■スポーツカーを追いかけまわしたセダンとは
日本の自動車市場ではセダン人気が低迷して久しいですが、現在販売中のセダンは高性能なモデルが多い印象です。
スープラ並みに速いセダンがあった? 絶滅寸前なスゴいセダン5選
たとえば、2019年には405馬力を発揮する日産「スカイライン 400R」が発売され、現行のスバル「WRX S4」は300馬力を誇ります。
さらに1990年代から2000年代には三菱「ランサーエボリューション」やスバル「インプレッサ WRX STI」といったスーパーセダンがありました。
そこで、これらのモデルよりも遥か昔に登場した高性能セダンを、3車種ピックアップして紹介します。
●プリンス「スカイラインGT」
第二次大戦以前から飛行機製造をおこなっていた立川飛行機をルーツに持つプリンスは、数々の高性能車を世に送り出してきました。
そのなかでも伝説的な存在となっているのがプリンス「スカイラインGT」です。
初代スカイラインは1957年に誕生し、外観は当時のアメリカ車のようなデザインで、エンジンは1.5リッター直列4気筒OHVを搭載。
1963年に2代目になると、外観は飾り気の無いシンプルなデザインに一新されるものの、エンジンは1.5リッターのままでした。
そうしたなか、1962年に国際格式のレースがおこなえる本格的なサーキットである「鈴鹿サーキット」が完成すると、高速時代に突入しようとしていた日本のモータリゼーションの背景もあって、各メーカーのレース熱が一気に高まります。
1964年、鈴鹿サーキットで開催された「第2回 日本グランプリ」には、プリンスが1.5リッターのスカイラインをベースに仕立てたスカイラインGTで出場しました。
エンジンは「グロリアスーパー6」用の2リッター直列6気筒OHCを搭載しましたが、そのままではエンジン全長が長すぎたため、ホイールベースを200mm延長して搭載するという斬新な手法で100台を製作して規定をクリアします。
また、レース車両にはウェーバー3連キャブ、5速クロスミッション、LSDなどが装着されていました。
そして、決勝レースでは純レーシングマシンに限りなく近いポルシェ「904カレラGTS」に果敢に挑み、レース終盤では、わずかな時間でしたが904カレラGTSを抜いてトップに立ち、観客から拍手喝采を浴びます。
優勝こそ逃しましたが2位から6位を独占し、この出来事を報じた新聞は、スカイラインを「羊の皮を被った狼」と評しました。
1965年に、スカイラインGTは量産車として手直しをされて「スカイライン2000GT」となり、以降は同車のトップグレードに君臨しました。
●メルセデス・ベンツ「300SEL 6.3」
メルセデス・ベンツの高性能モデルというと、真っ先にメルセデス・AMGが思い浮かびますが、かつては自社でも高性能なセダンを生産していました。
有名なところだとポルシェと共同開発した「500E」がありますが、それ以前にすごいモデルが存在しています。
1965年に発売されたメルセデス・ベンツ「W109型」は、いまに続く「Sクラス」の源流といえるモデルで、このW109型の最上級モデルが、1967年に発売された「300SEL 6.3」です。
300SEL 6.3には、当時ショーファードリブンのリムジン「600」用の6.3リッターV型8気筒エンジンが搭載されました。
外観からはフォーマルなセダンにしか見えませんが、最高出力は250馬力を発揮し、0-100km/h加速は6.5秒と当時の911に匹敵。実際に「スポーツカーを追い回せるセダン」と呼ばれていたといいます。
なお、この300SEL 6.3をベースにAMGがチューニングした「AMGメルセデス 300SEL 6.8」が、1971年の「スパ・フランコルシャン24時間レース」でクラス優勝を飾り、総合でも2位となるなど、これがきっかけでAMGはメルセデス・ベンツのチューナーとして名が知られるようになりました。
■「空飛ぶレンガ」と呼ばれたスーパーセダンとは!?
●ボルボ「240ターボ」
かつて、ボルボがつくるクルマのイメージは、安全性が高く質実剛健というイメージでしたが、それを覆したのが「240ターボ」です。
240シリーズは1974年に発売され、ボディタイプは2ドアセダン、4ドアセダン、そしてステーションワゴン(エステート)をラインナップ。
当初、エンジンは2リッター直列4気筒OHVと、2.1リッター直列4気筒OHCが設定され、1981年にはターボチャージャーが装着された「240ターボ」が登場。155馬力を発揮する2.1リッターエンジンにより0-100km/h加速は9秒、最高速度195km/hを達成しました。
さらに、欧州で開催されていた「ヨーロッパツーリングカー選手権(以下、ETC)」に240ターボで出場するため、1983年にグループA規定に則った500台限定の「240ターボエボリューション」を発売します。
このモデルには大径ターボチャージャーが装着され、吸気管内に水を噴射してエンジン内部の冷却と空気密度を高める「ウォーターインジェクション」を標準装備されていました。
ボルボがETCに本格参戦した1984年は2勝にとどまりましたが、翌1985年には14戦中6勝し、見事チャンピオンを獲得します。
BMW「635」やローバー「3500 V8」といったスタイリッシュなフォルムで大排気量エンジンのマシンを相手に、無骨なスタイルと小排気量エンジンで戦った240ターボは、「空飛ぶレンガ」と速さを称賛する意味で呼ばれました。
なお、レース用の240ターボは300馬力を発揮し、空力性能が良いとはいえないフォルムにも関わらず、最高速度は260km/hに達したといいます。
※ ※ ※
近年の高性能セダンは見るからに速そうなデザインで、派手なエアロパーツが装着されているモデルもあります。
昔のようにパッと見では外観から高性能さがわからないようなモデルは、ほとんど見られません。
地味だけど速いというセダンこそ本物の「羊の皮を被った狼」であり、そんなセダンを探してみるのも楽しいのではないでしょうか。
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