現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > ノイズと乗り心地が惜しい マツダCX-60 3.3 e-スカイアクティブDへ英国試乗 操舵性は◎

ここから本文です

ノイズと乗り心地が惜しい マツダCX-60 3.3 e-スカイアクティブDへ英国試乗 操舵性は◎

掲載 109
ノイズと乗り心地が惜しい マツダCX-60 3.3 e-スカイアクティブDへ英国試乗 操舵性は◎

56.0kg-mのトルクを実現しつつ、燃費は19.2km/L

マツダには変わって欲しくない。小さく軽いMX-5(ロードスター)で絶滅しかけていた2シーター・オープンを救い、ロータリーエンジンを積んだグループCマシンでル・マン24時間レースでの優勝を掴んだ、大きな功績を残す自動車メーカーだ。

【画像】トルクと操舵性は◎ マツダCX-60 3.3 e-スカイアクティブD 競合クラスのSUVと比較 全121枚

2023年もマツダは果敢に挑戦を続けている。多くの自動車メーカーがダウンサイジング化を図り、電動化技術を積極的に採用している。しかし、新しいCX-60に搭載されるのは、3.3Lという大排気量の直列6気筒ディーゼルターボだ。ハイブリッドではあるが。

近年では珍しい新開発パワートレインといえるが、マツダは明確な理由を掲げて提供している。周囲には流されないという、同社独自のマインドもあるとはいえ。

その1つは、CX-60が販売されるのは欧州市場だけでないこと。世界の地域や国で、自動車に掛けられている規制は異なるためだ。

加えて、3.3L 6気筒ディーゼルターボは2.0L 4気筒と同等以上の仕事をこなせつつ、日常的な利用環境では負荷を抑えられ、温度を低く留めておけるという。つまり燃費を伸ばせるのだ。

高度なピストン設計と圧縮着火技術を採用することで、熱効率は40%を超えるとマツダは主張する。実際、56.0kg-mという太いトルクを実現しつつ、19.2km/Lの燃費を達成している。

走行時のCO2の排出量も、139g/kmと褒められる。車重が1950kgもある、大きなSUVでありながら。

良好なシャシーバランスとステアリング

ちなみに、アルファ・ロメオ・ステルヴィオが搭載する2.2L 4気筒ディーゼルの場合、燃費は約15%低く、CO2の排出量は20g/kmほど多い。それでいて、最大トルクでは届いていない。この関係性は、BMW X3の4気筒ディーゼルでも変わらない。

理論上は、マツダの主張を理解できる。ただし、すべてが優位というわけではない。特に気になるのが冷間時のマナー。エンジンが温まるまでは、数世代前の大型バスのようにカラカラとうるさい。

内部温度が上昇すると、ボリュームは小さくなる。流れの速い英国郊外の道で太いトルクを放てば、ゆとりあるたくましさで豊かな気持ちになれる。それでも、BMWの洗練されたユニットでは聞こえてこない、ディーゼルらしいノイズが車内へ響いてくる。

オプションをいくつか選ぶと、英国価格が5万ポンド(約805万円)を超えてしまうSUVだと考えれば、走行時の洗練性にはもう少しを求めたい。ロードノイズなどは適度に遮断できているのだが。

そのかわり、シャシーのバランスとステアリングホイールの感触が補う。このクラスとしては優れており、マツダらしい特性だと思う。郊外の道をハイペースで流したとき、CX-60以上に滑らかにラインを縫える競合モデルは少ない。

低回転域でのノイズと乗り心地が惜しい

冷間時は荒々しいノイズを聞かせる6気筒ディーゼルながら、走り出せば4500rpmまで軽快に回転する点は好ましい。驚くほどパワフルでもあり、右足を操ることを楽しく感じさせてくれる。最高出力は253psがうたわれる。

