新エアロパーツ導入のホンダ。M.マルケス「精神的に厳しく、まだ改良すべき点がある」／第10戦オーストリアGP初日

　8月18日、2023年MotoGP第10戦オーストリアGP MotoGPクラス初日のフリー走行1回目、プラクティスがオーストリアのレッドブル・リンクで行われた。プラクティスではレプソル・ホンダ・チームのマルク・マルケスは13番手、ジョアン・ミルは23番手となった。また、アレックス・リンスの代役として参戦しているイケル・レクオーナ（LCRホンダ・カストロール）は、22番手となっている。

　サマーブレイク明けとなった前戦の第9戦イギリスGPで、ホンダ勢は様々なアップデートを加えている。マルケスとミルのふたりは、中上貴晶が前戦でテストしていたエアロダイナミクスを今大会から導入している。マルケスは、午前のFP1で従来のエアロパーツとの比較テストを行いながら走行を重ねていたようだ。

　セッション中に何度かブレーキングミスをしてオーバーシュートする様子も伺え、終盤には4コーナーで転倒を喫してしまう。その際にリヤウイングの片方が破損してしまっていたようだが、最後までそのまま走行を行っていた。午後のプラクティスで、マルケスはFP1のデータを元にマシンの全体的なフィーリング向上に努め、順調にタイムアップを図って上位に食い込む。しかし、終盤に多くのライダーがタイムを更新するなか、クリアラップが取れず、それ以上のタイムアップを図れなかった。そのため、1分29秒356の13番手にとどまり、ダイレクトでの予選Q2進出を逃している。

　ミルは、新フェアリングの導入により、午前のFP1ではセットアップを煮詰めるのに時間を要していたようだ。プラクティスでは、マルケスと同様に午前のデータを活かしてタイムアップを図り、中盤に1分30秒352をマークして自己ベストを更新。しかし、終盤に少し雨が降り出した影響で、アタックのチャンスを逃してしまい、以降はタイムを縮めることができず、23番手で終えている。

　また、アレックス・リンスの欠場によりレクオーナは第9戦イギリスGPに引き続き代役参戦している。前戦はスプリントと決勝ともに完走を果たし、ホンダRC213Vの改善に貢献していたが、今大会は電子制御の調整に努めていたようだ。午後のプラクティスでは、FP1の自己ベストを1秒以上更新し、1分30秒223をマークして22番手で終えている。

■マルク・マルケス（プラクティス：13番手）
「今日はやるべきことがたくさんあった。ふたつの異なるエアロパッケージでライディングすることは、精神的にとても厳しく、新しいエアロパーツの変化に合わせてライディングスタイルを大きく変える必要があったんだ。レッドブル・リンクのようなサーキットで用いるには、まだ改良すべき点があると感じているよ。今回は新しいエアロパーツを使うけれど、ほかのサーキットでは、引き続きテストをする必要があると考えている」

「午後のセッションは、全力でプッシュし、ラップタイムを短縮した。残念ながら、最後にマークしたファステストラップを失ってしまったけれど、こうしたことは起こり得ることだね。明日の目標は新しいエアロパッケージを理解し、どういった走りが可能なのかを知ることだ」

■ジョアン・ミル（プラクティス：23番手）
「今日はタカ（中上貴晶）が前回のレースで用いた新しいフェアリングを試すことができた。そのため、セットアップを変更しなければならず、少し時間がかかってしまったんだ。午後のセッションでは、終盤に雨が降ってきたから予定通りに進行できず、少し中断してしまった。その後、最終ラップは順調に走行していたけれど、最終セクターで雨が降り、タイムをのばすことができなかったんだ。明日は自分たちのポテンシャルを発揮し、できるだけポジションを上げてフィニッシュしなければならない。一歩でも前進できることを願っているよ」

■イケル・レクオーナ（プラクティス：22番手）
「全体的には満足しているよ。セッションごとにさまざまな問題点を改善し、一歩一歩前進することができた。コースはかなりバンピーで、プッシュしようとすると思うように走行することができなかった。明日も引き続き全力で取り組むよ。モチベーションは高いね」