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【角田裕毅F1第10戦分析】コミュニケーション不足が影響。ドライタイヤへの交換後はライバルの逆転を許し後退

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【角田裕毅F1第10戦分析】コミュニケーション不足が影響。ドライタイヤへの交換後はライバルの逆転を許し後退

 F1第10戦オーストリアGP金曜日の夜から降り始めた雨は、土曜日の朝まで続いた。雨そのものは土曜日のスプリント・シュートアウトが開始される午後12時までに一旦やんだが、路面は完全に乾いてはいなかったため、スプリント・シュートアウトはウエットトラックが宣言されるなかで開始された。

 スプリント・シュートアウトはSQ1とSQ2はミディアムタイヤ、SQ3はソフトタイヤを履くことが義務付けられているが、路面コンディションがウエットになった場合は、その限りではない。そのため、今回のスプリント・シュートアウトでは多くのドライバーがSQ1からソフトタイヤを装着してアタックに出た。

角田裕毅スプリント16番手「路面が乾いてきた時の僕たちはとても遅かった」:アルファタウリ/F1第10戦

 金曜日の予選でQ1で敗退している角田裕毅(アルファタウリ)もそのうちのひとりで、SQ1では残っていた新品のソフトタイヤを2セット使用して、SQ1突破を図った。この作戦が功を奏して角田はSQ1を13番手で通過することに成功した。

 SQ2ではライバルたちと同様、ユーズドのソフトタイヤでのアタックとなったが、それでも1セット目のアタックでは11番手を記録した。しかし、このタイムを刻んだとき、角田は最終コーナーでコースをはみ出てていたため、トラックリミット違反としてタイムを抹消され、スプリント・シュートアウトは13番手に終わった。

「昨日はアウトラップでの混乱で力を出し切れなかった。今日もトラックリミット違反を取られて自分の力を最大限出せたかというわけではありませんが、まあポジション的にはトラックリミット違反で抹消されていなくても、11番手あたりだと思うので、SQ3には進出できなかったと思います」

 いったんは上がっていた雨は、スプリントが始まる30分くらい前から再び降り始め、今年2度目のスプリントは全車インターミディエイトタイヤを装着してスタートが切られた。しかし、その雨はスタート時には小雨となり、その後しばらくすると上がった。そのため、路面は周を重ねるごとに乾き出し、スタートでひとつポジションを落として14番手となった角田にとっては、厳しい状況となった。

「どんどん乾いていって、そうなるといまの僕たちのクルマだとちょっと厳しい戦いになりました」(角田)

 こうなると、インターミディエイトタイヤからドライタイヤへの交換のタイミングが重要となる。15周目にジョージ・ラッセル(メルセデス)がピットインしてドライタイヤに交換すると、翌周はオスカー・ピアストリ(マクラーレン)が、さらにその翌周の17周目には6台のマシンがピットインした。そんななかで角田がピットインしたのは18周目。ドライにタイヤ交換したドライバーのなかで最も遅いタイミングだった。

 結果的にインターミディエイトタイヤで角田より後方を走っていたピエール・ガスリー(アルピーヌ)とピアストリに逆転を許し、ピットアウトした角田は17番手に後退してしまった。

「(タイヤ交換に関しては)正直、残りのラップ数とか全然わからなくて、コミュニケーション不足だったので、そこは改善していきたい」

 チームとのコミュニケーションはレースでは非常に重要となるだけに、今回の反省は早期に対策を講じて、同じことを繰り返さないようにしなければならない。

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