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ホンダの歴代ハッチバックモデルを振り返る!

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ホンダの歴代ハッチバックモデルを振り返る!

 この記事をまとめると

■ホンダの歴代ハッチバックモデルを紹介

「一発屋王国」なんて言われるホンダにも「長寿車」はある! 息の長いモデルTOP5

■マイナーモデルまでピックアップ

■他社モデルとはひと味違うクルマが多かった

 他社とは違う魅力を持っているホンダのハッチバックモデル

 いまやホンダの屋台骨を支えるモデルといえばN-BOXですが、振り返るとフィットをはじめシビックやシティなど、その当時の売れ筋モデルは普通車のハッチバックでした。

 しかもホンダのハッチバックは他社モデルとはひと味違うクルマが多かったように思えます。

 今回はそんなホンダ製ハッチバックを取り上げます。メジャーな車種はもちろん、「こんなモデルあったかな?」と思うようなマイナーモデルまでピックアップしました。

 歴代ホンダのハッチバック

 シビック

 ホンダのハッチバックと聞いてシビックをイメージする人は多いことでしょう。CVCCエンジンでアメリカの排ガス規制を世界で初めて乗り切った初代から現行モデルとなる11代目まで、歴代モデルにはもれなくハッチバックがラインアップされています。

 数多くの歴代モデルを有しているシビックは、ファンにとってお気に入りのモデルがそれぞれ違っているのも特徴。初めてVTECエンジンを搭載した4代目、タイプRを初めて設定した6代目などなど人により思い出のシビックは異なってくるのでしょうが、今回ピックアップしたいのが1983年に登場した3代目。

「ワンダーシビック」と呼ばれた3代目は4ドアセダン、5ドアのシャトルとともに3ドアハッチバックをラインアップ。従来の小型ハッチバック車とは異なり、ロングルーフのスタリッシュなフォルムを採用したことで大きな話題を呼びました。

 セダンやシャトルと違い、3ドアハッチバックは数々のホットハッチに対抗するスポーティモデルの役割も担っていましたが、当時はターボ車全盛時代。デビュー時に搭載していた1.5リッター直4NAエンジンではライバルの動力性能に押されていきます。

 そこで1984年に登場したのが1.6リッター直4DOHCエンジンを搭載したスポーツモデルのSi。最高出力135馬力を発揮するZC型エンジンを搭載したSiはターボエンジンを搭載するライバルを圧倒。4A-G型1.6リッター直4DOHCエンジンを搭載するトヨタ・レビン/トレノらとともに、クラス最強のポテンシャルを見せつけました。

 シティ

 シティはシビックの下に位置するコンパクトカーで初代は1980年、2代目が1986年に発売されています。

 一部ファンからは軽量ボディで旋回性に優れたことで「ジムカーナの申し子」と評された2代目の印象が強いかもしれませんが、やはりシティと聞いて多くの人がイメージするのは初代でしょう。

 初代をひと言で表すと「個性のかたまり」。シビック同様、メカニズムをコンパクトにキャビンスペースを広く取る「MM思想」を取り入れつつ、さらに当時としては他に類を見ないほど背を高くしたトールボーイスタイルを採用。軽自動車より少し大きいだけのボディにもかかわらず、頭上空間や足元空間に余裕がある広い室内空間を実現しました。

 また初代は実用性に優れていただけでなく、多彩なラインアップを誇っていたことも特徴です。デビュー後、さらにルーフを高くしたハイルーフやカブリオレ、また当時、各社が力を入れていたホットハッチ市場に向けてスポーティ仕様も投入したのです。

 1982年9月に追加されたシティーターボがまさにそれ。1.2リッター直4エンジンにターボを装備したことで最高出力100馬力を発揮したシティターボはベビーギャングとも称されました。

 また1983年11月にはブリスターフェンダーを身にまとい、インタークーラーターボを装着したターボIIを発売。最高出力が110馬力まで高められるとともに足回りも強化されています。

 強烈な個性を放った初代シティですが、ロー&ワイドスタイルとなった2代目にバトンタッチしたあとは徐々に販売が低迷。国内でシティの名が付くモデルは廃止され、現在同車名は東南アジア向けのセダンが受け継いでいます。

 アコード

 いまやアコードといえばセダンをイメージする人が圧倒的に多いでしょう。ただ、そんなアコードも1976年の初代デビュー時は3ドアハッチバックがまず販売されています。

 初代はデビュー後、セダンを追加して1981年に2代目へフルモデルチェンジ。2代目も3ドアハッチバックとセダンを用意し、1983年のマイナーチェンジでハッチバックはスポーティなスラントノーズへ意匠チェンジされました。

 ステーションワゴンを除く純粋なハッチバックがラインアップされた最後のモデルとなるのが、1985年に登場した3代目。FF車としては世界初となる四輪ダブルウィッシュボーン式サスペンションやリトラクタブル・ヘッドライトを採用するなど個性的な3代目に用意されたハッチバックは、エアロデッキと呼ばれた3ドアハッチバック。

 3代目シビック3ドアハッチバックの拡大版というかスポーツワゴンというべきか、ロングルーフフォルムを採用したエアロデッキはとにかく斬新なモデルでした。

 このエアロデッキは販売的に成功しませんでしたが、斬新な見た目からアパレル業界などおしゃれをウリにする業種の運搬用途で使用されることも多かったようです。

 エアロデッキを最後にアコードはハッチバックを用意せず、4~8代目まではステーションワゴンをラインアップしました。ただ、北米や日本市場でステーションワゴンの人気がなくなった現在、アコードは4ドアセダンのみが販売されています。

