへ伝わるインフォメーションがぐっと増えて、センシブルになっているとか。事実だったら朗報だ。
インテリアも進化マクラーレンは、いまトビアス・スルマンという直近ではベントレーで働いていたドイツ人を、チーフデザインオフィサーに迎えたところ。
2022年4月には、フェラーリでエンジニアリングのトップだったドイツ人、ミシャエル・ライタースをチーフエグゼクティブオフィサーに迎えたばかり。
前記のスルマンは、アストンマーティンやブガッティで働いたこともあるといい、CEOといい、世界屈指のスーパーカーブランド経験者を集めているのだ。
750Sの造型は、まだ前任のロブ・メルビル時代の“自然の造型からインスピレーションを得る”といったデザインテーマが採用されている。オーガニックな美が極まるのは、リヤビューだ。
軽量化とエンジンルームの熱抜きのためにパンチングされた金属板が、まるで有機生命体を思わせるカーブで造型され、それがリヤセクションに広く採用されている。
“超”をつけたくなるほど個性的なリヤビューで、マクラーレンの審美観が好きなひとなら、これを見ただけで、一発でヤラれるはずだ。
インテリアは事務的というか機能的だ。「解像度がアップした」(ハーマン)という7インチのモニターでさまざまなコントロールをおこなうのは、720Sと同様の考えかただ。シートやダッシュボードの一部にはボディ同色が使われ、これがまた気分を沸き立たせる。
もうひとつ、さきのハーマンが強調していたのが、サウンド。「エグゾースト音を楽しんでもらうよう、作りこみました」というだけあって、中域と高域がまざった、品よく迫力を感じさせるエグゾースト音が楽しめるという。
価格は、750Sクーペが3930万円、750Sスパイダーが4300万円。2023年分はすでにすべて完売済みであるが、2024年の受注分には間に合うそうだ。急げ、って軽く言えるようなクルマではないけれど、興味ぶかい新車であることは事実だ。
文・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.) 編集・稲垣邦康(GQ)
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