現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > ホンダ・シビック Type Rとルノー・メガーヌR.S.カップのコクピットを比較してみる

ここから本文です

ホンダ・シビック Type Rとルノー・メガーヌR.S.カップのコクピットを比較してみる

掲載 更新
ホンダ・シビック Type Rとルノー・メガーヌR.S.カップのコクピットを比較してみる

FF最速@ニュルブルクリンクをめぐり熾烈な競争を続けるシビックとメガーヌ。MT仕様で2台を揃える機会があったので、運転席に限って詳細に調べてみた。REPORT●萬澤龍太(MANZAWA Ryuta)PHOTO●宮門秀行(MIYAKADO Hideyuki)

 ルノー・メガーヌR.S.のカップ仕様にMTがラインアップされたおかげで、ホンダ・シビック Type Rと限りなく同じ土俵で比べられるようになった。この2台のどちらを買おうかと悩む人は少なく、きっとホンダファンとルノーファンがそれぞれ「ウチのほうが速い!」といいながらお互いをリスペクトするなんていう構図になっているんだろうと想像するが、いずれにせよ、2台のコクピットがそれぞれどんな「仕事場」になっているのかが気にならない人はいないだろう。

〈フォルクスワーゲン・ゴルフGTI〉走りが磨き上げられたスペシャルなGTI【ひと目でわかる最新スポーツカーの魅力】

 2台を同時に借り受けられるこのタイミングを逃す手はない。同じアングルから、2車の様子をご紹介しよう。

シビック Type R

 シビックのコクピットはセンターコンソールが見事な対称形。ホンダの美しい伝統なのか、ステアリングホイールからなんの意識もなく左手を下ろすとシフトレバーに触るという絶妙な位置にセットされている。レバー先端はアルミ製の球形で、押し引きいずれのアクションによっても掌への感触が変わらないのが美点だ。シフト/セレクトのトラベルも大きくなく、ギヤ入りの感触も「ゴクッ」という調子で非常に気持ちがいい。

 リバースレンジへ入れるには、5/6速方向のセレクト操作(横方向)からさらに右手に倒し、下方向にシフト操作(縦方向)する構造。個人的には「さらにセレクト」という動作にいまいち確証が持てず、狭いところの切り返しで前進/後退を繰り返すようなシチュエーションでは使いにくさを覚えた。

 ステアリングホイールは下面を薄く切り飛ばしたD型で、全周がスムースレザー。水平方向は370mm、鉛直方向は365mmの寸法だった。チルト/テレスコピック調整は手動式で、コラム下面のレバーをこちら側に引いてフリー/奥に戻して固定する仕組み。上下方向に42mm(チルト)/前後方向に33mm(テレスコ)の調整幅を持つ。

 ステアリングシステムはSHOWA製のダブルピニオン式EPSで、非常に正確かつ手応えにあふれた快作である。重い!と言えばそれまでなのかもしれないが、むしろ旋回時に「曲がっている」というインフォメーションを強くドライバーに与え、どれだけいま切っているのか、切り増すとどうなるのかといった情報に富んでいるので、不安が一切ない。「デュアルアクシスストラット」を採用しているので、旋回時のアクセル踏み増しでもステアリングが取られるようなことはなく、安心してコーナリングを楽しむことができた。

 エンジンスターターボタンはコラム右手に備わる。パーキングブレーキは電動式で、操作の一切がドライバーの操作による。つまり、停止すると自動的にかかるとか発進するときに自動的に解除するとか、そういった仕組みは一切ない。また、解除時にはブレーキペダルを踏んでいないとパーキングブレーキを解けず、ここは少々煩雑な印象を受けた。

 ダッシュボード上端に向かって傾斜している構造のためか、パッと見たときの開放感が高い。また、センターディスプレイがメーターパネルより低い位置にあり、運転時の視界に入らないのは、右へ左へコーナリングを繰り返すようなシーンでは好感である。ただし、差し色として各部に配されている赤が映り込むことがあり、気になることがあった。

メガーヌR.S.

