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【日本価格/スペック/内装は?】マクラーレン・エルバ(Elva) 新型アルティメット・シリーズを解説

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【日本価格/スペック/内装は?】マクラーレン・エルバ(Elva) 新型アルティメット・シリーズを解説

はじめに 新型スーパーカー「エルバ」とは

text:Wataru Shimizudani(清水谷 渉)

【画像】マクラーレン・エルバ、フェラーリ・モンツァSP1/SP2【オープントップ・スーパーカー】 全91枚

マクラーレン・オートモーティブは、アルティメット・シリーズの新型ロードスター「エルバ」の概要を日本で報道向けに公開した。

エルバ(Elva)という名称は、マクラーレンの創業者であるブルース・マクラーレンが1960年代に設計したレーシングカー、M1A/マクラーレン-エルバ M1A(マークI)/マクラーレン-エルバM1B(マークII)/およびM1C(マークIII)にちなんだものだ。

これらのマシンは、イノベーティブで魅力的なグループ7のマクラーレン・レースカーの「カスタマー」バージョンとして製作された。当時のマクラーレン・エルバでは、現在生産されているマクラーレンのロードカーに不可欠な、先進的なデザインとエンジニアリング・ポリシーが数多く体現されていた。

マクラーレン・オートモーティブでは「エルバ」の名称権利を取得して、まったく新しいロードスターにその名を与えたというわけだ。

では、マクラーレン・エルバは、いままでのアルティメット・シリーズとはどう違うのか、解説していこう。

エルバ 外観

マクラーレン・エルバは、ルーフも、ウインドスクリーンも、サイドウインドウもない、極端なデザインの2シーターだ。

いわゆるオープン・コクピットで、ビスポークのカーボンファイバー製シャシーとボディを備える。

低いノーズと特徴的なフロントフェンダー上部は、ドラマチックなフォルムを生み出し、同時に前方の視野を拡大。大きなカーボンファイバー製リアフェンダーはドアの前方からリアデッキまで流れるように伸びており、コクピット後ろのツインのリア・バットレスは展開可能なロールオーバー・プロテクションの採用により最小化されている。

キャビン上部の形状と構造がドライバーおよびパッセンジャーを包み込むことで、安全な環境を提供している(もちろん、ヘルメットを着用して走行することも可能だ)。

なお、固定式のウインドスクリーンを装備したバージョンも、ファクトリーオプションとして一部のマーケットでは注文できる。

エルバ 内装

車外と直接的に通じたドライビング・エクスペリエンスを強調するため、マクラーレン・エルバのエクステリアとインテリアには、明確な境界がない。

カーボンファイバー製ドアの最上部はカーブを描いてキャビンに流れ込み、硬度と強度に優れた軽量な複合素材が、写真のような魅力的な形状とフォルムを形づくる。

乗員の後方に位置する1対のバットレスも、シートの後方でキャビンに溶け込み、エルバのデザイン上の特徴を補完している。

ドライバーとパッセンジャーのシートの間を通るのは、バットレスの間から伸びるカーボンファイバーの円材。センターアームレストを支持し、エンジンスタートボタンや、ドライブ/ニュートラルおよびリバースのコントロール部分まで繋がっている。

ドアの開閉は、お馴染みのディヘドラル式。シートは専用デザインで、軽量なカーボン製のシートシェルは乗員の頭部、肩、背中を支えているだけでなく、キャビン上部の形状とシームレスに繋がっている。

インストルメント・クラスターはステアリングと連動しており、付加的な機能は中央に取り付けられた8インチの高解像度タッチスクリーン縦型モニターを通じて利用できる。

エルバ パワートレイン

エルバにミドシップされるパワーユニットは、アルティメット・シリーズの最高峰とも言えるマクラーレン・セナ/セナGTRに搭載されるものと同じファミリーに属する、4.0LのV8ツインターボだ。

最高出力は815ps、最大トルクは81.6kg-mを発生し、0-100km/h加速は3秒未満。

0-200km/h加速はマクラーレン・セナより速い、わずか6.7秒とアナウンスされている。ただし、すべての性能数値は今後検証予定となっている。

このエンジンには、フラットプレーンのクランクシャフト、ドライサンプ潤滑、ならびに軽量さを追求したコネクティング・カムシャフト、ロッド、ピストンが装備されている。これに7速のシームレスシフト・ギアボックス(DCT)を通じてパワーはリアホイールに伝えられる。

