■同コンセプトの軽「eKクロス スペース」とはどこが違ったのか
三菱は2023年4月6日、新型軽自動車「デリカミニ」を5月25日より正式発売すると発表しました。
高い実用性と広い室内空間を誇る同社の軽スーパーハイトワゴン「eKスペース」をベースにした派生モデルですが、内外装デザインはまったく異なり、アクティブなSUVテイストで仕上げられているのが特徴です。
【画像】出る前から大人気!? 三菱の新型軽SUV「デリカミニ」を写真で見る(63枚)
新型デリカミニは、1月に幕張メッセ(千葉市美浜区)で開催されたカスタムカーイベント「東京オートサロン2023」会場で先行披露されました。その後も各地で展示され、ユーザーの反応も上々だといいます。
三菱は、東京オートサロン2023開幕と同時に受付を開始した予約注文において、4月5日までに約9000台の受注を獲得したと明らかにしています。
正式発売前にもかかわらず、新型デリカミニはどういった点でユーザーから支持を集めたのでしょうか。
新型デリカミニが属する軽スーパーハイトワゴンのカテゴリーは、高い背を活かした広い室内や、後席両側スライドドアといった使い勝手の良さから、ファミリー層を中心に人気を集めています。
そんなファミリーたちのなかで今、キャンプに代表される「アウトドアレジャー」が大きなブームとなっています。
新型デリカミニは、こうした時代のトレンドの波に対応。ベース車の実用性の高さはそのままに、アウトドアで映えるタフなデザインや、使い勝手の向上を図ったのです。
しかし三菱は、eKスペースが6年ぶりのフルモデルチェンジを迎えた2020年2月、力強いSUVテイストの「eKクロス スペース」をすでに設定し、トレンドを先取りしていました。
eKクロス スペースは、兄貴分のクロスオーバーミニバン「デリカD:5」と共通するデザインコンセプト「ダイナミックシールド」を採用したのが大きな特徴でした。
水平基調のグリルと垂直のメッキバーを組み合わせた、存在感の強いフロントデザインを与えたほか、ボディサイドにもブラックのサイドシルガーニッシュとホイールアーチを加え、スクエアなフォルムと共にSUVテイストを強めるなど、eKスペースに対し多くの変更点を加えた力作といえます。
ところが、新型デリカミニの商品企画を担当した三菱 商品戦略本部 CPSチーム 商品企画 主任 森 智行氏は、次のように話します。
「eKクロス スペースでは、軽スーパーハイトワゴンユーザーのボリュームゾーンであるファミリー層をメインに見据えながら、子どもが巣立ったご夫婦なども主なお客様と想定しました。
ところが実際には子離れ世代のお客様がメインで、ファミリー層の比率はそこまでではありませんでした」
三菱が調査を行ったところ、ファミリー層、特に軽で比率の高い女性ユーザーのなかで、存在感の強いマスクに対し好みがはっきりと分かれたようです。
一方で、ライバルの軽メーカー各社も、自社の軽スーパーハイトワゴンシリーズに同様のSUVテイストを加えたモデルをラインナップし始めています。
スズキは2018年12月に「スペーシア」の派生モデルとして「スペーシアギア」を新設定し、シリーズの販売底上げに大きく貢献しています。
またダイハツも「タント」マイナーチェンジ時の2022年10月に、同様のコンセプトを採用した「タントファンクロス」を追加しました。
そこで三菱も、単なるeKクロス スペースのマイナーチェンジという範疇ではなく、全く新たな発想としてデリカミニが企画したのだといいます。
■好調な売れ行きの理由は「デザイン」だけにあらず!?
