かつて“ハチロク”として親しまれたカローラレビン/スプリンタートレノに設定された名グレードが米国で蘇った!?
7月15日に米国仕様カローラ(4ドアセダンボディ)の2021年モデルが発表された。カローラ自体の2021年モデルでの変更点は、インフォテイメントでのアンドロイドオートやアップルカープレイの対応、装備内容の充実化といった細かいものとなる。
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しかし、目玉は他にあった! 2021年モデルのカローラには「アペックスエディション」と命名された6000台限定のスポーツモデルが加わったのだ。
“アペックス”といえば、かつて“ハチロク”と呼ばれたカローラレビン、スプリンタートレノにも設定されたグレードだが、蘇ったカローラのアペックスエディションは、果たしてどんな車なのか? その詳細を解説したい。
文:永田恵一、写真:トヨタ
【画像ギャラリー】限定6000台のカローラApex edition 2021年モデルをみる
日本とは違う! 米国カローラってどんなクルマ?
新型カローラ アペックスエディション(米国仕様・2021年モデル)
アペックスエディションの前にアメリカで販売されるカローラを紹介すると、まずボディタイプは5ドアハッチバックと4ドアセダンの2つ。
2018年3月のニューヨークモーターショーでワールドプレミアされた5ドアハッチバックは、米国ではカローラハッチバックという車名で、日本で販売されるカローラスポーツと同じボディだ。
搭載されるエンジンは日本で販売されるRAV4などに搭載される2LガソリンNAのみで、トランスミッションはCVTとシフトダウンの際にエンジン回転を合わせる機能などを持つiMT付の6速MTが組み合わされる。
こちらは米国向けカローラの基準車 日本仕様より若干大きいボディサイズでつくられている (写真は2020年モデル)
米国向けの4ドアセダンのカローラの現行モデルは2018年11月に登場。
こちらは日本仕様のカローラとステーションワゴンのカローラツーリングが日本専用ボディとなることもあり、全長4630mm(日本仕様+135mm)×全幅1780mm(同35mm)×全高1435mm(全高は共通)、ホイールベース2700mm(同60mm)と、日本仕様のカローラに対し若干大きいボディサイズを持つ。
パワートレーンは、CVTとの組み合わせとなる1.8LガソリンNAと1.8Lハイブリッドが日本仕様のカローラと共通。
これ以外にハッチバック同様にCVTとiMT付6速MTが用意される2LガソリンNAも設定される。
往年の名グレードGT-APEXが蘇る!!
4代目カローラレビンから三世代において、GT最上級グレード「GTアペックス」が設定された
まず日本人にとってアペックスというグレード名は最後のFR(=後輪駆動車)となった「AE86」、FF(=前輪駆動)化された「AE92」、「AE101」という三世代のカローラレビン/スプリンタートレノにおいて、1.6LスポーツツインカムNAの4A-GEエンジンを搭載したGT系の最上級グレード「GTアペックス」を思い出させ、実に懐かしい。
ちなみにアペックスというのは英語で頂点という意味で、クルマのグレード名でいえばリミテッドとほぼ同じだ。
また、アペックスは頂点なので、スポーツ走行の際の基本的なライン取りであるアウトインアウトのインとなる地点はクリッピングポイントと呼ばれるが、クリッピングポイントは近い意味となるアペックスと呼ばれることもある。
新型カローラ アペックスエディションは走りのグレード
さて、米国仕様のカローラで2L・NAエンジンを搭載するSE系がベースとなるアペックスエディションに施された内容は以下のものとなる。
【エクステリア】フォグランプの周りのブロンズの縁取り、フロントスポイラー、サイドスポイラー、リアディフューザー、オプションのリアスポイラーといったエアロパーツ、ブラック化されたドアミラー
フォグランプの周りをブロンズの縁取りし、洗練されたデザインになっている
【インテリア】アペックスエディション専用のシート表皮/ドアトリム
【足回り】車高を15mm下げた強化スプリング、スプリングに合わせたショックアブソーバー、ロールの起き方を抑制するスタビライザーの強化。これらにより乗り心地を損ねず、ロール剛性はフロント47%、リア33%高められているという。
軽量化された18インチアルミホイールを使用
アペックスエディション専用チューニングの電動パワーステアリング。ブラックのカラーに加え、デザインもブレーキの冷却性能を高めたものとし、1本あたり約1kg軽量化された18インチアルミホイール。
タイヤもアメリカでは一般的なオールシーズンタイヤに加え、オプションでサマータイヤも設定。
【動力性能】アペックスエディション専用マフラー
アペックスエディション専用マフラーを装備
施されたメニューを見ると、アペックスエディションは2L・NAエンジンを搭載する標準モデルのカローラに対し、速さはそれほど変わらないように見えるものの、各操作をした際のフィーリングの上質さや一層の楽しさを目指したスポーツモデルに仕上がっていると思われる。
なおアペックスエディションはCVTが標準だが、6000台限定のうち120台がiMT付6速MTで、価格は後日発表される。
◆ ◆ ◆
日本ではここ15年ほどスポーティなイメージは薄れているカローラだが、1980年代から90年代にかけてはグループAやJTCCといったツーリングカーレース、WRC参戦など、モータースポーツでも活躍したモデルでもある。
カローラツーリング 特別仕様車 “2000 Limited”(2020年) 2.0Lダイナミックフォースエンジンをカローラシリーズとして日本で初めて搭載
そんなことを思い出しながらアペックスエディションや欧州仕様のカローラGRスポーツを見ていると、限定車ながら日本でもツーリングに2L・NAエンジン+CVTを搭載した「2000リミテッド」を販売したのを期に、何らかの形でカローラのスポーツイメージの復活を期待したい。
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