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農業に関係なくても「乗りたい欲」が抑えられない! 一流カーデザイナーのトラクターがもはやSFの世界だった

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農業に関係なくても「乗りたい欲」が抑えられない! 一流カーデザイナーのトラクターがもはやSFの世界だった

 この記事をまとめると

■カーデザインで有名なデザイナーや工房はトラクターも手掛けている

【意外と知らない】ポルシェやランボルギーニが作っていた「アレ」とは?

■大人気なスーパーカーメーカーのルーツはトラクターメーカーであった

■日本人デザイナーによる日本メーカーのトラクターも秀逸なデザインを取り入れている

 漫画やアニメの世界から飛び出してきたようなトラクターたち

 2020年に農業機械メーカーのクボタが発表したトラクターのコンセプトモデルは、そのSF的な超未来的スタイルで大きな話題となりましたが、じつは著名なカーデザイナーもまたトラクターを手掛けていることはあまり知られていません。そこで、今回は3名のカーデザイナー(工房)によるトラクターを紹介します。

 従来の固定概念を壊した宇宙船的トラクター

 クボタのコンセプトモデルに続いて話題となったのが、2021年に発表された、ニューホランド社とピニンファリーナとのコラボによる電動トラクター「ストラドル・トラクター・コンセプト」です。

 シャンパンフルートをモチーフにしたというコクピットだけでも十分個性的なのに、狭く勾配の強いブドウ畑での使用を想定した前後に長いボディとの組み合わせは斬新そのもの。ブルーを基調にしたカラーリングも新鮮ですが、とりわけボディ部の流麗さにピニンファリーナらしさを感じます。

 ピニンファリーナはこれ以前にもトラクターを手掛けていて、2015年に発売されたチェコのZETOR社とのコラボも有名。こちらはより現実的なスタイリングですが、それでもダイナミックかつパワフルなデザインは見応え十分と言えます。

 あまりにも格好よすぎるトラクターたち

 スポーツカーメーカーがトラクターを作った?

 一方、スポーツカーメーカーがトラクターを作った? と話題になっているのが、ランボルギーニとイタルデザイン・ジウジアーロとのコラボによる「MACH」「SPARK」シリーズです。

 スーパーカーメーカーとして歴史を持つランボルギーニですが、その源流はトラック販売会社であり、1949年にはトラクターの製造を手掛けていました。このイタルデザインとのコラボでは、グッドバランスのホワイトボディや、いかにもイタルらしい合理的で美しいインテリアが魅力的です。

 ピニンファリーナ同様、イタルデザインも従前からトラクターのデザインを手掛けており、DEUTZ FAHR社の製品には継続的に関わっています。そのなかでも、2011年発表の「7250 Agrotron TTV」シリーズは、有名なドイツのレッド・ドット・デザイン賞(2013年)を始めとした多くの表彰を受けています。

 このDEUTZ FAHR社の一連の製品は、比較的シャープで切れのいい造形とともに、明るいグリーンのボディが目を引きます。また、ランボルギーニ製と同様、高い操作性や快適性がうかがえる合理的なインテリアデザインも見所です。

 フェラーリデザイナーによるトラクター

 さて、最後はやはり日本人デザイナーである奥山清行を取り上げたいと思います。ピニンファリーナに在籍、エンツォフェラーリやマセラティのクアトロポルテなどを手掛けた氏は2007年に独立、山形を起点にさまざまなプロダクトデザインを手掛けています。

 2013年に「コンセプトトラクター」を、2年後に量産型の「YTシリーズ」を発表したヤンマーのトラクターもそのひとつです。非常にエモーショナルでボリューム感のあるボディやゴールドのホイールは極めて印象的で、2016年のグッドデザイン金賞受賞も頷けます。

 興味深いのは、単に製品デザインに止まらず、クリエイティブディレクターの佐藤可士和氏とともに同社のブランディングも手掛けているところ。新しいロゴが象徴的ですが、デザイン思考による農業など産業の課題解決は、時代の先端を行くプロジェクトと言えるでしょう。

 さて、今回は農業用トラクターを取り上げましたが、ピニンファリーナやジウジアーロは鉄道やバス、時計やコーヒーマシンなどじつに多くのプロダクトを手掛けています。こうした幅広い分野のデザインに関わることで、今後のクルマ文化の発展につながることを期待したいですね。

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みんなのコメント

9件
  • ランボルギーニの車は買えなくても、トラクターならと値段を調べたら庶民には買える値段ではなかった。
  • ゆっくり走るとオーバーヒートしちゃう?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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