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【タフトのマルとバツ】新型タフト、重要な荷室&シートアレンジが不満!? 充実装備はマル

掲載 更新 46
【タフトのマルとバツ】新型タフト、重要な荷室&シートアレンジが不満!? 充実装備はマル

タフトのマル 各種の装備を充実

text:Yoichiro Watanabe(渡辺陽一郎)

【画像】あなたなら、タフト? ハスラー?【詳細比較】 全227枚

タフトの一番のメリットは、価格の割に各種の装備を充実させたことだ。

最もわかりやすいセールスポイントは、ガラスルーフのスカイフィールトップをX、G、Gターボの全グレードに標準装着したことだろう。

スーパーUV&IRカット機能も備わる。

全車に標準装着した背景にはコスト低減もある。オプション設定では非装着車も用意するから、2種類のルーフが必要だ。

開発と製造の両面でコストが高まり、オプション価格は6~10万円に達する。その点で全車に標準装着すれば、量産効果で割安に装着できる。

前輪駆動の2WD・Xは、スカイフィールトップ、LEDヘッドランプ、衝突被害軽減ブレーキ、バックカメラなどを標準装着して、価格を135万3000円に抑えた。

進化した衝突被害軽減ブレーキも注目される。2個のカメラセンサーを刷新して、衝突被害軽減ブレーキの作動速度を高め、夜間の歩行者検知も可能にした。

ペダルの踏み間違い事故を防ぐ誤発進抑制機能は、前後両方向に対応してブレーキ制御も可能だ。

車線逸脱時には、警報だけでなくパワーステアリングを制御して逸脱を抑える効果も発揮され、白線のない道路でも機能する。

GとGターボにはアダプティブドライビングビームも採用され、ハイビームで走行中に対向車や先行車を検知すると、複数装着されたLEDのいくつかを遮光する。

ハイビーム状態を保ちながら、相手車両の眩惑を抑えることも可能だ。

パーキングブレーキは全車に電動式が備わりスイッチで操作できる。車間距離を自動制御可能な全車速追従型クルーズコントロールも採用した。

追従走行中に速度が下がって停車時間が長引いた時は、電動パーキングブレーキを自動的に作動させて追従停車を続けられる。

タフトのマル 最低地上高にも余裕

エンジンはノーマルタイプとターボを用意しており、実用回転域の駆動力を高めて燃費効率も追求した。

WLTCモード燃費は、2WDで見るとノーマルエンジンが20.5km/L、ターボは20.2km/Lだ。

ターボのCVT(無段変速AT)はD-CVTと呼ばれるギア駆動を併用するタイプで、駆動力の伝達効率を高めた。

そのために通常の加速力に影響する最大トルクは、ノーマルエンジンの1.7倍に相当する10.2kg-m/3600rpmだが、燃費数値はほとんど悪化しない。ターボ+D-CVTは効率が高い。

プラットフォームもタントと同じくDNGAの考え方に基づくタイプで設計が新しい。

最低地上高(路面とボディの最も低い部分との間隔)は、本格的なオフロードSUV並みの190mmを確保した。

悪路のデコボコを乗り越えやすく、駐車場と車道の間にある大きな段差を通過する時も、下まわりを擦りにくい。

タフトのバツ シートアレンジ

タフトは軽自動車サイズのSUVであると同時に、全高が1600mmを超える空間効率の優れたボディも備える。

車内は広く、子育て世代のユーザーも多い。そうなると居住空間や荷室の使い勝手を向上させるシートアレンジも大切だが、タフトは実に簡素だ。

まず後席が固定され、前後のスライド機能が装着されない。そのために前後席に座る乗員同士の間隔は900mmだ。

同じダイハツのムーヴにはスライド機能が備わり、後端まで寄せると1030mmに拡大する。

ライバル車のスズキ・ハスラーも後席がスライドして1035mmだから、タフトは100mm以上短く、後席の足元空間もムーヴやハスラーに比べて狭まった。

後席にチャイルドシートを装着した時は、ムーヴやハスラーであれば、前寄りにスライドさせられる。運転席に座る親との間隔が縮まり、信号待ちの時などに親が子供のケアをしやすい。

前寄りにスライドさせた後席の後ろ側には、相応に広い荷室ができるため、ベビーカーなども積みやすい。しかしタフトは後席がスライドしないから、このような使い方はできない。

スズキ・ハスラーの後席は……

ライバル、スズキ・ハスラーの後部座席は、スライド機能に加えて、背もたれを前側に倒すと座面も連動して下がってくれる。

背もたれを倒した時は、床の低い大容量の荷室になって荷物を積みやすいからありがたい。

しかも後席のスライドと、背もたれの前倒しで座面が昇降する機能は、両方とも左右独立式だ。

全高が1700mmを超えるスズキ・スペーシアやダイハツ・タントと同様のシートアレンジを可能にした。

タフトは遊びのツールとして使われるSUVの世界観を備えるから、シートアレンジも多彩にする必要がある。

タフトのバツ 4WDがシンプル

ダイハツ・タフトの4WDシステムはシンプルで、滑りやすい下り坂を安定して走破できるダウンヒルアシストコントロールなどは装着されない。

同じダイハツのキャスト・アクティバ4WDは、これらの機能を採用したが、先ごろ販売を終えた。

現時点で選べるキャストは都会的なスタイルのみだ。キャスト・アクティバの廃止を考えても、タフトはSUVの機能をさらに高めたいところ。

ハスラーの初代と2代目が登場した後で、タフトが発売されたことを考えると、SUVとしての機能については、後出しジャンケンで負けたことになってしまう。

誰にとって、タフトは買い得なのか

タフトのメリットは、装備を充実させて、割安に装着したことだ。

衝突被害軽減ブレーキは夜間の歩行者検知などが可能で、誤発進抑制機能にもブレーキ制御が備わる。

パーキングブレーキの電動化で、運転支援機能も向上した。夜間の視界確保に役立つアダプティブドライビングビームも採用する。

快適装備ではスカイフィールトップを全車に標準装着した。

その半面、シートアレンジや4WDの機能は、ハスラーやムーヴに見劣りする。

実用性を重視するファミリーユーザーが、ほかの背の高い軽自動車からタフトに乗り替える時は、荷室の使い勝手や悪路走破力を高める機能に注意したい。

これらの点を考慮すると、タフトには、装備を充実させたい2名乗車のユーザーがピッタリだ。

推奨グレードは、装備が最も充実した最上級のGターボ(160万6000円/2WD)になる。

ノーマルエンジンのGに比べると12万1000円高いが、Gターボには車間距離を自動制御できるクルーズコントロールとレーンキープコントロール(Gのオプション価格は4万4000円)も標準装着した。

高性能で燃費の優れたターボ+D-CVTが実質7万7000円で加わるから買い得感が強い。

タフトはメリットとデメリットがハッキリしているので、好みと用途に合わせて選びたい。

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みんなのコメント

46件
  • シートアレンジでダメなのはフルフラットにできないことでしょうか。
    これからコロナの時代、避難所で車中泊ができないのは厳しいだろう。
  • この車は4WDを選ばず、後席を活用しない人向けって事で
    タントやムーヴから乗り替える人は一気に不便になるので要注意って事ね
    最新のSUV型軽でこれはどうなの?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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