メルセデスF1チームが、F1第3戦オーストラリアGP決勝でジョージ・ラッセルのパワーユニット(PU)に起きたトラブルについて、ファクトリーで調査を行った結果、V6エンジンのシリンダーひとつが故障したことが原因であることが分かった。
一時レースをリードしたラッセルは、4番手走行中にマシン後方から白煙と炎が吹き出したため、コース脇に停止しなければならなかった。リタイア直後、メルセデスF1チーム代表トト・ウォルフは、シリンダーひとつが破損した可能性があると述べていた。しかし、レース終了後はすぐさま機材をFOMの貨物機に乗せなければならず、チームは、ファクトリーにパワーユニットが戻ってから、詳しい調査を行うことになった。
ラッセル、PUトラブルで出火しリタイア「優勝争いができると思っていただけにがっかり」/F1第3戦
メルセデスAMGハイパフォーマンス・パワートレインズ(メルセデスAMG・HPP)での調査の結果、ウォルフが予想していたように、ラッセルのエンジンのシリンダーひとつが故障していたことが分かった。メルセデスエンジンにはまれなトラブルであり、なぜ故障したかの原因については、まだ特定されていないようだ。
次戦アゼルバイジャンGPで、メルセデスはラッセル車に新しいエンジンを搭載することになる。ICEはシーズン2基目となるため、ペナルティ対象にはならない。
ただ、メルセデスにおいて、パワーユニットの信頼性への懸念が高まってきているのは間違いない。開幕戦バーレーンでは、ランド・ノリスのマクラーレンに搭載されたメルセデス製パワーユニットにニューマチックバルブのトラブルが起こり、ノリスはレース中に6回もピットストップを行わなければならなかった。パワーユニットのダメージについて、ブリックスワースのHPPで詳細な分析が進められるなか、第2戦サウジアラビアで早くもマクラーレンはノリス車のパワーユニットに新しいエレメントを入れなければならなかった(ICE、ターボチャージャー、MGU-H、MGU-K、エキゾーストシステム)。
なお、オーストラリアGP決勝では、ニコ・ヒュルケンベルグのハース車が搭載するフェラーリ製パワーユニットにもトラブルが発生した。ヒュルケンベルグはレース終了直後にマシンをとめており、フェラーリが彼のパワーユニットの調査を行った結果、MGU-Kに故障が起きたことが判明している。ヒュルケンベルグ車にはアゼルバイジャンGPで新しいMGU-Kが入れられることになる。
フェラーリは、オーストラリアとアゼルバイジャンの間の長いインターバルを利用して、フェラーリ、ハース、アルファロメオに搭載されたパワーユニットについて詳細なチェックを行い、グランプリ中にトラブルが発生する事態を避けようとしている。
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みんなのコメント
何ならパワーを落とすのも信頼性向上だから凍結時点は信頼性など優先されていない。