 インテグラ

 1980年、シビックとアコードの間を埋める5ドアハッチバックのクイントが発売されましたが見た目もコンセプトもあまりに没個性だったことで販売が低迷。その状況を打破すべく、思いっきりスポーティなイメージに振ったハッチバックモデルに生まれ変わって登場したのがクイント・インテグラです。

 1985年にデビューした同車はまず3ドアハッチバックが登場。ロングルーフを採用した3代目シビックとは違い、スタイリッシュでスポーティなクーペフォルムを身につけた3ドアハッチバックは登場後、すぐに人気車種となりました。その後、5ドアハッチバック、さらに4ドアセダンがラインアップされています。

 クイント・インテグラは見た目だけがスポーティなわけでなく、パワーユニットもパワフルな1.6リッター直4&1.5リッター直4と2つのDOHCエンジンを搭載。クラス最強の走行性能を備えていました。

 同車はフルモデルチェンジを受け、1989年にはサブネームが廃止されてインテグラとなった後継モデルが登場。4代目シビックをベースに開発されたインテグラのウリは、なんといってもVTECエンジンを搭載したことでしょう。

 バルブの開閉タイミングやリフト量を回転数に応じて可変式とした1.6リッター直4DOHCエンジンは、自然吸気ながらリッター100馬力(最高出力160馬力)を達成。このエンジンを最初に搭載したのがインテグラだったのです。

 インテグラは1993年、2001年とフルモデルチェンジされて新型が登場していますが、いずれもVTECエンジンを搭載。1995年にはインテグラに初となるタイプRが設定されています。

 個性的なモデルが多数!

 コンチェルト

 シビックの上級モデルとして1986年に登場したコンチェルト。当時、ホンダが提携していたローバーと共同開発したことが話題を呼んだクルマです。

 ちなみにローバーからは200シリーズや400シリーズとして同車が販売されていました。

 コンチェルトと聞いてセダンを連想する方も多いかもしれませんが、4ドアセダンとともに5ドアハッチバックも用意されていました。

 シビックをベースとしながらも室内には木目調パネルや本革シートが配されるなど、小さな高級車を目指して開発。全高が低いモデルが主流だった当時のホンダ車とは違い、1395mmと比較的背が高く仕立てられていたことも特徴といえるでしょう。

 発売当時はバブル経済真っ只中。小さな高級車ではなく大きな高級車がバンバン売れていた時代だったこともあり、コンチェルトは1代で廃止されてしまいます。

 なお、後継モデルとなるドマーニに、ハッチバックは用意されませんでした。

 アヴァンシア

 いまやセダンとともに国内ではすっかり人気を失ってしまったステーションワゴン。ただ、1989年にデビューした初代レガシィツーリングワゴンの登場をきっかけに、1990年代は国内でステーションワゴンブームが巻き起こっていました。

 その波に乗るべく新世代のステーションワゴンとして1999年に登場したのがアヴァンシアです。

 ステーションワゴンではなく「4ドアクラブデッキ」とホンダが呼ぶアヴァンシアは、先に紹介したアコード・エアロデッキの再来ともいえるスタイリングを採用。エアロデッキとは異なり5ドアハッチバックとなりますが、多くの人がその当時、「エアロデッキの生まれ変わり」との印象を持っていました。

 その当時はいまより「ホンダ車=スポーティ」とのイメージが強かった時代でしたが、アヴァンシアはスポーティというよりラグジュアリーな雰囲気が漂う、ある種、異質なホンダ車でした。インテリアもバタ臭さ(死語)満載。好きな人にはたまらないムードを備えたハッチバックでした。

 ただ、そこまで好きになってくれる人が多くなく、販売は低迷。2001年のマイナーチェンジでは足回りなどに専用チューニングを施したスポーツグレードを設定するなど、コンセプトがぶれまくります。

 その結果、残念なことにアヴァンシアも1代限りでブランドが消滅してしまいました。

 エディックス

 個人的なイメージですが、ハッチバックを備えているもののミニバンは「ハッチバック車」と違うように思えます。ただ、2004年に登場したエディックスは別。セグメント的にミニバンに属するのでしょうが、変わり種ハッチバック車と位置づけたいクルマです。

 エディックスとはミニバンのストリームをベースに、1列目シートに3人、2列目シートにも3人乗車可能な3(人)×2(列)レイアウトを採用したコンパクトミニバン。3列シートを備えるミニバンと比べて全長を短くできるメリットを有しています。

 このレイアウトはすでにフィアット・ムルティプラが採用していましたが、エディックスは国内での使用を考えて全幅を1795mm(ムルティプラは1875mm)に押さえていました。

 当然、横並びで3人乗車は大人だと辛いのですが、そこはホンダ。1列目、2列目それぞれの中央席はスライドが可能なV字パッケージを採用したことで、大人6名乗車でも無理なく乗車ができました。

 いま考えてもなかなか革新的だったシートレイアウトを備えていたエディックスですが、3列シートを備えたミニバンと比べてユーティリティ性能が劣ったからなのか人気を得ることができず、アヴァンシア同様、マイナーチェンジでスポーティグレードを追加するなどしましたが不発。このクルマも1代限りでブランドが消滅してしまいます。

 まとめ

 ホンダが発売してきたハッチバックを振り返ると、やはり個性的なモデルが多いことがわかります。

 ただ個性が強すぎて残念な結果に終わるモデルも少なくありませんでした。とはいえ、そんなチャレンジを試みることでホンダのファンになる人が多いのは確かです。

 現行型フィットの販売が歴代モデルに比べてやや人気薄なのは、ファンが望むチャレンジスピリットが弱いからなのかもしれません。

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みんなのコメント

20件
  • シビックも初代の初期モデルは、ハッチバックではなく、2ボックス形状の2ドアセダンだったんですけどね。
  • ワンダーに乗っていました。
    何だかんだ言ってもやっぱりこの頃のホンダ車は楽しかった。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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