とどまるところをしらない破竹の勢いのスズキ。ジムニーの納車は発売から1年4ヵ月経ってもまだ1年待ち、さらに2020年12月下旬に発表、2020年1月に発売される2代目ハスラーも大ヒット間違いなしで、早くも納車は6ヵ月以上と言われている。
ダイハツはこの状況を黙って見ているのだろうか? 流通ジャーナリスト・遠藤徹氏が信頼できるダイハツ関係者から入手した情報によれば、ジムニーを追撃するべく対抗車を開発している、という。ダイハツは虎視眈々と、ジムニー追撃態勢を立てていたことが判明したのだ。
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その対抗車は、なんとテリオスキッド! ロッキーと同じく、かつて存在した軽SUVを復活させるというのだ。はたして、ジムニー対抗車、テリオスキッドはどんなクルマなのか、迫ってみたい。
文/遠藤徹
写真/ベストカーWEB編集部
【画像ギャラリー】懐かしのテリオスキッド&テリオスの詳細写真
キャストの3グレードを1グレードに整理!
2015年9月にアクティバ(右)とスタイル(中央)を発売、2019年10月末にスポーツ(左)がラインナップ。このうち、スタイルのみが生産継続
ダイハツは、同じ車種にアクティバ、スタイル、スポーツというタイプの違う3グレードをラインアップし、爆発的にヒットしていたハスラーを追い落とそうとしたが、残念ながら失敗。
この2019年末に、キャストのアクティバ&スポーツを生産中止し、キャストスタイルのみを継続生産・販売とすることを傘下販売店に伝えている。
なぜキャストスタイル1グレードだけを残し、ほかは廃止するのか? アクティバ&スポーツの後継モデルとして2020年5月頃にも本格的な新型SUVを発売するから、キャストを整理したというのだ。
この情報は、信頼できるダイハツ関係者から聞いたのだが、別のダイハツ関係者から聞いた有力情報と合わせて紹介していこう。
キャストアクティバ&スポーツをなぜ生産中止することに対しては、首都圏ダイハツ店営業担当者は、
「キャストアクティバ&スポーツはSUVテイストのコンセプトだが、5ドアハッチバックの乗用車寄りの仕立てであり、中途半端な作りのためか、あまり売れ行きがよくないのが実情です。発売後4年が経過するので、これを機会に本格的な新型軽SUVを投入すべく開発を進めると本社から聞いています」とコメント。
ジムニーの対抗車種としてテリオスキッドが復活
テリオスキッドは1998年10月発売され、2012年6月に販売終了。ボディサイズは全長3395×全幅1475×全高1675~1740mm、ホイールベースは2420mm
新型の軽自動車SUVは、オフロード色の強いスズキジムニー&ジムニーシエラの対抗モデルで、最低地上高を200mm以上に引き上げ、全高も1700mm以上と高めにとった角張ったジープ的な3ドアボディとなるようだ。
かつてダイハツは1998年10月から2012年6月まで軽SUV、テリオスキッドを生産・販売していたが、新型プラットフォームDNGAを使い、タント、ロッキーに続くDNGA第三弾としてテリオスキッドを登場させるという。
ちなみに登録車のテリオスは1997年4月に発売されたが、2005年11月に販売終了。
このテリオスの後継車として、2006年1月にラッシュ&ビーゴが発売されたが、2016年に3月に販売終了。このラッシュ&ビーゴの間接的な後継車がロッキー&ライズとなっている。
登録車のテリオスは1997年4月に発売され、2005年11月に生産終了。2016年1月に発売されたラッシュ(トヨタ)&ビーゴ(ダイハツ)が後継車となる。 テリオスのボディサイズは全長3785~3865×全幅1555×全高1675~1760mm、ホイールベースは2420mm。搭載されたエンジンは1.3L、直4、1.3L、直4ターボ
先代テリオスキッドの4WDシステムは、軽自動車唯一のセンターデフ付きのフルタイム4WD(オールタイム/マルチセレクト4WD)を採用していたが、新型テリオスキッドはウエイクなどに採用されている、ビスカスカップリング式のフルタイム4WDが装着されるという。
さらに、スズキハスラーの対抗モデルも検討しているという。最低地上高は180mm程度、全高は1650mm近辺とオフロードSUVよりも50mm低い。こちらのボディシェルは多少丸みを持たせた5ドアハッチバックのレイアウトを採用する。