トルクコンバーターではなく2枚の湿式クラッチを採用した8速オートマティックは、しっかり仕事をこなす。滑らかな走りをバックアップするように。

開発中だというガソリンエンジン仕様のCX-60なら、一層好印象なのかもしれない。だとしても、ディーゼルエンジンの低回転域でのマナーは残念でならない。

サスペンションは、コイルスプリングとアダプティブではない通常のダンパーという組み合わせ。BMWやアウディの同クラスのSUVと乗り比べると、乗り心地は褒めにくいだろう。特に市街地などの条件では、穏やかさに欠けるようだ。

リアアクスル側の制御や精度も、ドイツのライバルには迫れていない。SUVには余り求められない部分だとはいえ、CX-60の能力を発揮させようとすれば、自ずと関わってくる。乗り心地や操縦性のバランスにも、改善の余地はあるといえる。

聴覚的な部分を補えないとしても、インテリアには上質な素材が多用され、居心地が良い。滑らかな道を静かに走る場面が多く、燃費が良いディーゼルターボのSUVをお探しなら、CX-60は検討する価値がある。見た目もハンサムだと思う。

マツダCX-60 3.3 e-スカイアクティブD AWD(英国仕様)のスペック

英国価格:4万8835ポンド(約786万円)
全長:4745mm
全幅:1890mm
全高:1680mm
最高速度:218km/h
0-100km/h加速:7.4秒
燃費:19.2km/L
CO2排出量:139g/km
車両重量:1950kg
パワートレイン:直列6気筒3283ccターボチャージャー+ISG
使用燃料:軽油
最高出力:253ps/3750rpm
最大トルク:56.0kg-m/1500-2400rpm
ギアボックス:8速オートマティック