さらに、イノベーティブなインコネル合金とチタニウム製のクァッド・エグゾーストによって独自のサウンドを奏でるとともに、背圧を減らすことによってエンジン・パワーを増大した。

また、ハイパワーに対応するため、焼結加工のカーボンセラミック製ブレーキディスク(390mm径)やチタニウム製のキャリパー・ピストンも採用されている。

エルバ エアロダイナミクス

エルバは、世界初となるアクティブ・エア・マネージメント・システム(AAMS)を採用している。

このシステムでは、フロントノーズ部分から吸入されたエアは、乗員の前部に設けられたフロントのクラムシェルから高速で抜け出す。その後にコクピット上部を通過するため、まるでバブル(泡)で覆われたような静けさを提供するという。

AAMSが作動すると、ボンネット・アウトレット先端部でデフレクターが展開し、空気の流れが150mm上昇。これにより、排気口の周辺に低圧のゾーンを作り出すことができる。

排気されたエアは、ボンネット・アウトレットの全体に縦方向に取り付けられた、横向きのベーンのネットワークを使って130度に広がって進み、キャビンの前部・側面の両方にエアの流れを導く。なお、都市部での走行速度で、キャビンに流れ込むエアがAAMSを必要としないレベルのときは、このシステムは作動しない。

一方で、車速が上がるとAAMSは自動的に作動し、減速するまで有効な状態を保つ。減速するとデフレクターが畳まれる仕掛けだ。また、このシステムはドライバーのボタン操作によって無効化させることもできる。

エルバ シャシー

エルバは、マクラーレン・オートモーティブが製作したモデルでは最軽量のロードカーだ。ただし最終的な車両重量は後日正式に発表される予定だ。

そのコアとなっているのは、1981年以降のマクラーレンのあらゆるロードカー/レーシングカーと同じく、カーボンファイバー製のモノコックである。
アルミニウムやスチールのように車両の補強をする必要がなく、しかも高剛性で軽量。また、シャシーだけでなくボディパネルもカーボンファイバー製となっている。

ステアリングは電動油圧式で、純粋なフィードバックを提供する。

また、最先端のリンク型油圧式フルアクティブ・サスペンションも搭載。ユニークなソフトウエアの設定と、専用のスプリング/ダンパーバルブにより、あらゆる路面で多様な能力を発揮する。

3つのエレクトロニック・スタビリティコントロール(ESC)のモードでホイールスピンとアンダーステアを調整するか、可変ドリフト制御(VDC)を活用して、ドライバーの気分や環境に応じて、ドライビングの特性を変えることも可能だ。

エルバ 装備

マクラーレン・エルバには、カーナビ、リア・ビューカメラ、エアコンといった、スーパーカーといえども現代のクルマに必要な快適装備は、もちろん備えられている。

また、エルバは限定生産モデルだが、ビスポーク用のインテリア素材も数多く用意されている。インテリア・カラーやボディカラー、ホイールのピンストライプなど、車両をパーソナライズして、自分だけのエルバを作り上げることができるのだ。

車両をできるだけ軽量化するため、オーディオシステムは標準装備されていないが、ビスポークのシステムを追加費用なしで選ぶことができる。

また、標準装備の10本スポーク・ウルトラライトウエイト鍛造アロイホイールの代わりに5本スポークのスーパーライトウエイト鍛造アロイホイールを装着。

タイヤは、ピレリPゼロの代わりにサーキット用に開発されたピレリ Pゼロ・コルサ、車両リフトシステムなどが、追加費用が不要のオプションとして設定されている。

エルバ 価格/スペック(暫定値)

エルバの価格設定は、日本向けもポンド表記となっており、137万5000ポンド(約1億8475万円)と発表された。

最新情報での限定台数は249台。生産開始は、2020年末ごろで、納車が始まるのは来年になる見込みだ。

価格:137万5000ポンド(約1億8745万円)
エンジン:4.0L V8ツインターボ
トランスミッション:7速シームレスシフト・ギアボックス
最高出力:815ps
最大トルク:81.6kg-m
0-100km/h加速:3秒未満
0-200km/h加速:6.7秒

車体構造:カーボンファイバー製モノコック
車体形状:オープントップ・ロードスター
駆動方式:後輪駆動

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みんなのコメント

1件
  • 田宮模型の“エルバ・マクラーレン”で遊んだ方は、おそらくすでに「赤いちゃんちゃんこ」を着ているハズだ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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