 メガーヌのコクピットもセンターコンソールが対称形。ただし、写真でご覧いただけるようにレバー式のパーキングブレーキは左側に収まったままで、右ハンドル化にあたっての移設は見送られた。シフトレバーの位置は筆者にとって少々前に遠い印象。ラテンのクルマによくあるような前寄りの位置にセットされているのだろうか。ルノー車ではしばしば言われる特質のようだ。

 加えて、シフトレバー先端部も筆者には大きく、持て余し気味の形状だった。なんとなく、はるか昔のサンクGTターボを思い起こした次第。頭が重いのか、操作時のイナーシャが大きい感じで、いまいち「シフトが決まった!」とならなかったのは残念。エキスパート向けのセッティングなのだろうか。ただし、リバースレンジに入れるときの、リング持ち上げで1速の位置に入れるという操作は非常にやりやすかった。

 ステアリングホイールはこちらもシビック同様にD型形状で、上下部がスウェード調、左右部がスムースレザーを用いている。操舵角が一瞥してわかるように12時の位置には赤いリングが埋め込まれる構造だ。水平方向は375mm、鉛直方向は365mmである。チルト/テレスコピック調整は手動式で、コラム下面のレバーを奥に倒してフリー/手前に戻して固定する構造。上下方向に32mm(チルト)/前後方向には50mm(テレスコ)もの調整幅を実現している。

 ステアリングインフォメーションは4CONTROLと称する後輪操舵のシステムとの相乗効果により、「思ったより曲がる」「気がついたら美しく曲がっていた」という印象だ。かといって大きくて重たいものが不自然にいきなり旋回するという不安はなく、そのあたりのチューニングには細心の注意が払われている感想。高速域と低速域で後輪操舵の位相を異らせていて、低速域での旋回性能と高速域の安定性を両立させている。アイシン製のアクチュエータによってリヤのナックルを直接押し引きすることで操舵角をつける仕組みだ。

 エンジンスターターボタンはシビックと異なり、コラム左手。パーキングブレーキはレバー式で、先述のようにセンターコンソール左側。ドリンクホルダーを挟んでの配置となるため、仮にペットボトルなどを差し込んでいるとそれを乗り越えての操作になるだろう。

 ダッシュボードは比較的立っている設計。メーターベゼルとセンターディスプレイベゼルが同じデザインコンセプトで囲まれ、同じ程度の高さにセットされているためか、一体感は大きい。センターコンソールが非常にフラットなパネルで形成されていることからシンプルな印象を与える。残念ながら撮影車はセンターディスプレイにナビゲーション機能が備わっていなかったので、運転中は「黒いパネル」に徹していたため運転中の視野妨げにはならなかった。

ペダルレイアウトの比較

 オレンジ色の線がシートセンター。全体的にABCペダルが左寄りの印象を画像からは受けるが、着座時や操作時の違和感はなかった。ブレーキペダルとクラッチペダルのプレートは同じものが装着されている模様。アクセルペダルは吊り下げ式。

 オレンジの線がシートセンター。シビックよりもオフセットは少ない。左足のフットレストも同じ意匠で目をひく。左膝を押し当てる位置のセンターコンソールにはボリュームがあり、旋回時に踏ん張るときなどに具合が良かった。ちなみにシビックはこのセンターコンソールが柱構造になっていて中間部が空いており、しかし膝を当てるには不具合はなかった。時折、ここの部分がデザイン優先なのかエッジが立っていたり間が抜けていたりするクルマもあり、往生することがあるだけに、さすがこの性質のクルマはそのあたりがきちんとしているなと感心した次第である。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

