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アウディのハイパフォーマンスモデル「RSシリーズ」を富士スピードウェイでイッキ試乗!

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アウディのハイパフォーマンスモデル「RSシリーズ」を富士スピードウェイでイッキ試乗!

Audi TT RS Coupe × RS 3 Sedan × RS Q3

アウディ TT RSクーペ × RS 3セダン × RS Q3

獰猛さとエレガンスを併せ持つ最高級のGT、アストンマーティン DB11。その「上質な刺激」を味わう 【Playback GENROQ 2017】

RSシリーズをサーキットで味わう

アウディのラインナップにおいて最も高いパフォーマンスを発揮するグレードが「RS」。そのフルラインナップ試乗会が、スーパーGT最終戦の舞台となった富士スピードウェイで開催された。

なんとも残念だったのはここに、本来であれば初お披露目となる「RS6アヴァント」「RS7スポーツバック」「RSQ8」の3台が加わらなかったことだ。いや正確に言えば、「RS7スポーツバック」と「RSQ8」の展示車両は存在した。600ps/800Nmものパワー&トルクを発揮し、かつここに48Vマイルドハイブリッドを組み合わせた4.0 V8 TFSI。これを納めるボディは眩しいライトの下でその陰影をくっきり際立たせていたが、このコロナ禍の影響によって我々が試乗できる台数までは、テストカーを用意することができなかったというのが実状である。

よって今回は既存のRSシリーズをテストドライブする運びとなったが、それでも「RS」シリーズのアクセルを全開にできる機会など、そうそうない。普段なら絶対に到達できない超高速領域でRSシリーズを走らせて、その真価を今一度確かめてみることにしよう。

クーペ、セダン、SUVにラインナップする3台のRS

さて今回試乗したのは、「TT RS Coupe」「RS3 Sedan」「RS Q3」「R8」、そしてエキストラメニューとして最新ピュアEVである「e-tron Sportback」を加えた計5台という豪華な内容だった。

TT RSからRS Q3までの3台は、ご存じの通り同じコンポーネンツを共用する兄弟車。2.5リッターの排気量から400ps/480Nmという高出力を発揮する直列5気筒エンジンをフロントに横置き搭載して、これを4WD制御するハイパフォーマンスカーたちである。

かつてはコンパクトだったCセグメント由来のボディに搭載するため、横置きFWDアーキテクチャーに、オンデマンド式4WDを組み合わせたクワトロ。それはRS 4以上のグレードに搭載されるセンターデフ式4WDの駆動配分とは異なり、常に前輪の駆動を主体として必要時に後輪へとトルクを配分する4WDである。

400psのハイパワーに4WDの組み合わせは現実的な選択肢

だからTT RSを例に取ると、後輪駆動の魅力を全面的に訴えてくるBMW M2 Competitionやポルシェ ケイマンたちに対して(クラスはひとつ上だと思えるが、価格帯は同じくらいだ)、一見ドライビング・プレジャーという面では面白みに欠けるように思われる。

しかしリアルワールドでTT RSを走らせると、400psのハイパワーに4WDの組み合わせが、ひとつの現実的な選択肢であるとよくわかる。ハンドリングは、基本的に弱アンダーステア。タイヤが冷えている状態でこそブレーキングからリヤがスーッと流れていく場面もあったが、これがウォームアップしてからはステアリングからの手応えも確かなものとなり、その挙動は落ち着きを取り戻す。

回頭性が高く俊敏なターンインを見せるTT RS

鋭いヨーモーメントこそ起こらないがフロントのグリップ力は高く、コンパクトなボディが織りなすターンインの動きは機敏。直列5気筒を搭載するフロントノーズも、この引き締められた足腰に対しては軽いのだろう。ケイマンほど鋭く巻き込む感覚はないものの、直列6気筒を縦置きするM2 Competitionよりもずっと回頭性が良い印象だ。

だから姿勢をうまく作れさえすれば、コッチのもの。まだ横Gが残っているような状態でもアクセルを踏み込めば強い縦Gが発生し、クリッピングポイントをかすめ取って行く走りはとても刺激的である。

確かにターンインで、メガーヌRSのようなリヤステアや、ランサー エボリューションのAYC(アクティブヨーコントロール)のような後輪制御技術があれば、言うことはない。どうやらアウディはTTを継続しない雰囲気だが、4WDこそが「RS」ブランドのアイデンティティなだけに、次世代クーペモデルでは、ドライ路面でも雪上と同じくらい高いコントロール性が引き出せる技術に、ぜひチャレンジして欲しい。

