ランボルギーニ初の量産ハイブリッドモデルの構想
text:James Attwood(ジェームズ・アトウッド)
【画像】ランボルギーニ シアンFKP37、テルツォ・ミレニオ・コンセプトカー【比べる】 全80枚
ランボルギーニ初の量産ハイブリッドモデルは、先駆的な電動技術、軽量スーパーキャパシタ、電気エネルギーを蓄えることのできるカーボンファイバー・ボディに注力したものとなりそうだ。
ランボルギーニはマサチューセッツ工科大学(MIT)と協力して、スーパーキャパシタのエネルギー貯蔵と、新しい材料にエネルギーを貯蔵する方法に焦点を当てた、多くの研究プロジェクトを行っている。
ランボルギーニのR&Dプロジェクト管理責任者であるリカルド・ベッティーニは、電気が将来のエネルギーとなることは明らかだが、現在のリチウムイオン・バッテリーは重く、現時点ではランボルギーニにとって最善の選択肢ではないと述べている。
また、「ランボルギーニはつねに、軽さ、パフォーマンス、楽しさ、ドライブする感覚を大切にしてきました。未来のスーパースポーツカーでもそれは同じです」と付け加えた。
スーパーキャパシタ
スーパーキャパシタの技術は、2017年のテルツォ・ミレニオ・コンセプトカーですでに発表されいて、近日、限定発売予定のシアンFKP37に搭載される。
シアンFKP37は、6.5L V12エンジンと、ギアボックスに組み込まれた48V電動モーターを搭載していて、合計最高出力は819ps。
34psを生成する電動モーターの重量は34kgで、モーターを駆動する電気は、スーパーキャパシタに蓄えられる。
同等サイズのリチウムイオン・バッテリーよりも充電が3倍速く、より多くのエネルギーを蓄えることができる。
シアンFKP37で使用されているスーパーキャパシタは、比較的小さいが、ランボルギーニとMITは、より強力な次世代スーパーキャパシタの「技術的基盤」として使用できる新しい合成材料の特許を取得している。
ベッティーニはAUTOCARに対し、生産までには「少なくとも2、3年」の技術研究が必要だが、スーパーキャパシタはランボルギーニにとって「EV化への最初のステップ」であると語った。
カーボンファイバーの研究と音へのこだわり
ランボルギーニとMITはまた、エネルギー貯蔵のために合成材料を注入した、カーボンファイバーの表面の利用方法を研究している。
「エネルギーを得て使用する過程をより早くできれば、クルマはより軽量になります。ボディにエネルギーを蓄え、バッテリーとして使うこともできる。重量を節約できるということです」とベッティーニは語る。
V10とV12のエンジン音を、ドライブする感覚を味わうための大切な要素と考えてきたランボルギーニは、EV用のサウンドの開発研究にも取り組んでいる。
「プロのドライバーに協力してもらい、シュミレーターのサウンドをオフにしてテストを行いました」
「サウンドを止めると、ドライブをしている感覚がうすくなることが、脳波からわかります。ドライブする感覚と楽しさを維持できるよう、ランボルギーニの音を見つけなければなりません」と、ベッティーニは言う。
ランボルギーニ初のフルEVについて
ランボルギーニ初のフルEVについて、ベッティーニは、まだ「ランボルギーニのDNAとエモーションをどのように維持するか」について検討している段階で、2030年を目標としていると述べている。
一方で、2025年前後に発表予定の4人乗りグランドツアラーの生産ラインを、完全にEVモデル用とすることを検討しているとの情報もある。
また、ポルシェ・カイエンに搭載されているパワートレインを使用して、ランボルギーニ・ウルスのプラグイン・ハイブリッド・バージョンが生産される可能性も拭いきれない。
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