東北道「浦和ICの大改造」ついに“最後のランプ”建設へ 並行ランプを通行止め 側道利用者は注意!
東北道「浦和ICの大改造」ついに“最後のランプ”建設へ 並行ランプを通行止め 側道利用者は注意!
乗りものニュース
トヨタWRCマニュファクチャラーズ王者に豊田章男会が破顔「苦労して獲ったタイトル」ライバルのヌービル初王者にも祝意
トヨタWRCマニュファクチャラーズ王者に豊田章男会が破顔「苦労して獲ったタイトル」ライバルのヌービル初王者にも祝意
motorsport.com 日本版
波乱だらけのラリージャパン! ニッポンの勝田が意地をみせSS連続ステージ優勝で総合4位につける
波乱だらけのラリージャパン! ニッポンの勝田が意地をみせSS連続ステージ優勝で総合4位につける
WEB CARTOP
最新「サファリ」がスゴイ! 「ハリアー」と兄弟車で登場! 「3列7人乗り」&英国風の“超精悍顔”がカッコイイ! 便利機能モリモリのタタ「最上級SUV」とは?
最新「サファリ」がスゴイ! 「ハリアー」と兄弟車で登場! 「3列7人乗り」&英国風の“超精悍顔”がカッコイイ! 便利機能モリモリのタタ「最上級SUV」とは?
くるまのニュース
1000万円以下で買えるV12搭載ランボルギーニ!…世界に4台しかない「ハラマ 400GTS」のAT仕様の出来は当時どうだった?
1000万円以下で買えるV12搭載ランボルギーニ!…世界に4台しかない「ハラマ 400GTS」のAT仕様の出来は当時どうだった?
Auto Messe Web
【この190SLなんぼ?】走行距離わずか4,753kmでこの値段!なんで?このメルセデス300 SLの弟分190SLは掘り出し物?
【この190SLなんぼ?】走行距離わずか4,753kmでこの値段!なんで?このメルセデス300 SLの弟分190SLは掘り出し物?
AutoBild Japan
ソニー損保、自動車保険満足度調査で2部門1位を獲得…事故対応に高評価
ソニー損保、自動車保険満足度調査で2部門1位を獲得…事故対応に高評価
レスポンス
最後までもつれ込んだメーカー対決はトヨタに軍配! 僅差でヒョンデ逃す。総合優勝エバンス|WRCラリージャパンDAY4午後
最後までもつれ込んだメーカー対決はトヨタに軍配! 僅差でヒョンデ逃す。総合優勝エバンス|WRCラリージャパンDAY4午後
motorsport.com 日本版
スズキ 新型「スポーツクロスオーバー」登場! 斬新デザインの“尖った”スタイリング!? 軽量な車体を活かした軽快な走り! 「Vストローム250SX」何が変わった?
スズキ 新型「スポーツクロスオーバー」登場! 斬新デザインの“尖った”スタイリング!? 軽量な車体を活かした軽快な走り! 「Vストローム250SX」何が変わった?
くるまのニュース
勝田貴元が限界ギリギリの力走。トヨタ勢が猛追も、SS12は安全確保を理由にキャンセル/ラリージャパン デイ3午前
勝田貴元が限界ギリギリの力走。トヨタ勢が猛追も、SS12は安全確保を理由にキャンセル/ラリージャパン デイ3午前
AUTOSPORT web
給油所で「レギュラー“なみなみ”で!」って言ったら店員にバカにされました。私が悪いんですか?怒りの投稿に回答殺到!?「なにそれ」「普通は通じない」の声も…悪いのは結局誰なのか
給油所で「レギュラー“なみなみ”で!」って言ったら店員にバカにされました。私が悪いんですか?怒りの投稿に回答殺到!?「なにそれ」「普通は通じない」の声も…悪いのは結局誰なのか
くるまのニュース
市川團十郎がF1日本GPの公式アンバサダーに! F1文化に“新たな風”を吹き込むことを目指す
市川團十郎がF1日本GPの公式アンバサダーに! F1文化に“新たな風”を吹き込むことを目指す
motorsport.com 日本版
[かわいい]見た目して超[ホット]!! スズキ[アルトラパンSS]今買うのアリ説
[かわいい]見た目して超[ホット]!! スズキ[アルトラパンSS]今買うのアリ説
ベストカーWeb
追突事故を避ける「2秒ルール」ご存知ですか? あおり運転にならず割り込まれもしない、ほどよい安全な車間距離の保ち方をお教えします
追突事故を避ける「2秒ルール」ご存知ですか? あおり運転にならず割り込まれもしない、ほどよい安全な車間距離の保ち方をお教えします
Auto Messe Web
「足が長くて」スタイリッシュな新型SUVが2024年内に正式発表か!?DSオートモービルズの電動化戦略が新たなステージ
「足が長くて」スタイリッシュな新型SUVが2024年内に正式発表か!?DSオートモービルズの電動化戦略が新たなステージ
Webモーターマガジン
都内の“旧式小型バス大活躍”路線ついに廃止へ 「リエッセ」と運命を共に 西武バス
都内の“旧式小型バス大活躍”路線ついに廃止へ 「リエッセ」と運命を共に 西武バス
乗りものニュース
ディーゼルトラックをEVへ改造、国内初の量産予定車が完成 ヤマトモビリティが発表
ディーゼルトラックをEVへ改造、国内初の量産予定車が完成 ヤマトモビリティが発表
レスポンス
FIAがフロア摩耗に関する取り締まりを強化。フェラーリ、メルセデス等に加え、抜け穴を指摘したレッドブルも修正
FIAがフロア摩耗に関する取り締まりを強化。フェラーリ、メルセデス等に加え、抜け穴を指摘したレッドブルも修正
AUTOSPORT web

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

499.7万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

93.0899.8万円

中古車を検索
シビックタイプRの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

499.7万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

93.0899.8万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村