2023年6月1日から4日にかけて、世界ラリー選手権(WRC)第6戦ラリー・イタリア サルディニアがサルディニア島オルビアを起点に開催される。第5戦ラリー・ポルトガルではトヨタのカッレ・ロバンペラが優勝しているが、サルディニアの砂の浮く滑りやすい路面で出走順1番手の不利は否めず、優勝争いの行方は混沌としている。
昨年はトラブル続出、過酷なラリーゆえに優勝争いは波乱も
第6戦ラリー・イタリア サルディニアは今季3戦目となるグラベル(未舗装路)ラリー。今季、第3戦ラリー・メキシコでセバスチャン・オジェ、第5戦ラリー・ポルトガルではカッレ・ロバンペラと、トヨタがグラベルラリーで連勝しており、ここでもトヨタ有利と予想される。
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ただイタリア・サルディニア島のグラベルステージは、WRCの中でもとくに過酷なことで知られており、トヨタとしても安心できるラリーではない。
コースは高速で、道幅の狭い部分が多く、木々や大きな岩がステージのすぐ近くに迫る難しい設定。また、路面は多くの部分が砂状のグラベルに覆われているため、最初の走行では滑りやすく、2回目の走行ではグラベルが掃けて、下から硬く、表面がザラザラとしている岩盤が露出する。硬い岩盤はマシンにダメージを与え、30度を越える暑さがクルマとタイヤにストレスをかける。
昨年2022年のラリー・イタリア サルディニアはオイット・タナック(当時ヒョンデ)が優勝。ポイントリーダーに立っていたロバンペラ(トヨタ)は1番スタートの不利が大きく、5位がやっと。ロバンペラをカバーするはずのトヨタ陣営はトラブル続出で総崩れとなった。
【参考】2022WRC第5戦ラリー・イタリア サルディニア 結果
1位:O.タナック(ヒョンデ i20 N ラリー1)3h10m59.1s
2位:C.ブリーン(フォード プーマ ラリー1)+1m03.2s
3位:D.ソルド(ヒョンデ i20 N ラリー1)+1m33.0s
4位:P.ルーベ(フォード プーマ ラリー1)+2m09.4s
5位:K.ロバンペラ(トヨタ GRヤリス ラリー1)+3m02.8s
6位:勝田貴元(トヨタ GRヤリス ラリー1) +4m02.6s
7位:G.グリーンスミス(フォード プーマ ラリー1)+5m23.6s
8位:N.グライジン(シュコダ・ファビア ラリー2エボ)+7m37.7s
9位:J.ソランス(シトロエン C3ラリー2)+8m05.7s
10位:J.フッツネン(フォード フィエスタラリー2)+8m10.8s
タイヤのマネージメントが重要なポイントになる
今年のラリー・イタリア サルディニアは、サービスパークが昨年のアルゲーロから、島北東部のオルビアに変更。競技初日となる1日(木)のデイ1は、オルビアの市街地でグラベルとターマック(舗装路)の両路面を走行する「ミックスサーフェス」のスーパーSSが1本行われる。
本格的な戦いは、翌日2日(金)のデイ2から始まり、ビッグジャンプで有名なモンテ・レルノのステージを含む3本のステージを各2回走行。モンテ・レルノは今回、例年の2倍以上となる49.9kmの超ロングステージとして行われる。3日(土)のデイ3は、4本のステージを各2回走行し、その合計距離は135.46kmと長い。
最終日となる4日(日)のデイ4は2本のステージを各2回走行。そのうち、SS17の再走ステージとなるSS19「サルディニア2」は、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーにボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されている。
ステージは全19本で合計距離は322.75km。リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は1170.06kmが予定されている。
今回のラリー・イタリア サルディニアには、トヨタはカッレ・ロバンペラ、エルフィン・エバンス、セバスチャン・オジェ、勝田貴元の4台のGR ヤリス ラリー1で参戦。ロバンペラは今回出走順が1番手となるため、天気が良く路面コンディションがドライとなった場合は優勝は難しくなるが、オジェはこのラリーとの相性もよく、出走順も有利で優勝候補にあげられている。
ラリー・イタリア サルディニアは毎年ステージが変わり、50km近い長いステージも設定されるため、タイヤのマネージメントが重要なポイントになるだろう。
[ アルバム : WRC第6戦ラリー・イタリア サルディニア プレビュー はオリジナルサイトでご覧ください ]
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