新車をオーダーする時、どんなオプションパーツを付けるか? それはクルマ好きにとって、至福の選択。つい、あれもこれもと欲張りたくなる。だが、ちょっと立ち止まって考えてみよう。そのオプションが、本当に必要かどうかを。
高価だったわりにぜんぜん役に立たなかったり、あえて使わなかったりすることはないだろうか? もちろん、ムダは悪ではない。ムダがあってこその人生だ。否定する気はまったくないが、クルマを何度も買ってみると、見えてくる境地がある。
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そこで今回は、これまでに愛車を50台以上買った経験を持つ自動車評論家の清水草一氏に、新車購入時、“付けるか否か迷いそうな”オプションパーツについて、個人的見解を語ってもらった。
文/清水草一 写真/清水草一、トヨタ
【画像ギャラリー】豪華な装備は要らない!? 写真でみる必須オプション&不要オプション
■初代オーナーの筆者が新型アクアの見積書を出してもらうと…
すでに新型アクアが配備されているディーラーは多く、足を運べば実車を見ることができる
新型アクアが発売になった。私は初代(先代)アクアを、予約開始日にディーラーに並んで(並んでいたのは私ひとりだったが)、イの一番で購入した者。アクアにはひとかたならぬ思い入れがあったため、早速、ディーラーへ新型の実車を見に行った。
すると担当セールスマンは、すでに見積書を作成し、「印鑑はお持ちいただけましたか?」と待ち構えていた。彼が作った見積書は、前回の私の嗜好を踏まえたものになっていた。
グレード:アクア X(下から2番目)
車両本体価格/209万円
「X」は、アルミホイールがオプションになるが、見積書ではそれもナシになっていた。私は初代アクアの時、下から2番目の「S」を購入した。ホイールはスチールが純正だったが、付いていた樹脂製ホイールキャップを外し、あえて黒いテッチンむき出しで乗っていた。担当者はそれをよく覚えていたのだ。
筆者が所有していた初代アクア。黒いテッチンホイールが渋いのだが、この後、ボディがボコボコに……
アルミホイールを付けるか否かは、まずは重要なポイントだ。もちろん私とて、どんなクルマでも“テッチン”でいいとは思っていない。しかし、普段の足にするクルマなら、あえてアルミホイールを奢る気はまったくない。
国産コンパクトカーのアルミホイールなんて、付いてたってぜんぜんカッコ良くもなんともないものが多い。逆にテッチンのほうが男らしくてカッコいいし、ガリッとやっても気にならないので最高! と確信している。新型アクア「X」に、オプションのアルミホイールを装着すると、4万9500円。テッチンならそのぶん安くてカッコイイのだから、実にお得である。
■厳選された2つのオプション
自車を俯瞰で見ることができるパノラミックビューモニターの作動イメージ
<メーカーオプション>
ブラインドスポットモニター+パーキングサポートブレーキ/7万4800円
パノラミックビューモニター/4万4000円
この2つだけだった。家人が初代アクアをそこらじゅうぶつけまくってボコボコにしたのを、担当者はよく覚えていたので、この2つを厳選したようだった。
たしかに、ブラインドスポットモニター+パーキングサポートブレーキはぜひ欲しい。しかしパノラミックビューモニターはいらない。上から俯瞰した画像が見られるのは、一見ものすごく便利だが、では、あれを見て駐車できるかというと、それはちょっと難しい。駐車が苦手なヘタッピならなおさらだ。
つまり、事前および事後の確認用にしかならない。私はまだパノラミックビューモニター付きのクルマを所有したことはないが、これまでの試乗経験から、一見便利そうで実はあまり役に立たない装備だと感じている。
また、自動駐車システム(アクアの場合の名称は「アドバンストパーク」)は、これまで試したクルマすべて落第だった。あんなもん、ヘタッピに使いこなせるわけがない、駐車が得意な者にも当然必要ない。よって絶対に装着しない。
<ディーラーオプション>
Tコネクトナビキット/11万円
前回私は、純正ナビを装着せず、後付けの「ゴリラ」(パナソニック製)で乗っていた。純正ナビなんて値段ばっかり高くて大した性能じゃないと思っていたからだ。担当者は、「ナビをいらないと仰る方は、決まったところにしか行かないご高齢の方だけです」と、大変驚いていた。
前回の「ナビはいらない」という注文がよほど印象的だったらしく、担当者は私のことを「オプションをほとんど付けない人」と強く認識していたのである。
10年前と現在とを比べると、さらに純正ナビの必要度は下がっている。新型アクアは、「アップルカープレイ」との連携もできるので、なおさらだ。しかし、いきなりナビなしの見積書を書くのも気が引けたのか、スタンダードナビをリストに入れていた。
実はここは迷うところだ。いちいちカープレイを接続するのも面倒に感じることもあるだろうから、11万円くらいなら、純正ナビをつけてもいい。実際に経路案内を使う場合は、グーグルマップを使うのはわかっているが……。これはちょっと保留である。
■ETC 2.0や本革シートがいらないと考える理由
右が新型アクアの見積書、左は筆者が購入した初代アクアの注文書である
ETC2.0ユニット(ビルトイン)/4万700円
これはもう絶対に普通のETCでいい。2.0だと圏央道が2割引きになるので、圏央道沿道の方なら付けたほうが得になるかもしれないが、私はめったに圏央道は使わない。ETC 2.0とナビの連携経路案内など、グーグルマップに比べたら児戯に等しいレベルで、まったく役に立たないどころか、不要な情報をやたら表示してウザいだけ。通常のETCなら、約半額である。断然そっちだ。
その他、細かいディーラーオプションが入っていたが、必要なのはフロアマット(ベーシック)の1万4300円だけで、前後方ドラレコやサイドバイザーやドアエッジプロテクターなど、すべて不要な装備ばかりだった。ドラレコは後付けのほうが断然安い。
◆ ◆ ◆
さらに、私が絶対につけないオプションの代表は、本革シートだ。アクアにはもともと本革シートの設定はないが、本革シートは滑りやすいし、冬は朝乗るときに冷たいのでシートヒーターも欲しくなる。よって、ファブリックのほうが全面的に優れていると確信している。もちろん最初から本革シートが付いている中古車(フェラーリ、ランボルギーニなど)の場合は、本革シートで我慢する(笑)。
また、オーディオについてもまったくこだわりはなく、音が出ればそれでいいほうだが、個人の嗜好の差が大変激しい分野なので、今回は割愛します。
逆に私が絶対に欲しいのは、自動ブレーキやACC(先行車追従型クルーズコントロール)といった、ある程度の水準(最高水準は必要ないです)のADAS装備(先進運転支援システム)だが、新型アクアを含め、近年の新車はたいてい標準装備になっている。
その他、私がオプションでゼイタクをするとしたら、レクサスなどに装備されるベンチレーション機能付きシートだ。あれは夏場非常に快適で、同乗者に大変喜ばれる。シートヒーターも同時についてくるので、それも冬場大変喜ばれる。喜ばれる装備なら、多少値が張っても高いとは感じない。ベンチレーション機能付きシートが付けられるクルマで、ホイールがテッチンってこともまずないと思いますが、あくまでご参考ということで、よろしくお願いします。
で、実際に筆者が新型アクアを買うか買わないかは……目下、思案中である!
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アンタが今やらなきゃいけないのは役にも立たない駄文を綴る事ではなく、件の「家人」が車じゃなく人をボコボコにする前に、運転をやめさせる事だ。
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