ウエットでの性能も抜群のツアラーモデル
皆さんこんにちは!レーシングライダーの石塚健です。
【画像】BMW Motorrad「M1000XR」の走りを楽しむレーシングライダーの石塚健選手を画像で見る(10枚)
今回は、2024年5月28日にモビリティリゾートもてぎのフルコースで行われた、BMW MOTORRAD M RACE TRACK EVENTに参加してきたので、そこで試乗したMシリーズのインプレッションをしていきたいと思います。
紹介するのは、2024年5月24日より販売開始となった、BMW Motorradの最新モデル「M1000XR」。
BMWの「M」は長い間、4輪車でのみ展開されてきたので、4輪のイメージが強い人が多いと思います。
そんなMモデルが2輪車で初めて登場したのは、2021年の「M1000RR」。その後は2023年に「M1000R」が登場し、2輪の世界でも段々と存在感が高まってきました。
そして2023年6月には、2015年に登場したアドベンチャースポーツモデル、S1000XRをベースにしたクロスオーバーモデル、「M1000XR」を新たに発表。
M1000XRは、クロスオーバーのツアラーモデルながら、ブレーキング時などに効果を発揮し、ダウンフォースを生み出すMウィングレットが採用されている点が大きな特徴です。
と言われても正直なところ、実際に乗って効果を体感できるのか疑問に思ってしまいますが、とりあえず見た目がめちゃくちゃカッコいいから良いと思ったのと、ダウンフォースだけでなく路面との接地感や防風性能など、体感では分かりづらくとも、しっかりと効果を生み出してくれるんだろうなという期待感がありました。
全体的なスタイルも高級感があって、シャープなイメージでまとまっているため、実際に見ると迫力満点です!
搭載されるのは、S1000XRのエンジンをベースに、最高出力を増大させた排気量999ccの直列4気筒エンジン。出力アップはワインディングなどでの加速向上を目指してのものだそうで、最高速はカタログ値で280km/hとされています。
この説明を聞いた際に、ツアラーにカテゴライズされるアップハンドルのバイクで、こんなにもパワーを出して大丈夫?と内心、思ってしまったのはここだけの話です(笑)
やっぱりドライで全開走行してみたい!
まずは、足着きをチェックしていきます。
シート高850mmの車体に身長165cmの僕が跨ると、両足がツンツンではあるものの、なんとかつま先は地面に着きます。ただ、サイドスタンドを払うのは、少し大変かな?という感じ。
それでは走行していきましょう。
今回はモビリティリゾートもてぎのフルコースを使用しての走行なのですが、残念ながら当日の天候は雨。全開走行でのバイクのポテンシャルを存分に体感する事はできず、またの機会にお預けです。
ライディングモードは「Rain」、「Road」、「Dynamic」、「Race」、「Race Pro」の5つのモードから選択可能なので、今回はRainモードで走行してみました。
個人的なイメージでは、このコンディションでは電子制御が介入し過ぎるくらいになるのかな?と予想していたのですが、実際コーナーをツーリングのような感覚、スピードで走行すると全くそんなことはなく、スムーズに走ることができました。
逆にどこまでいくと制御が入るのか体感したくなり、直線である程度スロットルを捻ると、タイヤは空転し制御が介入。唐突さはなく、入り方がとてもスムーズで、マシンに変な挙動が出たりしないところが素晴らしかったです。
直線とは言え結構な雨量だったので、流石にアクセルを全開にはできないだろうと思っていましたが、意外にも恐怖を感じる事無く全開にできてしまいビックリ。そのくらいの安定感と安心感を感じる事ができます。
とはいえ、ウエット路面にノーマルタイヤでこのような走りをするのは危険なので、特に一般道で真似はしないようお願いします。
それから音!エンジン回転数が6000回転から7000回転ぐらいからの、野太いエンジン音が最高!回転数に比例して盛り上がっていく感じが、たまらなくカッコよくワクワクが止まりません。
今回はウエットだったからこそ感じられたM1000XRの持つポテンシャルや性能をお伝えしてきましたが、今度はドライコンディションで思いっきり走行してみたいと思ってしまいます。
ツアラーモデルのバイクでも、M1000XRならサーキット走行も、とことん楽しめるなと実感することができました。
M1000XRのカラーは、ライト・ホワイトとブラック・ストーム・メタリックの2色が用意されており、価格(消費税込)は327万9000円からとなっています。
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