新型デリカミニ第1の注目ポイントとして、他社のライバルにも負けない個性的なデザインが挙げられます。デザインテーマは「DAILY ADVENTURE(日常に冒険を)」。
スクエアを強調した力強いフロントデザインと、半円形のLEDポジションランプを内蔵したヘッドライトの組み合わせは、かわいらしいヤンチャさも感じられ、ただゴツいだけでなく、どこか憎めない雰囲気があります。
ダイナミックシールドコンセプトに基づいたデザインだといいますが、eKクロス スペースからは大きくイメージを変えました。
三菱ではこれを「カッコカワイイ」デザインだと表現しています。
フロントバンパーとテールゲートガーニッシュには、立体的な「DELICA(デリカ)」のロゴも備わり、前後バンパー下部にはスキッドプレートを思わせるシルバー加飾が施されるなど、細部までこだわった造形が見られます。
ボディサイズは、全長3395mm×全幅1475mm×全高1830mm(4WDモデル)で、ホイールベースは2495mmです。
ボディカラーは、アウトドアテイストにマッチする新色「アッシュグリーンメタリック」をはじめ、新型デリカミニのコンセプトに沿った2トーンカラー6色、単色6色の計12色をラインナップされました。
そして注目したいのは、ボディ側面の仕上げです。
2トーン、単色にかかわらず、全車で前後タイヤ周辺を囲むホイールアーチとサイドシル(ドア下部)のブラックマイカ塗装が施されました。
eKクロス スペースでもホイールアーチに黒い装飾が施されていましたが、こちらは樹脂の薄いデカール貼り付けによる仕上げでした。
しかし新型デリカミニでは、ホイールアーチの黒の面積を拡大したうえ、よりスクエアな形状とすることで、タフでワイルドなイメージをアップさせました。
森氏も「実際、製造コスト(手間)もかなりかかっています」と打ち明けます。
インテリアも、撥水機能を持たせた合成皮革とファブリックのコンビシート地や、汚れをふき取りやすい樹脂素材の荷室ボードを備えるなど、アウトドアでも使いやすい機能性を持たせています。
新型デリカミニのパワートレインは2つのタイプを用意し、それぞれ2WD(FF)と4WDが選択できます。
660ccの直列3気筒 DOHC 12バルブ 自然吸気タイプは、最高出力52ps/6400rpm、最大トルク60Nm/3600rpm。高性能版の直列3気筒 DOHC 12バルブ インタークーラー付きターボチャージャータイプは、最高出力64ps/5600rpm、最大トルク100Nm/2400-4000rpmを発揮します。どちらもトランスミッションはCVTのみの設定です。
そして自然吸気エンジン車、ターボエンジン車ともに、リチウムイオン電池と、スターターとモーターを兼ね備えたスタータージェネレーター(2.7ps/40Nm)を備えた「マイルドハイブリッドシステム」が組み合わされ、自然吸気エンジン車のカタログ燃費は、20.9km/L(WLTCモード/FF)をマークします。
このほか、4WDモデルでは、大径タイヤ(165/60R15サイズ)と専用チューニングのショックアブソーバーを装着し、悪路での走破性を高めました。
パリダカールラリーチャンピオンである名ドライバー、三菱の増岡 浩氏が、新型デリカミニを北海道のテストコースで雪上試乗したところ、わだちなどの凹凸路で「eKクロス スペースに対しサスペンションの突き上げ感が減り、路面追従性も良くなった」と評価したといいます。
※ ※ ※
2022年1月から12月までの期間、従来型のeKクロススペースや、ベース車のeKスペース、さらにハイトワゴン「eKワゴン/eKクロス」までを含めた「eKシリーズ」の合計販売台数は、2万7145台でした。
すでに、昨年のeKシリーズ販売台数の3分の1に相当する約9000台を予約受注で集めてしまったわけです。
ちなみに同期間、三菱が販売した乗用車(軽・小型・普通自動車)の合計台数は、日本自動車販売協会連合会(自販連)調べによると、年間8万1058台(月平均:約6755台)。
つまり同社が1か月に販売する台数も超えていることからも、その規模の大きさがうかがえます。
このように非常に好調な新型デリカミニが、ユーザーから支持された理由について、三菱の森氏はこう分析します。
「かつて三菱の主力SUVだった『パジェロ』の軽版として誕生した『パジェロミニ』は、本格的なパジェロの名に“ミニ”をつけたことで、かわいらしくデフォルメされたような印象を車名から与え好評を博しました。
デリカミニもまた、親しみやすいミニの名が功を奏したと思われます。
一方でデザインに対しても、老若男女問わずネガティブな声は聞かれず、好評なようです。
ユーザーにコンセプトが伝わりやすい車名とデザイン、そのどちらかだけでなく2つが揃って初めて、今回の評判につながっていると我々は考えています」
新型デリカミニの消費税込み価格は、「G」(2WD/自然吸気)180万4000円から「T Premium」(4WD/ターボ)223万8500円までです。
新型デリカミニがこの先どこまで売れ行きを伸ばしていくのか、目が離せません。
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