■日本最大級ショッピングモールにトヨタディーラーが出店した背景とは
千葉県にある大型商業施設「イオンモール幕張新都心」に2019年8月、トヨタカローラ千葉が出店しました。つまり、ショッピングモールで新車を販売しているのです。
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商業施設で催し物がおこなわれているように、イベントスペースで新車を並べて来客に声掛けしているセールスマンを見かけることがあることから、こうした光景はけっして珍しくない、と思う人もいるのではないでしょうか。
しかし、今回のイオンモール幕張新都心の店舗は、これまでの事例とは大きく異なるといいますが、なにが違うのでしょうか。
これまでの事例では、商業施設の敷地の外にカーディーラーの店舗がある場合があるほか、横浜郊外にある大型商業施設の「トレッサ横浜」では、1階スペースにトヨタ店、カローラ店、トヨペット店、ネッツ店が共同で常時営業の店を構えています。
こうした既存のケースと、今回のイオンモール幕張新都心でのカローラ店とは、大きな違いがあります。それは、これまで普通の店舗が入っていたスペースが空いたので、そこに新車を並べているのです。洋服やアクセサリーなどの専門店が連なる一角に、自然なかたちで新車が置かれています。
それにしても、こんなところで本当に新車が売れるのでしょうか。
ディーラーのスタッフに話を聞くと「こちらには8月から出店しましたが、すでにご成約頂いたお客さまが数名いらっしゃいます」といいます。
以前は不定期に、モールの通路で新車を並べたそうですが、定常的な販売方法に変えたことは販売をしっかりと後押ししているようです。
こうしたショッピングモールの空スペースを活用した新車販売は今後も、全国各地で増える可能性があります。その背景にあるのが、来年2020年から始まるトヨタディーラーの大規模な事業再編です。
トヨタは2018年10月、名古屋市内で開催した全国トヨタ販売店代表者会議で、トヨタ4系列店における全店舗全車種併売の準備にうつることを発表しました。
4系列とは、前述のような、トヨタ店、カローラ店、トヨペット店、ネッツ店のことです。現在これらの4系列では、プリウスなど一部車種は系列が異なっても販売しています。
この考え方を改めて、どのトヨタの新車ディーラーにいっても、トヨタ本社が日本国内向け商品として製造しているモデルを購入できるようになるのです。
2018年10月の時点での発表内容では、まずはトヨタ本社直系の資本下にある東京地域において2019年4月1日付けで新会社トヨタモビリティ東京を発足。4系列は廃止となりました。
そのほか、全国各地で地場系と呼ばれる独自資本のディーラーの場合、2022年から2025年までに全店舗全車種併売化をおこない、その過程で4系列の維持と廃止はそれぞれの地域で検討する、としました。
ところが、2019年6月になり、トヨタは方針を大きく変更。なんと、2020年5月までに全店舗全車種併売をおこなうと発表したのです。
合わせて、ディーラー向けに補修部品などの販売をおこなう全国34のトヨタ部品共販と、トヨタ直系の資本下にあるアフター市場向け専門店ジェームスを統合して、2020年4月に新会社を発足させることも決まりました。これは、全店舗全車種併売と明らかに連動した動きです。
■背景にある「全店舗全車種併売」で起きることとは
この全店舗全車種併売は、日本国内の新車ディーラー史上、最大の事業変革だといえます。現在、トヨタの新車ディーラー数は国内で約5000店舗。さらに、フリート事業と呼ばれるレンタカーなどの店舗が約1000店舗、合計約6000店舗もあります。
これが、どのお店でも同じ新車を購入できるようになれば、おのずと店舗の配置が効率化され、結果的に店舗数が一気に減少する可能性が高いです。
また、近年は「ロードサイドビジネスでの収益性が下がってきた」(自動車流通業界大手の幹部)という声が挙がってきています。
つまり、これまでのように国道沿いに大型店舗をいくつも並べて新車を売る時代はもう、終わっているのです。いい換えると、現状では店舗の数が多過ぎて、ユーザーに対して供給過多になっているのです。
そのため、よく社会問題として取り上げられるような、ディーラーが自社で新車を登録して新古車として販売するような事例が出てしまうのだと思います。
トヨタではいま、今後のディーラーのあり方について「総合生活サポーター」とか、「街のトヨタ」といったキャッチフレーズで、ディーラーの事業そのものを変えようとしています。
これまでのように、新車・中古車の販売、そして修理だけではなく、地域の日常生活でのクルマの在り方について、事業を根本から見直そうとしています。その一環として、ショッピングモールでの定常的な店舗販売が拡大する可能性があるのです。
トヨタの主導するディーラー再編の動きに対して、ほかのメーカー系ディーラーは戦々恐々という感じです。来年2020年を契機に、新車の売り方・買い方が大きく変わるかもしれません。
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