Aクラスがゴルフを抜いて2位に浮上。レネゲードとGクラスが初のベスト20入り
2020年の輸入車販売台数(外国メーカー車)は前年比14.5%減の25万6096台と2019年に続いて2年連続マイナスとなり、消費税の増税影響と新型コロナウイルス感染拡大によりその減少幅も大きく膨らんでしまう。乗用車ブランド別ではメルセデス・ベンツが首位を保ちながらも14.3%減の5万6999台と2ケタ減となり、さらに2位フォルクスワーゲン(VW)は21.8%減の3万6574台とメルセデスに2万台以上も離され、3位BMWも23.7%減の3万5712台と2割以上も減少。この数字を見ると、2ケタ減ながらメルセデスは悪条件下で健闘したといってもいいだろう。
一方で10位以内では7位ジープが1.6%増の1万3562台、8位プジョーが1.2%増の1万752台、9位ポルシェが1.3%増の7284台と小幅ながらプラスを維持。台数では上位3強には及ばないものの、この時代に増加傾向を保ったのは快挙に近い。ちなみにグループPSA勢は12位のシトロエンも22.2%増、18位のDSが0.4%増とプラスを保ち、逆境で強さを発揮した形となった。
車名別のベスト20ランキングは別表の通りだが、ここでは変動も見られる。ミニの強さは相変わらずで、クロスオーバーのビッグマイナーチェンジもあって、2019年よりは減ったものの2位メルセデス・ベンツAクラスに1万台以上の差をつけてダントツの首位を保つ。一方で宿敵VWゴルフは9000台以上減らしてついに3位まで後退。8代目モデルの大きな進化は刻々と伝えられるものの、日本上陸は2021年になってからとされるだけに、現オーナーの買い控えも加わって台数が伸びないのも致し方ないところ。これでミニの年間トップは2016年から5年連続となったが、2021年こそはゴルフの追い上げに期待したいところだ。
Aクラスは2019年より台数を減らしたものの、2位までランクアップしたのは初めてのこと。セダンにもディーゼル車が追加されるなどラインナップ強化が台数減を小幅に抑えたと思われる。そして2020年上半期にいきなり4位でランクインしてきたVW Tクロスはそのまま4位を保ってBMW3シリーズをも上回る。ゴルフ8を待ちきれないVWファンがTクロスに流れたことも考えられ、今後のVW車の販売動向を握るモデルとなっていきそうだ。
10位以下ではメルセデス・ベンツCLAがエントリーモデル追加で17位から10位にジャンプアップし、ジープ・ラングラーも人気を保って11位に上がってくる。ジープブランドはレネゲードもベスト20入りを果たし、唯一のアメリカンブランドとして大健闘。 BMWの1シリーズも3代目となった新型車効果とディーゼル車の追加でランクアップを果たしている。
さらに2018年、2019年とベスト20から去っていたフィアット500も3年ぶりにランクイン。次々と魅力的な特別仕様車を設定する戦略に加え、次期モデルが高価な電気自動車となるという情報が影響している可能性も。そして興味深いのが19位に入ってきたメルセデス・ベンツGクラスの存在で、1000万円以上のGクラスが新型となったGLAやGLBを上回ってくるとは……。コロナ禍による生産停滞の影響などもあるのかもしれないが、これも2020年の輸入車マーケットの話題のひとつとして語り継がれることになりそうだ。
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