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

人生上りの車にホンダ「NSX」を購入! 愛車になってから9年、すでに10万キロ走破…夫婦での遠出ドライブが増えました
人生上りの車にホンダ「NSX」を購入! 愛車になってから9年、すでに10万キロ走破…夫婦での遠出ドライブが増えました
Auto Messe Web
ボルボならではの先進デザインとサスティナビリティへの対応が評価ポイント。ル・ボラン編集部が選ぶ! 「EVアワード」ボルボEX30
ボルボならではの先進デザインとサスティナビリティへの対応が評価ポイント。ル・ボラン編集部が選ぶ! 「EVアワード」ボルボEX30
LE VOLANT CARSMEET WEB
ハミルトン、”新チームメイト”ルクレールの献身に感銘「まさしく彼は”ミスター・フェラーリ”だ!」
ハミルトン、”新チームメイト”ルクレールの献身に感銘「まさしく彼は”ミスター・フェラーリ”だ!」
motorsport.com 日本版
アストンマーティン”勝てる”チームへ……最新の自社風洞が稼働開始「チャンピオン獲得に挑む上で重要な一歩」
アストンマーティン”勝てる”チームへ……最新の自社風洞が稼働開始「チャンピオン獲得に挑む上で重要な一歩」
motorsport.com 日本版
軽の「黄色いナンバー」を「普通の“白い”ナンバー」に変えられる!? 「黄色は恥ずかしい…」「むしろかわいい」意見も? 軽専用の「目立つナンバー」に反響あり
軽の「黄色いナンバー」を「普通の“白い”ナンバー」に変えられる!? 「黄色は恥ずかしい…」「むしろかわいい」意見も? 軽専用の「目立つナンバー」に反響あり
くるまのニュース
アウディ最新BEV「A6 e-tron」国内初披露! 日本導入に先駆けてAudi City銀座で期間限定公開中【新車ニュース】
アウディ最新BEV「A6 e-tron」国内初披露! 日本導入に先駆けてAudi City銀座で期間限定公開中【新車ニュース】
くるくら
電費の良さと後輪駆動なのに走破性の高いところが魅力。 ル・ボラン編集部が選ぶ「EVアワード」フォルクスワーゲンID.4
電費の良さと後輪駆動なのに走破性の高いところが魅力。 ル・ボラン編集部が選ぶ「EVアワード」フォルクスワーゲンID.4
LE VOLANT CARSMEET WEB
今年も来ちゃった「花粉」の季節⋯⋯ 花粉症ライダーの強い味方「バイク用ゴーグル」とは?
今年も来ちゃった「花粉」の季節⋯⋯ 花粉症ライダーの強い味方「バイク用ゴーグル」とは?
バイクのニュース
若者はどうして行動を起こせないのか? 新米のら猫コンサルが見た自動車ディーラー「若者のリアル」(11)
若者はどうして行動を起こせないのか? 新米のら猫コンサルが見た自動車ディーラー「若者のリアル」(11)
日刊自動車新聞
レーシングブルズ角田裕毅、コンビ組むF1新人ハジャーの指南役に「困っていたら助けたい」先輩ガスリーからの学びが活きる?
レーシングブルズ角田裕毅、コンビ組むF1新人ハジャーの指南役に「困っていたら助けたい」先輩ガスリーからの学びが活きる?
motorsport.com 日本版
2025年春闘“泣き笑い”、トヨタ・マツダ・いすゞ「満額」、日産・ホンダ・三菱自「要求割れ」、スズキは「要求超え」の回答[新聞ウォッチ]
2025年春闘“泣き笑い”、トヨタ・マツダ・いすゞ「満額」、日産・ホンダ・三菱自「要求割れ」、スズキは「要求超え」の回答[新聞ウォッチ]
レスポンス
チャレンジャー復活なら24年ぶり...三菱『パジェロスポーツ』次期型を目撃!日本導入は?
チャレンジャー復活なら24年ぶり...三菱『パジェロスポーツ』次期型を目撃!日本導入は?
レスポンス
F1タイトル挑戦狙うノリス、”最も難しい対戦相手”フェルスタッペン対峙で得た教訓胸に開幕戦へ「昨年の僕では不十分だった」
F1タイトル挑戦狙うノリス、”最も難しい対戦相手”フェルスタッペン対峙で得た教訓胸に開幕戦へ「昨年の僕では不十分だった」
motorsport.com 日本版
ガソリン1Lで「約42km」走れる! ヤマハが新「スポーツスクーター」発表! パワフルな「250ccエンジン」搭載&“軽量化”で進化した新「XMAX」発売へ!
ガソリン1Lで「約42km」走れる! ヤマハが新「スポーツスクーター」発表! パワフルな「250ccエンジン」搭載&“軽量化”で進化した新「XMAX」発売へ!
くるまのニュース
驚異の全高1.8m超! ダイハツの「軽スーパーハイトワゴン」なぜイマイチ売れなかった? 広大な室内で車中泊も可能!? 「ウェイク」が終了した意外な理由とは
驚異の全高1.8m超! ダイハツの「軽スーパーハイトワゴン」なぜイマイチ売れなかった? 広大な室内で車中泊も可能!? 「ウェイク」が終了した意外な理由とは
くるまのニュース
マツダ『CX-80』、安全性能でJNCAP最高評価
マツダ『CX-80』、安全性能でJNCAP最高評価
レスポンス
ジェントルな走りとスポーティネスを高次元で両立。ル・ボラン編集部が選ぶ! 「EVアワード」BMW i5
ジェントルな走りとスポーティネスを高次元で両立。ル・ボラン編集部が選ぶ! 「EVアワード」BMW i5
LE VOLANT CARSMEET WEB
トヨタ、欧州でEVラインアップを拡充 2026年までにトヨタ・レクサスで9車種投入
トヨタ、欧州でEVラインアップを拡充 2026年までにトヨタ・レクサスで9車種投入
日刊自動車新聞

みんなのコメント

109件
  • >圧縮着火技術を採用することで、熱効率は40%を超えるとマツダは主張する。

    ディーゼルエンジンは昔々から圧縮着火ですよ
  • 御託はいいからもう少し完成度上げてから市場投入しましょう。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

326 . 7万円 567 . 1万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

244 . 9万円 572 . 5万円

中古車を検索
マツダ CX-60の買取価格・査定相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

326 . 7万円 567 . 1万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

244 . 9万円 572 . 5万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村