パワーユニットは660ccのNA、ターボで、駆動方式は2WD、4WD、トランスミッションはCVTとの組み合わせとなる。プラットフォームは当然、DNGAを採用し、パワーユニット、足回り、駆動系、トランスミッションなどの基本コンポーネントは、全面刷新した現行タントがベースとなっている。
ラダーフレームではなくモノコックボディを採用するテリオスキッド
本格的なラダーフレームを採用するジムニー
ジムニー&ジムニーシエラはアンダーボディの骨格をラダーフレーム構造としているのに対してハスラーはモノコック構造を採用している。
一方ダイハツはモノコックボディしか持っていないが、新型テリオスキッドを開発するにあたり、ラダーフレーム構造をコスト面からいっても採用するとは考えづらい。
まだエクステリアデザインは判明していないが、おそらくロッキー&ライズのような、モダンかつオフロード4WDらしい角ばったデザインになる可能性が高い。
いずれにしても、スズキの独走をダイハツが黙ってみているわけではない、という状況がはっきりした。
新型テリオスキッドのデビュー予想時期は2020年5月頃、新しい情報が入り次第、順次紹介していくので期待して待っていよう。
2代目ハスラーは2019年末に発表され、2020年1月に発売される見込み。ダイハツはハスラーの独走態勢を今後も許すのか?
■証言1:首都圏ダイハツ店店長
「キャストは、スタイルだけを残し、アクティバとスポーツが今年いっぱいで生産中止するとメーカーからの報告を受けています。
早ければ来春にも発売する後継モデルに引き継ぐようですが、詳細はまだ分かりません。
現行キャストアクティバはSUVテイストの5ドアハッチバックのレイアウトやデザインを採用しているが、乗用車的ボディシェルで中途半端なコンセプトのためにあまり売れていません。
特にSUVテイストのキャストアクティバは、ハスラーのライバルとして期待していましたがさっぱり。うちにもジムニーのような軽SUVは、喉から手が出るほどほしいですね。
本社営業部はスズキのハスラーのようにもっと明確なSUVらしさのあるボディシェルやデザイン、装備で仕立てれば売れるとの判断があるようです。こちらも早く考えてほしいです。
ロッキーのようにテリオスキッドやテリオスのブランドが復活する可能性が高いと思います」。
■証言2:首都圏ダイハツ店営業担当者
「キャストアクティバは発売後4年以上が経過してあまり売れていないので、生産中止し後継モデルに引き継ぐと聞いています。
現行モデルはすでにオーダーストップになり、在庫一掃セールに入っているので、ほとんどのグレードが売りつくしている状況にあります。スズキさんのハスラーやジムニーが大ヒット作になり、納車が1年待ちという状況を聞いていますが、悔しくてたまりません。
早くジムニー、ハスラーの対抗車を出してほしいというお客様からの声も多いので、テリオスキッドは早く出してほしいですね」。
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みんなのコメント
ジムニーを購入する人は、その普段使いの快適性を犠牲にして得た、卓越したオフロード性能で決めた人。
そういう人がこの車と悩むでしょうか?
ラダーフレームの本格クロカン車のジムニーを買おうとする人が、モノコックフレームの見た目だけクロカンのテリオスキッドを買うとは思えません。
スズキ車への対抗という意味なら、相手は同じ見た目クロカンのハスラーでしょうね。
もちろんテリオスキッドの持つ良さはちゃんとあると思います。
「なぜ売れているのか?」をもう少し考察するべきです。ダイハツお得意の
「なんちゃって」では売れませんよ。消費者は馬鹿ではないですから。
ジムニーが売れているのは、それが「ホンモノ」だからです。もしかしたら
市街地しか走らないかもしれないけど、ホンモノを持つ喜びがある。
乗り心地悪いのは、ほかのクルマなら許さないけど、ジムニーなら許せる。
レザーマンのナイフは重くて、使いづらいけど、支持されるのと同じ。
海外では、もはやオンリーワンの地位を確立してます。ダイハツは、この
「ホンモノ」を作れるのか?過去にラガーで大失敗しているのに。
ハスラーもスズキらしいエポックメーキングなクルマです。イメージタレントに
ももクロ起用して、やはりオンリーワンを謳っています。ダイハツは得意なクルマ
に資本を注入すべきです。無駄な戦を仕掛けて、痛い目に遭うのは消費者です。