切り込むほどに確実なコーナリングを促すRS 3セダン

そしてこうしたテイストは、セダンであるRS 3、そして背の高いRS Q3になると本領を発揮する。特にRS 3セダンは、この出力に対するサイズ感が素晴らしい。TT RSよりもトレッドが狭く、背が高いディメンションを支える足まわりはほどよく引き締められており、これがサーキットレベルの高荷重領域でも実にキビキビと車体を動かし、支えてくれる。反応が過敏過ぎず、切り込むほどにクルマを確実に曲げていくハンドリング。その際手応えは実にどっしりしており、セダンとしての質感がとても高く演出されている。

クルマをきっちり曲げ切ってから、パワーオン。前輪を軸に車体を引っ張り上げるクワトロのトラクションは力強く、そして速い。そのキャラクターは完全な安定志向だが、それがいかにも頼もしく、そして嬉しく感じられるのはRS 3がセダンだからだろう。これほど日本の環境にサイズ感がマッチした全天候型の高性能セダンは、なかなか他にないと思う。

4輪が常に路面を捉える感覚が強く車体の動きを楽しめるRS Q3

対してRS Q3は、そのセッティングのうまさに感心した。オープンロードではガッシリ系としか感じられなかったサスペンションが、高荷重領域では実にしなやかに動く。なおかつSUVとしてはロール量が巧みに抑えられていて、高速コーナーでの挙動はとても落ち着いている。そしてタイトなコーナーでも、リヤサスペンションを絶妙に伸ばしながらグイッと回り込んでいく。

4WDはコーナリング中の安定性にも効いており、4輪が常に路面を捉えている感覚がとても心強い。SUVとは思えないその身のこなし。いや、むやみにストロークを規制すればつんのめってしまうSUVだからこそ、こうした自然なボディバランスが実現できたのかもしれない。車体の動きを楽しむという面では、RS Q3のドライビングが一番面白かったとも言うことができる。

エモーショナルさはいまひとつな直列5気筒ターボ

唯一このシリーズで残念なのは、直列5気筒ターボがそれほどエモーショナルではないことだ。特に全開率が高く、高回転を多用するシチュエーションでは、その独特なサウンドや鼓動感が浮き立たず、トルキーに回るだけのターボエンジンに感じてしまう。

またこの強大なトルクと、それを逃さず路面に伝えるトラクションの高さに対して、デュアルクラッチのキャパシティも目一杯なのだろうか、高回転でのシフトアップやクラッチミートには、ややレスポンスの鈍さを感じた。もしかしたらクラッチを労って、ある程度のプロテクトも入っているのかも知れない。

REPORT/山田弘樹(Kouki YAMADA)

PHOTO/Audi Japan

【SPECIFICATIONS】

アウディ TT RSクーペ

ボディサイズ:全長4200 全幅1830 全高1370mm
ホイールベース:2505mm
車両重量:1490kg
エンジン:直列5気筒DOHCインタークーラー付ターボ
総排気量:2480cc
圧縮比:10.0
最高出力:294kW/400ps/5850–7000rpm
最大トルク:480Nm/1700–5850rpm
トランスミッション:7速DCT
駆動方式:4WD
サスペンション形式:前マクファーソンストラット 後ウィッシュボーン
タイヤサイズ:前後245/35R19

車両本体価格(税込):1026万円

アウディ RS 3セダン

ボディサイズ:全長4480 全幅1800 全高1380mm
ホイールベース:2630mm
車両重量:1600kg
エンジン:直列5気筒DOHCインタークーラー付ターボ
総排気量:2480cc
圧縮比:10.0
最高出力:294kW/400ps/5850–7000rpm
最大トルク:480Nm/1700–5850rpm
トランスミッション:7速DCT
駆動方式:4WD
サスペンション形式:前マクファーソンストラット 後4リンク
タイヤサイズ:前後235/35R19

車両本体価格(税込):869万円

アウディ RS Q3

ボディサイズ:全長4505 全幅1855 全高1605mm
ホイールベース:2680mm
車両重量:1730kg
エンジン:直列5気筒DOHCインタークーラー付ターボ
総排気量:2480cc
圧縮比:10.0
最高出力:294kW/400ps/5850–7000rpm
最大トルク:480Nm/1950–5850rpm
トランスミッション:7速DCT
駆動方式:4WD
サスペンション形式:前マクファーソンストラット 後ウィッシュボーン
タイヤサイズ:前後255/40R20
車両本体価格(税込):838万円

【問い合わせ】

アウディフリーダイヤル

TEL 0120-598106

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

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